風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

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建築基準法

都市計画法







風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律


第一章 総則




(目的)

第一条 この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。

(用語の意義)

第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
2 この法律において「風俗営業者」とは、次条第一項の許可又は第七条第一項第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項の承認を受けて風俗営業を営む者をいう。
3 この法律において「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。
4 この法律において「接待飲食等営業」とは、第一項第一号から第三号までのいずれかに該当する営業をいう。


第二章 風俗営業の許可等



(営業の許可)

第三条 風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
2 公安委員会は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、前項の許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。


(許可の基準)

第四条 公安委員会は、前条第一項の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、許可をしてはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 一年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は次に掲げる罪を犯して一年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
イ 第四十九条又は第五十条第一項の罪
ロ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十四条、第百七十五条、第百八十二条、第百八十五条、第百八十六条、第二百二十四条、第二百二十五条(営利又はわいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十六条、第二百二十六条の二(第三項については、営利又はわいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十六条の三、第二百二十七条第一項(同法第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十六条、第二百二十六条の二又は第二百二十六条の三の罪を犯した者を幇ほう助する目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)若しくは第三項(営利又はわいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)又は第二百二十八条(同法第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十六条、第二百二十六条の二、第二百二十六条の三又は第二百二十七条第一項若しくは第三項に係る部分に限る。)の罪
ハ 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項(第五号又は第六号に係る部分に限る。)又は第六条(第一項第二号に係る部分に限る。)の罪
ニ 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第二章の罪
ホ 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第四条から第八条までの罪
ヘ 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十七条、第百十八条第一項(同法第六条又は第五十六条に係る部分に限る。)又は第百十九条第一号(同法第六十一条又は第六十二条に係る部分に限る。)(これらの規定を船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)又は労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)の規定により適用する場合を含む。)の罪
ト 船員法(昭和二十二年法律第百号)第百二十九条(同法第八十五条第一項又は第二項に係る部分に限る。)又は第百三十条(同法第八十六条第一項に係る部分に限る。)(これらの規定を船員職業安定法の規定により適用する場合を含む。)の罪
チ 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条の罪
リ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六十条第一項又は第二項(同法第三十四条第一項第四号の三、第五号、第七号又は第九号に係る部分に限る。)の罪
ヌ 船員職業安定法第百十一条の罪
ル 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項の罪
ヲ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第五十八条の罪
ワ 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成二十八年法律第八十九号)第百八条の罪
三 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
四 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
五 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
六 第二十六条第一項の規定により風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)
七 第二十六条第一項の規定による風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に第十条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で当該返納の日から起算して五年を経過しないもの
八 前号に規定する期間内に合併により消滅した法人又は第十条第一項第一号の規定による許可証の返納をした法人(合併又は風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)の前号の公示の日前六十日以内に役員であつた者で当該消滅又は返納の日から起算して五年を経過しないもの
九 第七号に規定する期間内に分割により同号の聴聞に係る風俗営業を承継させ、若しくは分割により当該風俗営業以外の風俗営業を承継した法人(分割について相当な理由がある者を除く。)又はこれらの法人の同号の公示の日前六十日以内に役員であつた者で当該分割の日から起算して五年を経過しないもの
十 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が風俗営業者の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び次号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
十一 法人でその役員のうちに第一号から第九号までのいずれかに該当する者があるもの
2 公安委員会は、前条第一項の許可の申請に係る営業所につき次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、許可をしてはならない。
一 営業所の構造又は設備(第四項に規定する遊技機を除く。第九条第十条の二第二項第三号第十二条及び第三十九条第二項第七号において同じ。)が風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき。
二 営業所が、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるとき。
三 営業所に第二十四条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由があるとき。
3 公安委員会は、前条第一項の許可又は第七条第一項第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項の承認を受けて営んでいた風俗営業の営業所が火災、震災その他その者の責めに帰することができない事由で政令で定めるものにより滅失したために当該風俗営業を廃止した者が、当該廃止した風俗営業と同一の風俗営業の種別の風俗営業で営業所が前項第二号の地域内にあるものにつき、前条第一項の許可を受けようとする場合において、当該許可の申請が次の各号のいずれにも該当するときは、前項第二号の規定にかかわらず、許可をすることができる。
一 当該風俗営業を廃止した日から起算して五年以内にされたものであること。
二 次のいずれかに該当すること。
イ 当該滅失した営業所の所在地が、当該滅失前から前項第二号の地域に含まれていたこと。
ロ 当該滅失した営業所の所在地が、当該滅失以降に前項第二号の地域に含まれることとなつたこと。
三 当該滅失した営業所とおおむね同一の場所にある営業所につきされたものであること。
四 当該滅失した営業所とおおむね等しい面積の営業所につきされたものであること。


(許可の手続及び許可証)

第五条 第三条第一項の許可を受けようとする者は、公安委員会に、次の事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。この場合において、当該許可申請書には、営業の方法を記載した書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び所在地
三 風俗営業の種別
四 営業所の構造及び設備の概要
五 第二十四条第一項の管理者の氏名及び住所
六 法人にあつては、その役員の氏名及び住所
2 公安委員会は、第三条第一項の許可をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。
3 公安委員会は、第三条第一項の許可をしないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、申請者にその旨を通知しなければならない。
4 許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を公安委員会に届け出て、許可証の再交付を受けなければならない。

(許可証等の掲示義務)

第六条 風俗営業者は、許可証(第十条の二第一項の認定を受けた風俗営業者にあつては、同条第三項の認定証)を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。

(相続)

第七条 風俗営業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該風俗営業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人の営んでいた風俗営業を引き続き営もうとするときは、その相続人は、国家公安委員会規則で定めるところにより、被相続人の死亡後六十日以内に公安委員会に申請して、その承認を受けなければならない。
2 相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした風俗営業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。
3 第四条第一項の規定は、第一項の承認の申請をした相続人について準用する。
4 第一項の承認を受けた相続人は、被相続人に係る風俗営業者の地位を承継する。
5 第一項の承認の申請をした相続人は、その承認を受けたときは、遅滞なく、被相続人が交付を受けた許可証を公安委員会に提出して、その書換えを受けなければならない。
6 前項に規定する者は、第一項の承認をしない旨の通知を受けたときは、遅滞なく、被相続人が交付を受けた許可証を公安委員会に返納しなければならない。

(法人の合併)

第七条の二 風俗営業者たる法人がその合併により消滅することとなる場合において、あらかじめ合併について国家公安委員会規則で定めるところにより公安委員会の承認を受けたときは、合併後存続し、又は合併により設立された法人は、風俗営業者の地位を承継する。
2 第四条第一項の規定は、前項の承認について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項の許可を受けようとする者」とあるのは、「第七条の二第一項の承認を受けようとする法人」と読み替えるものとする。
3 前条第五項の規定は、第一項の承認を受けようとした法人について準用する。この場合において、同条第五項中「被相続人」とあるのは、「合併により消滅した法人」と読み替えるものとする。

(法人の分割)

第七条の三 風俗営業者たる法人が分割により風俗営業を承継させる場合において、あらかじめ当該分割について国家公安委員会規則で定めるところにより公安委員会の承認を受けたときは、分割により当該風俗営業を承継した法人は、当該風俗営業についての風俗営業者の地位を承継する。
2 第四条第一項の規定は、前項の承認について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項の許可を受けようとする者」とあるのは、「第七条の三第一項の承認を受けようとする法人」と読み替えるものとする。
3 第七条第五項の規定は、第一項の承認を受けようとした法人について準用する。この場合において、同条第五項中「被相続人」とあるのは、「分割をした法人」と読み替えるものとする。

(許可の取消し)

第八条 公安委員会は、第三条第一項の許可を受けた者(第七条第一項第七条の二第一項又は前条第一項の承認を受けた者を含む。第十一条において同じ。)について、次の各号に掲げるいずれかの事実が判明したときは、その許可を取り消すことができる。
一 偽りその他不正の手段により当該許可又は承認を受けたこと。
二 第四条第一項各号に掲げる者のいずれかに該当していること。
三 正当な事由がないのに、当該許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと。
四 三月以上所在不明であること。

(構造及び設備の変更等)

第九条 風俗営業者は、増築、改築その他の行為による営業所の構造又は設備の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。第五項において同じ。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、あらかじめ公安委員会の承認を受けなければならない。
2 公安委員会は、前項の承認の申請に係る営業所の構造及び設備が第四条第二項第一号の技術上の基準及び第三条第二項の規定により公安委員会が付した条件に適合していると認めるときは、前項の承認をしなければならない。
3 風俗営業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、公安委員会に、内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 第五条第一項各号(第三号及び第四号を除く。)に掲げる事項(同項第二号に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に変更があつたとき。
二 営業所の構造又は設備につき第一項の軽微な変更をしたとき。
4 前項第一号の規定により届出書を提出する場合において、当該届出書に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、その書換えを受けなければならない。
5 第一項の規定は、第十条の二第一項の認定を受けた風俗営業者が営業所の構造又は設備の変更をしようとする場合については、適用しない。この場合において、当該風俗営業者は、当該変更をしたときは、公安委員会に、内閣府令で定める事項を記載した届出書を内閣府令で定める添付書類とともに提出しなければならない。

(許可証の返納等)

第十条 許可証の交付を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なく、許可証(第三号の場合にあつては、発見し、又は回復した許可証)を公安委員会に返納しなければならない。
一 風俗営業を廃止したとき(当該風俗営業につき第七条の三第一項の承認を受けたときを除く。)。
二 許可が取り消されたとき。
三 許可証の再交付を受けた場合において、亡失した許可証を発見し、又は回復したとき。
2 前項第一号の規定による許可証の返納があつたときは、許可は、その効力を失う。
3 許可証の交付を受けた者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、遅滞なく、許可証を公安委員会に返納しなければならない。
一 死亡した場合(相続人が第七条第一項の承認の申請をしなかつた場合に限る。) 同居の親族又は法定代理人
二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人
三 法人が合併により消滅した場合(その消滅までに、合併後存続し、又は合併により設立される法人につき第七条の二第一項の承認がされなかつた場合に限る。) 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者

(特例風俗営業者の認定)

第十条の二 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する風俗営業者を、その申請により、第六条及び第九条第一項の規定の適用につき特例を設けるべき風俗営業者として認定することができる。
一 当該風俗営業の許可(第七条第一項、第七条の二第一項又は第七条の三第一項の承認を受けて営んでいる風俗営業にあつては、当該承認)を受けてから十年以上経過していること。
二 過去十年以内にこの法律に基づく処分(指示を含む。以下同じ。)を受けたことがなく、かつ、受けるべき事由が現にないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、当該風俗営業に関し法令及びこの法律に基づく条例の遵守の状況が優良な者として国家公安委員会規則で定める基準に適合する者であること。
2 前項の認定を受けようとする者は、公安委員会に、次の事項を記載した認定申請書を提出しなければならない。この場合において、当該認定申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び所在地
三 営業所の構造及び設備の概要
3 公安委員会は、第一項の認定をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、認定証を交付しなければならない。
4 公安委員会は、第一項の認定をしないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、申請者にその旨を通知しなければならない。
5 認定証の交付を受けた者は、当該認定証を亡失し、又は当該認定証が滅失したときは、速やかにその旨を公安委員会に届け出て、認定証の再交付を受けなければならない。
6 公安委員会は、第一項の認定を受けた者につき次の各号のいずれかに該当する事由があつたときは、当該認定を取り消さなければならない。
一 偽りその他不正の手段により当該認定を受けたことが判明したこと。
二 当該風俗営業の許可が取り消されたこと。
三 この法律に基づく処分を受けたこと。
四 第一項第三号に該当しなくなつたこと。
7 認定証の交付を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なく、認定証(第三号の場合にあつては、発見し、又は回復した認定証)を公安委員会に返納しなければならない。
一 当該風俗営業を廃止したとき。
二 認定が取り消されたとき。
三 認定証の再交付を受けた場合において、亡失した認定証を発見し、又は回復したとき。
8 前項第一号の規定による認定証の返納があつたときは、認定は、その効力を失う。
9 認定証の交付を受けた者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、遅滞なく、認定証を公安委員会に返納しなければならない。
一 死亡した場合 同居の親族又は法定代理人
二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人
三 法人が合併により消滅した場合 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者

(名義貸しの禁止)

第十一条 第三条第一項の許可を受けた者は、自己の名義をもつて、他人に風俗営業を営ませてはならない。


第三章 風俗営業者の遵守事項等


(構造及び設備の維持)

第十二条 風俗営業者は、営業所の構造及び設備を、第四条第二項第一号の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

(営業時間の制限等)

第十三条 風俗営業者は、深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。以下同じ。)においては、その営業を営んではならない。ただし、都道府県の条例に特別の定めがある場合は、次の各号に掲げる日の区分に応じそれぞれ当該各号に定める地域内に限り、午前零時以後において当該条例で定める時までその営業を営むことができる。
一 都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日として当該条例で定める日 当該事情のある地域として当該条例で定める地域
二 前号に掲げる日以外の日 午前零時以後において風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域として政令で定める基準に従い当該条例で定める地域

2 都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、前項の規定によるほか、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、風俗営業の営業時間を制限することができる。

3 風俗営業者は、第一項ただし書の場合において、午前零時から同項ただし書に規定する条例で定める時までの時間においてその営業を営むときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、客が大声若しくは騒音を発し、又は酒に酔つて粗野若しくは乱暴な言動をすることその他営業所の周辺において他人に迷惑を及ぼすことがないようにするために必要な措置を講じなければならない。

4 風俗営業者は、第一項ただし書の場合において、午前零時から同項ただし書に規定する条例で定める時までの時間においてその営業を営むときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、営業所ごとに、苦情の処理に関する帳簿を備え付け、必要な事項を記載するとともに、苦情の適切な処理に努めなければならない。

(照度の規制)

第十四条 風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を、風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める数値以下としてその営業を営んではならない。

(騒音及び振動の規制)

第十五条 風俗営業者は、営業所周辺において、政令で定めるところにより、都道府県の条例で定める数値以上の騒音又は振動(人声その他その営業活動に伴う騒音又は振動に限る。)が生じないように、その営業を営まなければならない。

(広告及び宣伝の規制)

第十六条 風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。

(料金の表示)

第十七条 風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その営業に係る料金で国家公安委員会規則で定める種類のものを、営業所において客に見やすいように表示しなければならない。

(年少者の立入禁止の表示)

第十八条 風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、十八歳未満の者がその営業所に立ち入つてはならない旨(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨(第二十二条第二項の規定に基づく都道府県の条例で、午前六時後午後十時前の時間における十八歳未満の者の立入りの禁止又は制限を定めたときは、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨及び当該禁止又は制限の内容))を営業所の入口に表示しなければならない。

(接客従業者に対する拘束的行為の規制)

第十八条の二 接待飲食等営業を営む風俗営業者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 営業所で客に接する業務に従事する者(以下「接客従業者」という。)に対し、接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務(利息制限法(昭和二十九年法律第百号)その他の法令の規定によりその全部又は一部が無効とされるものを含む。以下同じ。)を負担させること。
二 その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた接客従業者の旅券等(出入国管理及び難民認定法第二条第五号の旅券、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項の運転免許証その他求人者が求職者の本人確認のため通常提示を求める書類として政令で定めるものをいう。以下同じ。)を保管し、又は第三者に保管させること。

2 接待飲食等営業を営む風俗営業者は、接客業務受託営業を営む者が当該接客業務受託営業に関し第三十五条の三の規定に違反する行為又は売春防止法第九条、第十条若しくは第十二条の罪に当たる違法な行為をしている疑いがあると認められるときは、当該接客業務受託営業を営む者の使用人その他の従業者で当該違反行為の相手方となつているものが営業所で客に接する業務に従事することを防止するため必要な措置をとらなければならない。

(条例への委任)

第二十一条 第十二条から第十九条まで、前条第一項及び次条第二項に定めるもののほか、都道府県は、条例により、風俗営業者の行為について、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な制限を定めることができる。

(禁止行為等)

第二十二条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該営業に関し客引きをすること。
二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること。
四 営業所で午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。
五 十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること。)。
六 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。

2 都道府県は、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、第二条第一項第五号の営業を営む者が午前六時後午後十時前の時間において十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることを禁止し、又は当該営業を営む風俗営業者が当該時間において十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることについて、保護者の同伴を求めなければならないものとすることその他必要な制限を定めることができる。

(営業所の管理者)

第二十四条 風俗営業者は、営業所ごとに、当該営業所における業務の実施を統括管理する者のうちから、第三項に規定する業務を行う者として、管理者一人を選任しなければならない。ただし、管理者として選任した者が欠けるに至つたときは、その日から十四日間は、管理者を選任しておかなくてもよい。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、管理者となることができない。
一 未成年者
二 第四条第一項第一号から第四号まで又は第六号から第九号までのいずれかに該当する者
三 心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

3 管理者は、当該営業所における業務の実施に関し、風俗営業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下「代理人等」という。)に対し、これらの者が法令の規定を遵守してその業務を実施するため必要な助言又は指導を行い、その他当該営業所における業務の適正な実施を確保するため必要な業務で国家公安委員会規則で定めるものを行うものとする。

4 風俗営業者又はその代理人は、管理者が前項に規定する業務として行う助言を尊重しなければならず、風俗営業者の使用人その他の従業者は、管理者がその業務として行う指導に従わなければならない。

5 公安委員会は、管理者が第二項第二号若しくは第三号に該当すると認めたとき、又はその者がその職務に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において、その情状により管理者として不適当であると認めたときは、風俗営業者に対し、当該管理者の解任を勧告することができる。

6 公安委員会は、第三項に規定する管理者の業務を適正に実施させるため必要があると認めるときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、管理者に対する講習を行うことができる。

7 風俗営業者は、公安委員会からその選任に係る管理者について前項の講習を行う旨の通知を受けたときは、当該管理者に講習を受けさせなければならない。


(指示)

第二十五条 公安委員会は、風俗営業者又はその代理人等が、当該営業に関し、法令又はこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該風俗営業者に対し、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすることができる。

(営業の停止等)

第二十六条 公安委員会は、風俗営業者若しくはその代理人等が当該営業に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は風俗営業者がこの法律に基づく処分若しくは第三条第二項の規定に基づき付された条件に違反したときは、当該風俗営業者に対し、当該風俗営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該風俗営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
2 公安委員会は、前項の規定により風俗営業(第二条第一項第四号及び第五号の営業を除く。以下この項において同じ。)の許可を取り消し、又は風俗営業の停止を命ずるときは、当該風俗営業を営む者に対し、当該施設を用いて営む飲食店営業について、六月(前項の規定により風俗営業の停止を命ずるときは、その停止の期間)を超えない範囲内で期間を定めて営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。


第五章 監督

(従業者名簿)

第三十六条 風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、店舗型電話異性紹介営業を営む者、無店舗型電話異性紹介営業を営む者、特定遊興飲食店営業者、第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者及び深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、営業所ごと(無店舗型性風俗特殊営業を営む者及び無店舗型電話異性紹介営業を営む者にあつては、事務所)に、従業者名簿を備え、これに当該営業に係る業務に従事する者の住所及び氏名その他内閣府令で定める事項を記載しなければならない。

(接客従業者の生年月日等の確認)

第三十六条の二 接待飲食等営業を営む風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、特定遊興飲食店営業者及び第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者は、当該営業に関し客に接する業務に従事させようとする者について次に掲げる事項を、当該事項を証する書類として内閣府令で定める書類により、確認しなければならない。
一 生年月日
二 国籍
三 日本国籍を有しない者にあつては、次のイ又はロのいずれかに掲げる事項
イ 出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項に規定する在留資格及び同条第三項に規定する在留期間並びに同法第十九条第二項の許可の有無及び当該許可があるときはその内容
ロ 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者として永住することができる資格

2 接待飲食等営業を営む風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、特定遊興飲食店営業者及び第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者は、前項の確認をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該確認に係る記録を作成し、これを保存しなければならない。

(報告及び立入り)

第三十七条 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、風俗営業者、性風俗関連特殊営業を営む者、特定遊興飲食店営業者、第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者、深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者又は接客業務受託営業を営む者に対し、その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

2 警察職員は、この法律の施行に必要な限度において、次に掲げる場所に立ち入ることができる。ただし、第一号、第二号又は第四号から第七号までに掲げる営業所に設けられている個室その他これに類する施設で客が在室するものについては、この限りでない。
一 風俗営業の営業所
二 店舗型性風俗特殊営業の営業所
三 第二条第七項第一号の営業の事務所、受付所又は待機所
六 第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業の営業所
七 前各号に掲げるもののほか、設備を設けて客に飲食をさせる営業の営業所(深夜において営業しているものに限る。)

3 前項の規定により警察職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。


第六章 雑則


(少年指導委員)

第三十八条 公安委員会は、次に掲げる要件を満たしている者のうちから、少年指導委員を委嘱することができる。
一 人格及び行動について、社会的信望を有すること。
二 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
三 生活が安定していること。
四 健康で活動力を有すること。

2 少年指導委員は、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等(性風俗関連特殊営業、特定遊興飲食店営業、飲食店営業、興行場営業、特定性風俗物品販売等営業及び接客業務受託営業をいう。第二号において同じ。)に関し、次に掲げる職務を行う。
一 飲酒若しくは喫煙をしている少年、風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは特定遊興飲食店営業の営業所若しくは第二条第七項第一号の営業の受付所に客として出入りし、又はこれらの営業所若しくは受付所の付近をはいかいしている十八歳未満の者その他少年の健全な育成の観点から障害があると認められる行為を行つている少年の補導を行うこと。
二 風俗営業若しくは性風俗関連特殊営業等を営む者又はその代理人等に対し、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するために必要な助言を行うこと。
三 少年の健全な育成に障害を及ぼす行為により被害を受けた少年に対し、助言及び指導その他の援助を行うこと。
四 少年の健全な育成に資するための地方公共団体の施策及び民間団体の活動への協力を行うこと。
五 前各号に掲げるもののほか、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止し、又は少年の健全な育成に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるものを行うこと。

3 少年指導委員又は少年指導委員であつた者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

4 少年指導委員は、名誉職とする。

5 公安委員会は、少年指導委員に対し、その職務の遂行に必要な研修を行うものとする。

6 公安委員会は、少年指導委員が次の各号のいずれかに該当するときは、これを解嘱することができる。
一 第一項各号のいずれかの要件を欠くに至つたとき。
二 職務上の義務に違反し、又はその職務を怠つたとき。
三 少年指導委員たるにふさわしくない非行のあつたとき。

第三十八条の二
 公安委員会は、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、少年指導委員に、第三十七条第二項各号に掲げる場所に立ち入らせることができる。ただし、同項第一号、第二号又は第四号から第七号までに掲げる営業所に設けられている個室その他これに類する施設で客が在室するものについては、この限りでない。
2 公安委員会は、前項の規定による立入りをさせるときは、少年指導委員に対し、当該立入りの場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
3 少年指導委員は、前項の指示に従つて第一項の規定による立入りをしたときは、その結果を公安委員会に報告しなければならない。
4 第一項の規定による立入りをする少年指導委員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
5 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第三十八条の三
 前二条に定めるもののほか、少年指導委員に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

(風俗環境保全協議会)

第三十八条の四 公安委員会は、国家公安委員会規則で定めるところにより、風俗営業、特定遊興飲食店営業又は第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業の営業所が集中している地域その他の特に良好な風俗環境の保全を図る必要があるものとして都道府県の条例で定める地域ごとに、当該地域を管轄する警察署長、当該地域の風俗営業若しくは特定遊興飲食店営業の営業所の管理者又は当該酒類提供飲食店営業を営む者、少年指導委員、地域住民その他の関係者により構成される風俗環境保全協議会(以下この条において「協議会」という。)を置くように努めるものとする。
2 協議会は、風俗営業、特定遊興飲食店営業又は第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業に関し、地域における良好な風俗環境の保全に障害を及ぼすおそれのある事項についての情報を共有し、関係者の連携の緊密化を図るとともに、地域における良好な風俗環境の保全に対するこれらの営業による悪影響を排除するために必要な対策について協議を行うものとする。
3 協議会の事務に従事する者又は当該者であつた者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4 前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

(都道府県風俗環境浄化協会)

第三十九条 公安委員会は、善良の風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成を図ることを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、都道府県に一を限つて、都道府県風俗環境浄化協会(以下「都道府県協会」という。)として指定することができる。

2 都道府県協会は、当該都道府県の区域内において、次に掲げる事業を行うものとする。
一 風俗環境に関する苦情を処理すること。
二 この法律に違反する行為を防止するための啓発活動を行うこと。
三 少年指導委員の活動を助けること。
四 善良の風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成に資するための民間の自主的な組織活動を助けること。
五 公安委員会の委託を受けて第二十四条第六項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の講習を行うこと。
六 公安委員会の委託を受けて第三条第一項の許可の申請に係る営業所に関し、第四条第二項第一号若しくは第二号又は同条第三項第二号から第四号まで(これらの規定を第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)に該当する事由の有無について調査すること。
七 公安委員会の委託を受けて第九条第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の承認又は第十条の二第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の認定の申請に係る営業所の構造及び設備が第四条第二項第一号(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の技術上の基準に適合しているか否かについて調査すること。
八 前各号の事業に附帯する事業

3 公安委員会は、都道府県協会の財産の状況又はその事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、都道府県協会に対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。

4 公安委員会は、都道府県協会が前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。

5 都道府県協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第二項第六号又は第七号の規定による調査の業務(次項において「調査業務」という。)に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

6 調査業務に従事する都道府県協会の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。

7 都道府県協会の指定の手続その他都道府県協会に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

(全国風俗環境浄化協会)

第四十条 国家公安委員会は、都道府県協会の健全な発達を図るとともに、善良の風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成を図ることを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、全国風俗環境浄化協会(以下「全国協会」という。)として指定することができる。

2 全国協会は、次に掲げる事業を行うものとする。
一 風俗環境に関する苦情の処理に係る業務を担当する者その他都道府県協会の業務を行う者に対する研修を行うこと。
二 この法律に違反する行為を防止するための二以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと。
三 少年の健全な育成に及ぼす風俗環境の影響に関する調査研究を行うこと。
四 都道府県協会の事業について、連絡調整を図ること。
五 前各号の事業に附帯する事業

3 前条第三項、第四項及び第七項の規定は、全国協会について準用する。この場合において、同条第三項中「公安委員会」とあるのは「国家公安委員会」と、同条第四項中「公安委員会」とあるのは「国家公安委員会」と、「第一項」とあるのは「次条第一項」と読み替えるものとする。

(聴聞の特例)

第四十一条 公安委員会は、第二十六条の規定により営業の廃止を命じようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2 第八条(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。第四項及び次条において同じ。)、第十条の二第六項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。第四項において同じ。)、第二十六条第三十九条第四項(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分に係る聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。

3 前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。

4 第八条第十条の二第六項第二十六条第三十九条第四項(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

(行政手続法の適用除外)

第四十一条の二 公安委員会がそのあらかじめ指定する医師の診断に基づき第四条第一項第四号又は第五号(これらの規定を第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)に該当すると認めた者について行う第八条の規定による処分については、行政手続法第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

(国家公安委員会への報告等)

第四十一条の三 公安委員会は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、国家公安委員会規則で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。この場合において、国家公安委員会は、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。

一 第三条第一項許可若しくは第七条第一項第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項(これらの規定を第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の承認をした場合

二 第二十五条第二十六条第一項の規定による処分をした場合

2 前項に規定するもののほか、公安委員会は、風俗営業者、無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業若しくは無店舗型電話異性紹介営業を営む者、特定遊興飲食店営業者若しくは接客業務受託営業を営む者若しくはこれらの代理人等が同項第二号に規定する処分の事由となる行為若しくは違反行為をし、又は風俗営業者、無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業若しくは無店舗型電話異性紹介営業を営む者、特定遊興飲食店営業者若しくは接客業務受託営業を営む者が同号に規定する処分に違反したと認める場合には、風俗営業若しくは特定遊興飲食店営業の営業所の所在地又は当該行為若しくは当該違反行為が行われた時における無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、無店舗型電話異性紹介営業若しくは接客業務受託営業の事務所の所在地を管轄する公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める事項を通報しなければならない。

(飲食店営業等の停止の通知)

第四十二条 公安委員会は、第二十六条第二項の規定により飲食店営業に係る営業の全部若しくは一部の停止を命じたときは、速やかに、当該営業の所轄庁に処分の内容及び理由を通知しなければならない。

(手数料)

第四十三条 都道府県は、第三条第一項の許可又は第二十条第十項において準用する第九条第一項の承認に係る手数料の徴収については、政令で定める者から、実費を勘案して政令で定める額を徴収することを標準として条例を定めなければならない。

(風俗営業者の団体等)

第四十四条 風俗営業者が風俗営業の業務の適正化と風俗営業の健全化を図ることを目的として組織する団体及び特定遊興飲食店営業者が特定遊興飲食店営業の業務の適正化と特定遊興飲食店営業の健全化を図ることを目的として組織する団体は、その成立の日から三十日以内に、内閣府令で定めるところにより、国家公安委員会又は公安委員会に、名称、事務所の所在地その他の内閣府令で定める事項を届け出なければならない。
2 国家公安委員会又は公安委員会は、前項の規定による届出をした団体の自主的な活動の促進を図るため、必要な助言、指導その他の措置を講ずるように努めなければならない。

(警察庁長官への権限の委任)

第四十五条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により国家公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、警察庁長官に委任することができる。

(方面公安委員会への権限の委任)

第四十六条 この法律又はこの法律に基づく政令の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に委任することができる。

(経過措置)

第四十七条 この法律の規定に基づき命令又は条例を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ命令又は条例で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

(国家公安委員会規則への委任)

第四十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第七章 罰則

第四十九条
 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者

二 偽りその他不正の手段により第三条第一項の許可又は第七条第一項第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項(これらの規定を第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の承認を受けた者

三 第十一条(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

四 第二十六条の規定による公安委員会の処分に違反した者

第五十条
 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第九条第一項(第二十条第十項及び第三十一条の二十三において準用する場合を含む。以下この号及び次号において同じ。)の規定に違反して第九条第一項の承認を受けないで営業所の構造又は設備の変更をした者

二 偽りその他不正の手段により第九条第一項の承認を受けた者

三 偽りその他不正の手段により第十条の二第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の認定を受けた者

四 第二十二条第一項第三号の規定又は同項第四号から第六号まで(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

2 第二十二条第一項第三号若しくは第四号(第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる行為をした者は、当該十八歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、前項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

第五十一条
 第三十八条第三項第三十八条の四第三項又は第三十九条第五項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第五十二条
 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第二十二条第一項第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

第五十三条
 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。

三 第三十六条の規定に違反して、従業者名簿を備えず、又はこれに必要な記載をせず、若しくは虚偽の記載をした者

四 第三十六条の二第一項の規定に違反した者

五 第三十六条の二第二項の規定に違反して、記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかつた者

六 第三十七条第一項の規定に違反して、報告をせず、若しくは資料を提出せず、又は同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者

七 第三十七条第二項の規定による立入りを拒み、妨げ、又は忌避した者

第五十四条
 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

一 第五条第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の許可申請書又は添付書類であつて虚偽の記載のあるものを提出した者

二 第九条第五項後段(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、届出書を提出せず、又は同項後段の届出書若しくは添付書類であつて虚偽の記載のあるものを提出した者

三 第十条の二第二項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の認定申請書又は添付書類であつて虚偽の記載のあるものを提出した者

五 第二十四条第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

第五十五条
 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第六条(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

二 第七条第五項第七条の二第三項及び第七条の三第三項(これらの規定を第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)並びに第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

三 第九条第三項(第二十条第十項及び第三十一条の二十三において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、届出書を提出せず、又は第九条第三項の届出書若しくはこれらの届出書に係る第九条第三項の添付書類であつて虚偽の記載のあるものを提出した者

四 第十条第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

五 第十条の二第七項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

第五十七条
 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。

一 第七条第六項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

二 第十条第三項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

三 第十条の二第九項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者





建築基準法


第一章 総則




(目的)

第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

(用語の定義)

第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 建築物 
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

二 特殊建築物 
学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

三 建築設備 
建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。

四 居室 
居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。

五 主要構造部 
壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。

六 延焼のおそれのある部分 
隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線(ロにおいて「隣地境界線等」という。)から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、次のイ又はロのいずれかに該当する部分を除く。

イ 防火上有効な公園、広場、川その他の空地又は水面、耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分
ロ 建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じて、当該建築物の周囲において発生する通常の火災時における火熱により燃焼するおそれのないものとして国土交通大臣が定める部分

七 耐火構造 
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

七の二 準耐火構造 
壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロにおいて同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

八 防火構造 
建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

九 不燃材料 
建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

九の二 耐火建築物 
次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
(1) 耐火構造であること。
(2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
(ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。

ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

九の三 準耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、イ又はロのいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に前号ロに規定する防火設備を有するものをいう。
イ 主要構造部を準耐火構造としたもの
ロ イに掲げる建築物以外の建築物であつて、イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの

十 設計 
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二条第六項に規定する設計をいう。

十一 工事監理者 
建築士法第二条第八項に規定する工事監理をする者をいう。

十二 設計図書 
建築物、その敷地又は第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。

十三 建築 
建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。

十四 大規模の修繕 
建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

十五 大規模の模様替 
建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。

十六 建築主 
建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

十七 設計者 
その者の責任において、設計図書を作成した者をいい、建築士法第二十条の二第三項又は第二十条の三第三項の規定により建築物が構造関係規定(同法第二十条の二第二項に規定する構造関係規定をいう。第五条の六第二項及び第六条第三項第二号において同じ。)又は設備関係規定(同法第二十条の三第二項に規定する設備関係規定をいう。第五条の六第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)に適合することを確認した構造設計一級建築士(同法第十条の三第四項に規定する構造設計一級建築士をいう。第五条の六第二項及び第六条第三項第二号において同じ。)又は設備設計一級建築士(同法第十条の三第四項に規定する設備設計一級建築士をいう。第五条の六第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)を含むものとする。

十八 工事施工者 
建築物、その敷地若しくは第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。

十九 都市計画 
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第一項に規定する都市計画をいう。

二十 都市計画区域又は準都市計画区域 
それぞれ、都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域又は準都市計画区域をいう。

二十一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区 それぞれ、都市計画法第八条第一項第一号から第六号までに掲げる第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、特別用途地区、特定用途制限地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、高度地区、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区又は景観地区をいう。

二十二 地区計画 
都市計画法第十二条の四第一項第一号に掲げる地区計画をいう。

二十三 地区整備計画 
都市計画法第十二条の五第二項第一号に掲げる地区整備計画をいう。

二十四 防災街区整備地区計画 
都市計画法第十二条の四第一項第二号に掲げる防災街区整備地区計画をいう。

二十五 特定建築物地区整備計画 
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画をいう。

二十六 防災街区整備地区整備計画 
密集市街地整備法第三十二条第二項第二号に規定する防災街区整備地区整備計画をいう。

二十七 歴史的風致維持向上地区計画 
都市計画法第十二条の四第一項第三号に掲げる歴史的風致維持向上地区計画をいう。

二十八 歴史的風致維持向上地区整備計画 
地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号。以下「地域歴史的風致法」という。)第三十一条第二項第一号に規定する歴史的風致維持向上地区整備計画をいう。

二十九 沿道地区計画 
都市計画法第十二条の四第一項第四号に掲げる沿道地区計画をいう。

三十 沿道地区整備計画 
幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号。以下「沿道整備法」という。)第九条第二項第一号に掲げる沿道地区整備計画をいう。

三十一 集落地区計画 
都市計画法第十二条の四第一項第五号に掲げる集落地区計画をいう。

三十二 集落地区整備計画 集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第三項に規定する集落地区整備計画をいう。

三十三 地区計画等 
都市計画法第四条第九項に規定する地区計画等をいう。

三十四 プログラム 
電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。

三十五 特定行政庁 
建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項又は第九十七条の三第一項の規定により建築主事を置く市町村の区域内の政令で定める建築物については、都道府県知事とする。

(建築基準適合判定資格者検定)

第五条 建築基準適合判定資格者検定は、建築士の設計に係る建築物が第六条第一項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識及び経験について行う。
2 建築基準適合判定資格者検定は、国土交通大臣が行う。
3 建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者で、建築行政又は第七十七条の十八第一項の確認検査の業務その他これに類する業務で政令で定めるものに関して、二年以上の実務の経験を有するものでなければ受けることができない。
4 建築基準適合判定資格者検定に関する事務をつかさどらせるために、国土交通省に、建築基準適合判定資格者検定委員を置く。ただし、次条第一項の指定建築基準適合判定資格者検定機関が同項の建築基準適合判定資格者検定事務を行う場合においては、この限りでない。
5 建築基準適合判定資格者検定委員は、建築及び行政に関し学識経験のある者のうちから、国土交通大臣が命ずる。
6 国土交通大臣は、不正の手段によつて建築基準適合判定資格者検定を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその建築基準適合判定資格者検定を受けることを禁止することができる。
7 国土交通大臣は、前項又は次条第二項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、二年以内の期間を定めて建築基準適合判定資格者検定を受けることができないものとすることができる。
8 前各項に定めるものを除くほか、建築基準適合判定資格者検定の手続及び基準その他建築基準適合判定資格者検定に関し必要な事項は、政令で定める。

(建築基準適合判定資格者検定事務を行う者の指定)

第五条の二 国土交通大臣は、第七十七条の二から第七十七条の五までの規定の定めるところにより指定する者(以下「指定建築基準適合判定資格者検定機関」という。)に、建築基準適合判定資格者検定の実施に関する事務(以下「建築基準適合判定資格者検定事務」という。)を行わせることができる。
2 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、前条第六項に規定する国土交通大臣の職権を行うことができる。
3 国土交通大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、建築基準適合判定資格者検定事務を行わないものとする。

(受検手数料)

第五条の三 建築基準適合判定資格者検定を受けようとする者(市町村又は都道府県の職員である者を除く。)は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の受検手数料を、国(指定建築基準適合判定資格者検定機関が行う建築基準適合判定資格者検定を受けようとする者にあつては、指定建築基準適合判定資格者検定機関)に納めなければならない。
2 前項の規定により指定建築基準適合判定資格者検定機関に納められた受検手数料は、当該指定建築基準適合判定資格者検定機関の収入とする。

(構造計算適合判定資格者検定)

第五条の四 構造計算適合判定資格者検定は、建築士の設計に係る建築物の計画について第六条の三第一項の構造計算適合性判定を行うために必要な知識及び経験について行う。
2 構造計算適合判定資格者検定は、国土交通大臣が行う。
3 構造計算適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者で、第六条の三第一項の構造計算適合性判定の業務その他これに類する業務で政令で定めるものに関して、五年以上の実務の経験を有するものでなければ受けることができない。
4 構造計算適合判定資格者検定に関する事務をつかさどらせるために、国土交通省に、構造計算適合判定資格者検定委員を置く。ただし、次条第一項の指定構造計算適合判定資格者検定機関が同項の構造計算適合判定資格者検定事務を行う場合においては、この限りでない。
5 第五条第五項の規定は構造計算適合判定資格者検定委員に、同条第六項から第八項までの規定は構造計算適合判定資格者検定について準用する。この場合において、同条第七項中「次条第二項」とあるのは、「第五条の五第二項において準用する第五条の二第二項」と読み替えるものとする。

(構造計算適合判定資格者検定事務を行う者の指定等)

第五条の五 国土交通大臣は、第七十七条の十七の二第一項及び同条第二項において準用する第七十七条の三から第七十七条の五までの規定の定めるところにより指定する者(以下「指定構造計算適合判定資格者検定機関」という。)に、構造計算適合判定資格者検定の実施に関する事務(以下「構造計算適合判定資格者検定事務」という。)を行わせることができる。
2 第五条の二第二項及び第五条の三第二項の規定は指定構造計算適合判定資格者検定機関に、第五条の二第三項の規定は構造計算適合判定資格者検定事務に、第五条の三第一項の規定は構造計算適合判定資格者検定について準用する。この場合において、第五条の二第二項中「前条第六項」とあるのは「第五条の四第五項において準用する第五条第六項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五条の五第一項」と、第五条の三第一項中「者(市町村又は都道府県の職員である者を除く。)」とあるのは「者」と読み替えるものとする。

(建築物の設計及び工事監理)

第五条の六 建築士法第三条第一項(同条第二項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)、第三条の二第一項(同条第二項において準用する同法第三条第二項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)若しくは第三条の三第一項(同条第二項において準用する同法第三条第二項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)に規定する建築物又は同法第三条の二第三項(同法第三条の三第二項において読み替えて準用する場合を含む。以下同じ。)の規定に基づく条例に規定する建築物の工事は、それぞれ当該各条に規定する建築士の設計によらなければ、することができない。
2 建築士法第二条第七項に規定する構造設計図書による同法第二十条の二第一項の建築物の工事は、構造設計一級建築士の構造設計(同法第二条第七項に規定する構造設計をいう。以下この項及び次条第三項第二号において同じ。)又は当該建築物が構造関係規定に適合することを構造設計一級建築士が確認した構造設計によらなければ、することができない。
3 建築士法第二条第七項に規定する設備設計図書による同法第二十条の三第一項の建築物の工事は、設備設計一級建築士の設備設計(同法第二条第七項に規定する設備設計をいう。以下この項及び次条第三項第三号において同じ。)又は当該建築物が設備関係規定に適合することを設備設計一級建築士が確認した設備設計によらなければ、することができない。
4 建築主は、第一項に規定する工事をする場合においては、それぞれ建築士法第三条第一項、第三条の二第一項若しくは第三条の三第一項に規定する建築士又は同法第三条の二第三項の規定に基づく条例に規定する建築士である工事監理者を定めなければならない。
5 前項の規定に違反した工事は、することができない。

(建築物の建築等に関する申請及び確認)

第六条 建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの
二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物

2 前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。

3 建築主事は、第一項の申請書が提出された場合において、その計画が次の各号のいずれかに該当するときは、当該申請書を受理することができない。
一 建築士法第三条第一項、第三条の二第一項、第三条の三第一項、第二十条の二第一項若しくは第二十条の三第一項の規定又は同法第三条の二第三項の規定に基づく条例の規定に違反するとき。
二 構造設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の二第一項の建築物の構造設計を行つた場合において、当該建築物が構造関係規定に適合することを構造設計一級建築士が確認した構造設計によるものでないとき。
三 設備設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の三第一項の建築物の設備設計を行つた場合において、当該建築物が設備関係規定に適合することを設備設計一級建築士が確認した設備設計によるものでないとき。

4 建築主事は、第一項の申請書を受理した場合においては、同項第一号から第三号までに係るものにあつてはその受理した日から三十五日以内に、同項第四号に係るものにあつてはその受理した日から七日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは、当該申請者に確認済証を交付しなければならない。

5 建築主事は、前項の場合において、申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。

6 建築主事は、第四項の場合(申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかを審査する場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、第四項の期間内に当該申請者に第一項の確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、第四項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。

7 建築主事は、第四項の場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。

8 第一項の確認済証の交付を受けた後でなければ、同項の建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、することができない。

9 第一項の規定による確認の申請書、同項の確認済証並びに第六項及び第七項の通知書の様式は、国土交通省令で定める。

(国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)

第六条の二 前条第一項各号に掲げる建築物の計画(前条第三項各号のいずれかに該当するものを除く。)が建築基準関係規定に適合するものであることについて、第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。
2 前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
3 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が次条第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。
4 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨及びその理由を記載した通知書を当該申請者に交付しなければならない。
5 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の確認済証又は前項の通知書の交付をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、確認審査報告書を作成し、当該確認済証又は当該通知書の交付に係る建築物の計画に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
6 特定行政庁は、前項の規定による確認審査報告書の提出を受けた場合において、第一項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該確認済証を交付した同項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該確認済証は、その効力を失う。
7 前項の場合において、特定行政庁は、必要に応じ、第九条第一項又は第十項の命令その他の措置を講ずるものとする。

(構造計算適合性判定)

第六条の三 建築主は、第六条第一項の場合において、申請に係る建築物の計画が第二十条第一項第二号若しくは第三号に定める基準(同項第二号イ又は第三号イの政令で定める基準に従つた構造計算で、同項第二号イに規定する方法若しくはプログラムによるもの又は同項第三号イに規定するプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。以下「特定構造計算基準」という。)又は第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)の規定により第二十条の規定の適用を受けない建築物について第八十六条の七第一項の政令で定める範囲内において増築若しくは改築をする場合における同項の政令で定める基準(特定構造計算基準に相当する基準として政令で定めるものに限る。以下「特定増改築構造計算基準」という。)に適合するかどうかの確認審査(第六条第四項に規定する審査又は前条第一項の規定による確認のための審査をいう。以下この項において同じ。)を要するものであるときは、構造計算適合性判定(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの判定をいう。以下同じ。)の申請書を提出して都道府県知事の構造計算適合性判定を受けなければならない。ただし、当該建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分のうち確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)又は特定増改築構造計算基準(確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)に適合するかどうかを、構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事が第六条第四項に規定する審査をする場合又は前条第一項の規定による指定を受けた者が当該国土交通省令で定める要件を備える者である第七十七条の二十四第一項の確認検査員に前条第一項の規定による確認のための審査をさせる場合は、この限りでない。
2 都道府県知事は、前項の申請書を受理した場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて当該都道府県に置かれた建築主事が第六条第一項の規定による確認をするときは、当該建築主事を当該申請に係る構造計算適合性判定に関する事務に従事させてはならない。
3 都道府県知事は、特別な構造方法の建築物の計画について第一項の構造計算適合性判定を行うに当たつて必要があると認めるときは、当該構造方法に係る構造計算に関して専門的な識見を有する者の意見を聴くものとする。
4 都道府県知事は、第一項の申請書を受理した場合においては、その受理した日から十四日以内に、当該申請に係る構造計算適合性判定の結果を記載した通知書を当該申請者に交付しなければならない。
5 都道府県知事は、前項の場合(申請に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかの判定の申請を受けた場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、前項の期間内に当該申請者に同項の通知書を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。
6 都道府県知事は、第四項の場合において、申請書の記載によつては当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。
7 建築主は、第四項の規定により同項の通知書の交付を受けた場合において、当該通知書が適合判定通知書(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するものであると判定された旨が記載された通知書をいう。以下同じ。)であるときは、第六条第一項又は前条第一項の規定による確認をする建築主事又は同項の規定による指定を受けた者に、当該適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。ただし、当該建築物の計画に係る第六条第七項又は前条第四項の通知書の交付を受けた場合は、この限りでない。
8 建築主は、前項の場合において、建築物の計画が第六条第一項の規定による建築主事の確認に係るものであるときは、同条第四項の期間(同条第六項の規定により同条第四項の期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)の末日の三日前までに、前項の適合判定通知書又はその写しを当該建築主事に提出しなければならない。
9 第一項の規定による構造計算適合性判定の申請書及び第四項から第六項までの通知書の様式は、国土交通省令で定める。

(建築物の建築に関する確認の特例)

第六条の四 第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は第三号に掲げる建築物の建築に対する第六条及び第六条の二の規定の適用については、第六条第一項中「政令で定めるものをいう。以下同じ」とあるのは、「政令で定めるものをいい、建築基準法令の規定のうち政令で定める規定を除く。以下この条及び次条において同じ」とする。
一 第六十八条の十第一項の認定を受けた型式(次号において「認定型式」という。)に適合する建築材料を用いる建築物
二 認定型式に適合する建築物の部分を有する建築物
三 第六条第一項第四号に掲げる建築物で建築士の設計に係るもの 2 前項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する政令のうち建築基準法令の規定を定めるものにおいては、建築士の技術水準、建築物の敷地、構造及び用途その他の事情を勘案して、建築士及び建築物の区分に応じ、建築主事の審査を要しないこととしても建築物の安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められる規定を定めるものとする。

(建築物に関する完了検査)

第七条 建築主は、第六条第一項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。
2 前項の規定による申請は、第六条第一項の規定による工事が完了した日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかつたことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
3 前項ただし書の場合における検査の申請は、その理由がやんだ日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。
4 建築主事が第一項の規定による申請を受理した場合においては、建築主事又はその委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員(以下この章において「建築主事等」という。)は、その申請を受理した日から七日以内に、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査しなければならない。
5 建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、当該建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。

(国土交通大臣等の指定を受けた者による完了検査)

第七条の二 第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者が、第六条第一項の規定による工事の完了の日から四日が経過する日までに、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかの検査を引き受けた場合において、当該検査の引受けに係る工事が完了したときについては、前条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
2 前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の検査の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の検査の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
3 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を建築主に交付するとともに、その旨を建築主事に通知しなければならない。
4 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による検査の引受けを行つたときは、当該検査の引受けを行つた第六条第一項の規定による工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日から七日以内に、第一項の検査をしなければならない。
5 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。この場合において、当該検査済証は、前条第五項の検査済証とみなす。
6 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の検査をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、完了検査報告書を作成し、同項の検査をした建築物及びその敷地に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
7 特定行政庁は、前項の規定による完了検査報告書の提出を受けた場合において、第一項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、遅滞なく、第九条第一項又は第七項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。

(建築物に関する中間検査)

第七条の三 建築主は、第六条第一項の規定による工事が次の各号のいずれかに該当する工程(以下「特定工程」という。)を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。
一 階数が三以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程
二 前号に掲げるもののほか、特定行政庁が、その地方の建築物の建築の動向又は工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間又は建築物の構造、用途若しくは規模を限つて指定する工程
2 前項の規定による申請は、特定工程に係る工事を終えた日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかつたことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
3 前項ただし書の場合における検査の申請は、その理由がやんだ日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。
4 建築主事が第一項の規定による申請を受理した場合においては、建築主事等は、その申請を受理した日から四日以内に、当該申請に係る工事中の建築物等(建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事中の建築物及びその敷地をいう。以下この章において同じ。)について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかを検査しなければならない。
5 建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築主に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
6 第一項第一号の政令で定める特定工程ごとに政令で定める当該特定工程後の工程及び特定行政庁が同項第二号の指定と併せて指定する特定工程後の工程(第十八条第二十二項において「特定工程後の工程」と総称する。)に係る工事は、前項の規定による当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
7 建築主事等又は前条第一項の規定による指定を受けた者は、第四項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた工事中の建築物等について、第七条第四項前条第一項、第四項又は次条第一項の規定による検査をするときは、第四項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた建築物の部分及びその敷地については、これらの規定による検査をすることを要しない。
8 第一項第二号の規定による指定に関して公示その他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

(国土交通大臣等の指定を受けた者による中間検査)

第七条の四 第六条第一項の規定による工事が特定工程を含む場合において、第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が当該特定工程に係る工事を終えた後の工事中の建築物等について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかの検査を当該工事を終えた日から四日が経過する日までに引き受けたときについては、前条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
2 第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を建築主に交付するとともに、その旨を建築主事に通知しなければならない。
3 第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第一項の検査をした場合において、特定工程に係る工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築主に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
4 前項の規定により交付された特定工程に係る中間検査合格証は、それぞれ、当該特定工程に係る前条第五項の中間検査合格証とみなす。
5 前条第七項の規定の適用については、第三項の規定により特定工程に係る中間検査合格証が交付された第一項の検査は、それぞれ、同条第五項の規定により当該特定工程に係る中間検査合格証が交付された同条第四項の規定による検査とみなす。
6 第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第一項の検査をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、中間検査報告書を作成し、同項の検査をした工事中の建築物等に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
7 特定行政庁は、前項の規定による中間検査報告書の提出を受けた場合において、第一項の検査をした工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、遅滞なく、第九条第一項又は第十項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。

(建築物に関する検査の特例)

第七条の五 第六条の四第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は同項第三号に掲げる建築物の建築の工事(同号に掲げる建築物の建築の工事にあつては、国土交通省令で定めるところにより建築士である工事監理者によつて設計図書のとおりに実施されたことが確認されたものに限る。)に対する第七条から前条までの規定の適用については、第七条第四項及び第五項中「建築基準関係規定」とあるのは「前条第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定」と、第七条の二第一項、第五項及び第七項第七条の三第四項、第五項及び第七項並びに前条第一項、第三項及び第七項中「建築基準関係規定」とあるのは「第六条の四第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定」とする。

(検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限)

第七条の六 第六条第一項第一号から第三号までの建築物を新築する場合又はこれらの建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラーその他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機若しくは防火区画で政令で定めるものに関する工事(政令で定める軽易な工事を除く。以下この項、第十八条第二十四項及び第九十条の三において「避難施設等に関する工事」という。)を含むものをする場合においては、当該建築物の建築主は、第七条第五項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
一 特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたとき。
二 建築主事又は第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。
三 第七条第一項の規定による申請が受理された日(第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が同項の規定による検査の引受けを行つた場合にあつては、当該検査の引受けに係る工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日)から七日を経過したとき。
2 前項第一号及び第二号の規定による認定の申請の手続に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
3 第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第一項第二号の規定による認定をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、仮使用認定報告書を作成し、同号の規定による認定をした建築物に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
4 特定行政庁は、前項の規定による仮使用認定報告書の提出を受けた場合において、第一項第二号の規定による認定を受けた建築物が同号の国土交通大臣が定める基準に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該認定を行つた第七条の二第一項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該認定は、その効力を失う。

(維持保全)

第八条 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
2 次の各号のいずれかに該当する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。ただし、国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物については、この限りでない。
一 特殊建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの
二 前号の特殊建築物以外の特殊建築物その他政令で定める建築物で、特定行政庁が指定するもの
3 国土交通大臣は、前項各号のいずれかに該当する建築物の所有者又は管理者による同項の準則又は計画の適確な作成に資するため、必要な指針を定めることができる。

(違反建築物に対する措置)

第九条 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2 特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
4 特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第一項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
5 特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第一項の規定によつて命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の二日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
6 第四項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7 特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
8 前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。
9 特定行政庁は、前項の意見の聴取の結果に基づいて、第七項の規定によつて仮にした命令が不当でないと認めた場合においては、第一項の命令をすることができる。意見の聴取の結果、第七項の規定によつて仮にした命令が不当であると認めた場合においては、直ちに、その命令を取り消さなければならない。
10 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。
11 第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
12 特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
13 特定行政庁は、第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
14 前項の標識は、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
15 第一項、第七項又は第十項の規定による命令については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

(建築監視員)

第九条の二 特定行政庁は、政令で定めるところにより、当該市町村又は都道府県の職員のうちから建築監視員を命じ、前条第七項及び第十項に規定する特定行政庁の権限を行なわせることができる。

(違反建築物の設計者等に対する措置)

第九条の三 特定行政庁は、第九条第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が同条第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、国土交通省令で定めるところにより、当該命令に係る建築物の設計者、工事監理者若しくは工事の請負人(請負工事の下請人を含む。次項において同じ。)若しくは当該建築物について宅地建物取引業に係る取引をした宅地建物取引業者又は当該命令に係る浄化槽の製造業者の氏名又は名称及び住所その他国土交通省令で定める事項を、建築士法、建設業法(昭和二十四年法律第百号)、浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)又は宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の定めるところによりこれらの者を監督する国土交通大臣又は都道府県知事に通知しなければならない。
2 国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、当該通知に係る者について、建築士法、建設業法、浄化槽法又は宅地建物取引業法による免許又は許可の取消し、業務の停止の処分その他必要な措置を講ずるものとし、その結果を同項の規定による通知をした特定行政庁に通知しなければならない。

(保安上危険な建築物等の所有者等に対する指導及び助言)

第九条の四 特定行政庁は、建築物の敷地、構造又は建築設備(いずれも第三条第二項の規定により次章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)について、損傷、腐食その他の劣化が生じ、そのまま放置すれば保安上危険となり、又は衛生上有害となるおそれがあると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、修繕、防腐措置その他当該建築物又はその敷地の維持保全に関し必要な指導及び助言をすることができる。

(著しく保安上危険な建築物等の所有者等に対する勧告及び命令)

第十条 特定行政庁は、第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物の敷地、構造又は建築設備(いずれも第三条第二項の規定により次章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)について、損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがあると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを勧告することができる。
2 特定行政庁は、前項の勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつた場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
3 前項の規定による場合のほか、特定行政庁は、建築物の敷地、構造又は建築設備(いずれも第三条第二項の規定により次章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)が著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを命ずることができる。
4 第九条第二項から第九項まで及び第十一項から第十五項までの規定は、前二項の場合に準用する。

(第三章の規定に適合しない建築物に対する措置)

第十一条 特定行政庁は、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途(いずれも第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)の規定により第三章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)が公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、修繕、模様替、使用禁止又は使用制限を命ずることができる。この場合においては、当該建築物の所在地の市町村は、当該命令に基づく措置によつて通常生ずべき損害を時価によつて補償しなければならない。
2 前項の規定によつて補償を受けることができる者は、その補償金額に不服がある場合においては、政令の定める手続によつて、その決定の通知を受けた日から一月以内に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による収用委員会の裁決を求めることができる。

(報告、検査等)

第十二条 第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物(以下この項及び第三項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第三項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
2 国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する特定建築物の管理者である国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この章において「国の機関の長等」という。)は、当該特定建築物の敷地及び構造について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検(当該特定建築物の防火戸その他の前項の政令で定める防火設備についての第四項の点検を除く。)をさせなければならない。ただし、当該特定建築物(第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして前項の政令で定めるもの及び同項の規定により特定行政庁が指定するものを除く。)のうち特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て指定したものについては、この限りでない。
3 特定建築設備等(昇降機及び特定建築物の昇降機以外の建築設備等をいう。以下この項及び次項において同じ。)で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国等の建築物に設けるものを除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築設備等で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物に設けるものを除く。)の所有者は、これらの特定建築設備等について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者(次項及び第十二条の三第二項において「建築設備等検査員」という。)に検査(これらの特定建築設備等についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
4 国の機関の長等は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物の特定建築設備等について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築設備等検査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。ただし、当該特定建築設備等(前項の政令で定めるもの及び同項の規定により特定行政庁が指定するものを除く。)のうち特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て指定したものについては、この限りでない。
5 特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途、建築材料若しくは建築設備その他の建築物の部分(以下「建築材料等」という。)の受取若しくは引渡しの状況、建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況又は建築物の敷地、構造若しくは建築設備に関する調査(以下「建築物に関する調査」という。)の状況に関する報告を求めることができる。
一 建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者
二 第七十七条の二十一第一項の指定確認検査機関
三 第七十七条の三十五の五第一項の指定構造計算適合性判定機関
6 特定行政庁又は建築主事にあつては第六条第四項、第六条の二第六項第七条第四項、第七条の三第四項第九条第一項、第十項若しくは第十三項第十条第一項から第三項まで前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者に対し、帳簿、書類その他の物件の提出を求めることができる。
7 建築主事又は特定行政庁の命令若しくは建築主事の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員にあつては第六条第四項、第六条の二第六項第七条第四項、第七条の三第四項第九条第一項、第十項若しくは第十三項第十条第一項から第三項まで前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物、建築物の敷地、建築材料等を製造した者の工場、営業所、事務所、倉庫その他の事業場、建築工事場又は建築物に関する調査をした者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、建築物、建築物の敷地、建築設備、建築材料、建築材料等の製造に関係がある物件、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件若しくは建築物に関する調査に関係がある物件を検査し、若しくは試験し、又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者若しくは建築物に関する調査をした者に対し必要な事項について質問することができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
8 特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第一項及び第三項の規定による報告に係る建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する台帳を整備し、かつ、当該台帳(当該処分及び当該報告に関する書類で国土交通省令で定めるものを含む。)を保存しなければならない。
9 前項の台帳の記載事項その他その整備に関し必要な事項及び当該台帳(同項の国土交通省令で定める書類を含む。)の保存期間その他その保存に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(建築物調査員資格者証)

第十二条の二 国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、建築物調査員資格者証を交付する。
一 前条第一項の調査及び同条第二項の点検(次項第四号及び第三項第三号において「調査等」という。)に関する講習で国土交通省令で定めるものの課程を修了した者
二 前号に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると国土交通大臣が認定した者
2 国土交通大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、建築物調査員資格者証の交付を行わないことができる。
一 未成年者
二 建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 次項(第二号を除く。)の規定により建築物調査員資格者証の返納を命ぜられ、その日から起算して一年を経過しない者
四 心身の故障により調査等の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
3 国土交通大臣は、建築物調査員が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その建築物調査員資格者証の返納を命ずることができる。
一 この法律又はこれに基づく命令の規定に違反したとき。
二 前項第三号又は第四号のいずれかに該当するに至つたとき。
三 調査等に関して不誠実な行為をしたとき。
四 偽りその他不正の手段により建築物調査員資格者証の交付を受けたとき。
4 建築物調査員資格者証の交付の手続その他建築物調査員資格者証に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(建築設備等検査員資格者証)

第十二条の三 建築設備等検査員資格者証の種類は、国土交通省令で定める。
2 建築設備等検査員が第十二条第三項の検査及び同条第四項の点検(次項第一号において「検査等」という。)を行うことができる建築設備等の種類は、前項の建築設備等検査員資格者証の種類に応じて国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、建築設備等検査員資格者証を交付する。
一 検査等に関する講習で建築設備等検査員資格者証の種類ごとに国土交通省令で定めるものの課程を修了した者
二 前号に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると国土交通大臣が認定した者
4 前条第二項から第四項までの規定は、建築設備等検査員資格者証について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「次条第三項」と、同項第四号及び同条第三項第三号中「調査等」とあるのは「次条第二項に規定する検査等」と読み替えるものとする。

(身分証明書の携帯)

第十三条 建築主事、建築監視員若しくは特定行政庁の命令若しくは建築主事の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員が第十二条第七項の規定によつて建築物、建築物の敷地若しくは建築工事場に立ち入る場合又は建築監視員が第九条の二(第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による権限を行使する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
2 第十二条第七項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(都道府県知事又は国土交通大臣の勧告、助言又は援助)

第十四条 建築主事を置く市町村の長は、都道府県知事又は国土交通大臣に、都道府県知事は、国土交通大臣に、この法律の施行に関し必要な助言又は援助を求めることができる。
2 国土交通大臣は、特定行政庁に対して、都道府県知事は、建築主事を置く市町村の長に対して、この法律の施行に関し必要な勧告、助言若しくは援助をし、又は必要な参考資料を提供することができる。

(届出及び統計)

第十五条 建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合においては、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、同項の建築物の建築又は除却が第一号の耐震改修又は第二号の建替えに該当する場合における同項の届出は、それぞれ、当該各号に規定する所管行政庁が都道府県知事であるときは直接当該都道府県知事に対し、市町村の長であるときは当該市町村の長を経由して行わなければならない。
一 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成七年法律第百二十三号)第十七条第一項の規定により建築物の耐震改修(増築又は改築に限る。)の計画の認定を同法第二条第三項の所管行政庁に申請する場合の当該耐震改修
二 密集市街地整備法第四条第一項の規定により建替計画の認定を同項の所管行政庁に申請する場合の当該建替え
3 市町村の長は、当該市町村の区域内における建築物が火災、震災、水災、風災その他の災害により滅失し、又は損壊した場合においては、都道府県知事に報告しなければならない。ただし、当該滅失した建築物又は損壊した建築物の損壊した部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合においては、この限りでない。
4 都道府県知事は、前三項の規定による届出及び報告に基づき、建築統計を作成し、これを国土交通大臣に送付し、かつ、関係書類を国土交通省令で定める期間保存しなければならない。
5 前各項の規定による届出、報告並びに建築統計の作成及び送付の手続は、国土交通省令で定める。

(報告、検査等)

第十五条の二 国土交通大臣は、第一条の目的を達成するため特に必要があると認めるときは、建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者、建築物に関する調査をした者若しくは第六十八条の十第一項の型式適合認定、第六十八条の二十五第一項の構造方法等の認定若しくは第六十八条の二十六の特殊構造方法等認定(以下この項において「型式適合認定等」という。)を受けた者に対し、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途、建築材料等の受取若しくは引渡しの状況、建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況若しくは建築物に関する調査の状況に関する報告若しくは帳簿、書類その他の物件の提出を求め、又はその職員に、建築物、建築物の敷地、建築材料等を製造した者の工場、営業所、事務所、倉庫その他の事業場、建築工事場、建築物に関する調査をした者の営業所、事務所その他の事業場若しくは型式適合認定等を受けた者の事務所その他の事業場に立ち入り、建築物、建築物の敷地、建築設備、建築材料、建築材料等の製造に関係がある物件、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件、建築物に関する調査に関係がある物件若しくは型式適合認定等に関係がある物件を検査させ、若しくは試験させ、若しくは建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者、建築物に関する調査をした者若しくは型式適合認定等を受けた者に対し必要な事項について質問させることができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(国土交通大臣又は都道府県知事への報告)

第十六条 国土交通大臣は、特定行政庁に対して、都道府県知事は、建築主事を置く市町村の長に対して、この法律の施行に関して必要な報告又は統計の資料の提出を求めることができる。

(特定行政庁等に対する指示等)

第十七条 国土交通大臣は、都道府県若しくは市町村の建築主事の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は都道府県若しくは市町村の建築主事がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは、当該都道府県知事又は市町村の長に対して、期限を定めて、都道府県又は市町村の建築主事に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
2 国土交通大臣は、都道府県の建築主事の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は都道府県の建築主事がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対して、期限を定めて、都道府県の建築主事に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
3 都道府県知事は、市町村の建築主事の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は市町村の建築主事がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に対して、期限を定めて、市町村の建築主事に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
4 国土交通大臣は、前項の場合において都道府県知事がそのすべき指示をしないときは、自ら同項の指示をすることができる。
5 都道府県知事又は市町村の長は、正当な理由がない限り、前各項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事が行つた指示に従わなければならない。
6 都道府県又は市町村の建築主事は、正当な理由がない限り、第一項から第四項までの規定による指示に基づく都道府県知事又は市町村の長の命令に従わなければならない。
7 国土交通大臣は、都道府県知事若しくは市町村の長が正当な理由がなく、所定の期限までに、第一項の規定による指示に従わない場合又は都道府県若しくは市町村の建築主事が正当な理由がなく、所定の期限までに、第一項の規定による国土交通大臣の指示に基づく都道府県知事若しくは市町村の長の命令に従わない場合においては、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該指示に係る必要な措置をとることができる。
8 国土交通大臣は、都道府県知事若しくは市町村の長がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは、当該都道府県知事又は市町村の長に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
9 国土交通大臣は、都道府県知事がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
10 都道府県知事は、市町村の長がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
11 第四項及び第五項の規定は、前三項の場合について準用する。この場合において、第五項中「前各項」とあるのは、「第八項から第十項まで又は第十一項において準用する第四項」と読み替えるものとする。
12 国土交通大臣は、都道府県知事又は市町村の長が正当な理由がなく、所定の期限までに、第八項の規定による指示に従わない場合においては、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該指示に係る必要な措置をとることができる。

(国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物に対する確認、検査又は是正措置に関する手続の特例)

第十八条 国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物及び建築物の敷地については、第六条から第七条の六まで、第九条から第九条の三まで、第十条及び第九十条の二の規定は、適用しない。この場合においては、次項から第二十五項までの規定に定めるところによる。
2 第六条第一項の規定によつて建築し、又は大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする建築物の建築主が国、都道府県又は建築主事を置く市町村である場合においては、当該国の機関の長等は、当該工事に着手する前に、その計画を建築主事に通知しなければならない。ただし、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合(当該増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合に限る。)においては、この限りでない。
3 建築主事は、前項の通知を受けた場合においては、第六条第四項に定める期間内に、当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定(第六条の四第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は同項第三号に掲げる建築物の建築について通知を受けた場合にあつては、同項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定。以下この項及び第十四項において同じ。)に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて、建築基準関係規定に適合することを認めたときは、当該通知をした国の機関の長等に対して確認済証を交付しなければならない。
4 国の機関の長等は、第二項の場合において、同項の通知に係る建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの前項に規定する審査を要するものであるときは、当該建築物の計画を都道府県知事に通知し、構造計算適合性判定を求めなければならない。ただし、当該建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分のうち前項に規定する審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)又は特定増改築構造計算基準(同項に規定する審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)に適合するかどうかを第六条の三第一項ただし書の国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事が前項に規定する審査をする場合は、この限りでない。
5 都道府県知事は、前項の通知を受けた場合において、当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて当該都道府県に置かれた建築主事が第三項に規定する審査をするときは、当該建築主事を当該通知に係る構造計算適合性判定に関する事務に従事させてはならない。
6 都道府県知事は、特別な構造方法の建築物の計画について第四項の構造計算適合性判定を行うに当たつて必要があると認めるときは、当該構造方法に係る構造計算に関して専門的な識見を有する者の意見を聴くものとする。
7 都道府県知事は、第四項の通知を受けた場合においては、その通知を受けた日から十四日以内に、当該通知に係る構造計算適合性判定の結果を記載した通知書を当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
8 都道府県知事は、前項の場合(第四項の通知に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかの判定を求められた場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、前項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に同項の通知書を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
9 都道府県知事は、第七項の場合において、第四項の通知の記載によつては当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を第七項の期間(前項の規定により第七項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
10 国の機関の長等は、第七項の規定により同項の通知書の交付を受けた場合において、当該通知書が適合判定通知書であるときは、第三項の規定による審査をする建築主事に、当該適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。ただし、当該建築物の計画に係る第十四項の通知書の交付を受けた場合は、この限りでない。
11 国の機関の長等は、前項の場合において、第三項の期間(第十三項の規定により第三項の期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)の末日の三日前までに、前項の適合判定通知書又はその写しを当該建築主事に提出しなければならない。
12 建築主事は、第三項の場合において、第二項の通知に係る建築物の計画が第四項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、当該通知をした国の機関の長等から第十項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第三項の確認済証を交付することができる。
13 建築主事は、第三項の場合(第二項の通知に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかを審査する場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、第三項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に同項の確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
14 建築主事は、第三項の場合において、第二項の通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を第三項の期間(前項の規定により第三項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
15 第二項の通知に係る建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、第三項の確認済証の交付を受けた後でなければすることができない。
16 国の機関の長等は、当該工事を完了した場合においては、その旨を、工事が完了した日から四日以内に到達するように、建築主事に通知しなければならない。
17 建築主事が前項の規定による通知を受けた場合においては、建築主事等は、その通知を受けた日から七日以内に、その通知に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定(第七条の五に規定する建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について通知を受けた場合にあつては、第六条の四第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定。以下この条において同じ。)に適合しているかどうかを検査しなければならない。
18 建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、当該建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国の機関の長等に対して検査済証を交付しなければならない。
19 国の機関の長等は、当該工事が特定工程を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、その旨を、その日から四日以内に到達するように、建築主事に通知しなければならない。
20 建築主事が前項の規定による通知を受けた場合においては、建築主事等は、その通知を受けた日から四日以内に、当該通知に係る工事中の建築物等について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかを検査しなければならない。
21 建築主事等は、前項の規定による検査をした場合において、工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、国の機関の長等に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
22 特定工程後の工程に係る工事は、前項の規定による当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
23 建築主事等は、第二十項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた工事中の建築物等について、第十七項又は第二十項の規定による検査をするときは、同項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた建築物の部分及びその敷地については、これらの規定による検査をすることを要しない。
24 第六条第一項第一号から第三号までの建築物を新築する場合又はこれらの建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で避難施設等に関する工事を含むものをする場合においては、第十八項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
一 特定行政庁が、安全上、防火上又は避難上支障がないと認めたとき。
二 建築主事が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。
三 第十六項の規定による通知をした日から七日を経過したとき。
25 特定行政庁は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物又は建築物の敷地が第九条第一項、第十条第一項若しくは第三項又は第九十条の二第一項の規定に該当すると認める場合においては、直ちに、その旨を当該建築物又は建築物の敷地を管理する国の機関の長等に通知し、これらの規定に掲げる必要な措置をとるべきことを要請しなければならない。

(指定構造計算適合性判定機関による構造計算適合性判定の実施)

第十八条の二 都道府県知事は、第七十七条の三十五の二から第七十七条の三十五の五までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定する者に、第六条の三第一項及び前条第四項の構造計算適合性判定の全部又は一部を行わせることができる。
2 前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の規定による構造計算適合性判定の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の規定による構造計算適合性判定の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
3 都道府県知事は、第一項の規定による指定を受けた者に構造計算適合性判定の全部又は一部を行わせることとしたときは、当該構造計算適合性判定の全部又は一部を行わないものとする。
4 第一項の規定による指定を受けた者が構造計算適合性判定を行う場合における第六条の三第一項及び第三項から第六項まで並びに前条第四項及び第六項から第九項までの規定の適用については、これらの規定中「都道府県知事」とあるのは、「第十八条の二第一項の規定による指定を受けた者」とする。

(確認審査等に関する指針等)

第十八条の三 国土交通大臣は、第六条第四項及第十八条第三項(これらの規定を第八十七条第一項第八十七条の四並びに第八十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)に規定する審査、第六条の二第一項第八十七条第一項第八十七条の四並びに第八十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認のための審査、第六条の三第一項及び第十八条第四項に規定する構造計算適合性判定、第七条第四項第七条の二第一項及び第十八条第十七項(これらの規定を第八十七条の四並びに第八十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)の規定による検査並びに第七条の三第四項第七条の四第一項及び第十八条第二十項(これらの規定を第八十七条の四及び第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査(以下この条及び第七十七条の六十二第二項第三号において「確認審査等」という。)の公正かつ適確な実施を確保するため、確認審査等に関する指針を定めなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
3 確認審査等は、前項の規定により公表された第一項の指針に従つて行わなければならない。

第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備




(敷地の衛生及び安全)

第十九条 建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。
2 湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地に建築物を建築する場合においては、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければならない。
3 建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これらに類する施設をしなければならない。
4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。

(構造耐力)

第二十条 建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。
一 高さが六十メートルを超える建築物 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。この場合において、その構造方法は、荷重及び外力によつて建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算によつて安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであること。
二 高さが六十メートル以下の建築物のうち、第六条第一項第二号に掲げる建築物(高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるものに限る。)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が四以上である鉄骨造の建築物、高さが二十メートルを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物その他これらの建築物に準ずるものとして政令で定める建築物に限る。) 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。この場合において、その構造方法は、地震力によつて建築物の地上部分の各階に生ずる水平方向の変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算で、国土交通大臣が定めた方法によるもの又は国土交通大臣の認定を受けたプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有すること。
ロ 前号に定める基準に適合すること。
三 高さが六十メートル以下の建築物のうち、第六条第一項第二号又は第三号に掲げる建築物その他その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)を石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造その他これらに類する構造とした建築物で高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるもの(前号に掲げる建築物を除く。) 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。この場合において、その構造方法は、構造耐力上主要な部分ごとに応力度が許容応力度を超えないことを確かめることその他の政令で定める基準に従つた構造計算で、国土交通大臣が定めた方法によるもの又は国土交通大臣の認定を受けたプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有すること。
ロ 前二号に定める基準のいずれかに適合すること。
四 前三号に掲げる建築物以外の建築物 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。
ロ 前三号に定める基準のいずれかに適合すること。
2 前項に規定する基準の適用上一の建築物であつても別の建築物とみなすことができる部分として政令で定める部分が二以上ある建築物の当該建築物の部分は、同項の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす。

(大規模の建築物の主要構造部等)

第二十一条 次の各号のいずれかに該当する建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、その主要構造部を通常火災終了時間(建築物の構造、建築設備及び用途に応じて通常の火災が消火の措置により終了するまでに通常要する時間をいう。)が経過するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために主要構造部に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、その周囲に延焼防止上有効な空地で政令で定める技術的基準に適合するものを有する建築物については、この限りでない。
一 地階を除く階数が四以上である建築物
二 高さが十六メートルを超える建築物
三 別表第一(い)欄(五)項又は(六)項に掲げる用途に供する特殊建築物で、高さが十三メートルを超えるもの

2 延べ面積が三千平方メートルを超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の前項の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、次の各号のいずれかに適合するものとしなければならない。
一 第二条第九号の二イに掲げる基準に適合するものであること。
二 壁、柱、床その他の建築物の部分又は防火戸その他の政令で定める防火設備(以下この号において「壁等」という。)のうち、通常の火災による延焼を防止するために当該壁等に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものによつて有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ三千平方メートル以内としたものであること。

(屋根)

第二十二条 特定行政庁が防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造は、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りでない。
2 特定行政庁は、前項の規定による指定をする場合においては、あらかじめ、都市計画区域内にある区域については都道府県都市計画審議会(市町村都市計画審議会が置かれている市町村の長たる特定行政庁が行う場合にあつては、当該市町村都市計画審議会。第五十一条を除き、以下同じ。)の意見を聴き、その他の区域については関係市町村の同意を得なければならない。

(外壁)

第二十三条 前条第一項の市街地の区域内にある建築物(その主要構造部の第二十一条第一項の政令で定める部分が木材、プラスチックその他の可燃材料で造られたもの(第二十五条及び第六十一条において「木造建築物等」という。)に限る。)は、その外壁で延焼のおそれのある部分の構造を、準防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する土塗壁その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

(建築物が第二十二条第一項の市街地の区域の内外にわたる場合の措置)

第二十四条 建築物が第二十二条第一項の市街地の区域の内外にわたる場合においては、その全部について同項の市街地の区域内の建築物に関する規定を適用する。

(大規模の木造建築物等の外壁等)

第二十五条 延べ面積(同一敷地内に二以上の木造建築物等がある場合においては、その延べ面積の合計)が千平方メートルを超える木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、その屋根の構造を第二十二条第一項に規定する構造としなければならない。

(防火壁等)

第二十六条 延べ面積が千平方メートルを超える建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によつて有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ千平方メートル以内としなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 耐火建築物又は準耐火建築物
二 卸売市場の上家、機械製作工場その他これらと同等以上に火災の発生のおそれが少ない用途に供する建築物で、次のイ又はロのいずれかに該当するもの
イ 主要構造部が不燃材料で造られたものその他これに類する構造のもの
ロ 構造方法、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合するもの
三 畜舎その他の政令で定める用途に供する建築物で、その周辺地域が農業上の利用に供され、又はこれと同様の状況にあつて、その構造及び用途並びに周囲の状況に関し避難上及び延焼防止上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するもの

(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)

第二十七条 次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、その主要構造部を当該特殊建築物に存する者の全てが当該特殊建築物から地上までの避難を終了するまでの間通常の火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために主要構造部に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとし、かつ、その外壁の開口部であつて建築物の他の部分から当該開口部へ延焼するおそれがあるものとして政令で定めるものに、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。
一 別表第一(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供するもの(階数が三で延べ面積が二百平方メートル未満のもの(同表(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄(二)項に掲げる用途で政令で定めるものに供するものにあつては、政令で定める技術的基準に従つて警報設備を設けたものに限る。)を除く。)
二 別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分(同表(一)項の場合にあつては客席、同表(二)項及び(四)項の場合にあつては二階の部分に限り、かつ、病院及び診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計が同表(は)欄の当該各項に該当するもの
三 別表第一(い)欄(四)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が三千平方メートル以上のもの
四 劇場、映画館又は演芸場の用途に供するもので、主階が一階にないもの(階数が三以下で延べ面積が二百平方メートル未満のものを除く。)
2 次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、耐火建築物としなければならない。
一 別表第一(い)欄(五)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する三階以上の部分の床面積の合計が同表(は)欄(五)項に該当するもの
二 別表第一(ろ)欄(六)項に掲げる階を同表(い)欄(六)項に掲げる用途に供するもの
3 次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物(別表第一(い)欄(六)項に掲げる用途に供するものにあつては、第二条第九号の三ロに該当する準耐火建築物のうち政令で定めるものを除く。)としなければならない。
一 別表第一(い)欄(五)項又は(六)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が同表(に)欄の当該各項に該当するもの
二 別表第二(と)項第四号に規定する危険物(安全上及び防火上支障がないものとして政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)の貯蔵場又は処理場の用途に供するもの(貯蔵又は処理に係る危険物の数量が政令で定める限度を超えないものを除く。)

(居室の採光及び換気)

第二十八条 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、五分の一から十分の一までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
2 居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
3 別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
4 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。

(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)

第二十八条の二 建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一 建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
二 石綿等をあらかじめ添加した建築材料(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)を使用しないこと。
三 居室を有する建築物にあつては、前二号に定めるもののほか、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。

(地階における住宅等の居室)

第二十九条 住宅の居室、学校の教室、病院の病室又は寄宿舎の寝室で地階に設けるものは、壁及び床の防湿の措置その他の事項について衛生上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

(長屋又は共同住宅の各戸の界壁)

第三十条 長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一 その構造が、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
二 小屋裏又は天井裏に達するものであること。
2 前項第二号の規定は、長屋又は共同住宅の天井の構造が、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために天井に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、適用しない。

(便所)

第三十一条 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第八号に規定する処理区域内においては、便所は、水洗便所(汚水管が下水道法第二条第三号に規定する公共下水道に連結されたものに限る。)以外の便所としてはならない。
2 便所から排出する汚物を下水道法第二条第六号に規定する終末処理場を有する公共下水道以外に放流しようとする場合においては、屎し尿浄化槽(その構造が汚物処理性能(当該汚物を衛生上支障がないように処理するために屎し尿浄化槽に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。

(電気設備)

第三十二条 建築物の電気設備は、法律又はこれに基く命令の規定で電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によつて設けなければならない。

(避雷設備)

第三十三条 高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。

(昇降機)

第三十四条 建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。
2 高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)

第三十五条 別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が千平方メートルをこえる建築物については、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓せん、スプリンクラー、貯水槽そうその他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び進入口並びに敷地内の避難上及び消火上必要な通路は、政令で定める技術的基準に従つて、避難上及び消火上支障がないようにしなければならない。

(特殊建築物等の内装)

第三十五条の二 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が千平方メートルをこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。

(無窓の居室等の主要構造部)

第三十五条の三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。ただし、別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供するものについては、この限りでない。

(この章の規定を実施し、又は補足するため必要な技術的基準)

第三十六条 居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所、防火壁、防火床、防火区画、消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに浄化槽、煙突及び昇降機の構造に関して、この章の規定を実施し、又は補足するために安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準は、政令で定める。

(建築材料の品質)

第三十七条 建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要である政令で定める部分に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるもの(以下この条において「指定建築材料」という。)は、次の各号のいずれかに該当するものでなければならない。
一 その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本産業規格又は日本農林規格に適合するもの
二 前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの

(特殊の構造方法又は建築材料)

第三十八条 この章の規定及びこれに基づく命令の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物については、国土交通大臣がその構造方法又は建築材料がこれらの規定に適合するものと同等以上の効力があると認める場合においては、適用しない。

(災害危険区域)

第三十九条 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
2 災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。

(地方公共団体の条例による制限の附加)

第四十条 地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

(市町村の条例による制限の緩和)

第四十一条 第六条第一項第四号の区域外においては、市町村は、土地の状況により必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、区域を限り、第十九条、第二十一条、第二十八条、第二十九条及び第三十六条の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。ただし、第六条第一項第一号及び第三号の建築物については、この限りでない。

第三章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途




第一節 総則



(適用区域)

第四十一条の二 この章(第八節を除く。)の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り、適用する。

(道路の定義)

第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
一 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路
二 都市計画法、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法(第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路
三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
四 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
3 特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。
4 第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。
一 周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
二 地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
三 第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道
5 前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。
6 特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等



(敷地等と道路との関係)

第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
3 地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
一 特殊建築物
二 階数が三以上である建築物
三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
四 延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあつては、その延べ面積の合計。次号、第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物
五 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。)

(その敷地が四メートル未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の付加)

第四十三条の二 地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、その敷地が第四十二条第三項の規定により水平距離が指定された道路にのみ二メートル(前条第三項各号のいずれかに該当する建築物で同項の条例によりその敷地が道路に接する部分の長さの制限が付加されているものにあつては、当該長さ)以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関して必要な制限を付加することができる。

(道路内の建築制限)

第四十四条 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 地盤面下に設ける建築物
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
三 第四十三条第一項第二号の道路の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
四 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの
2 特定行政庁は、前項第四号の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。


(私道の変更又は廃止の制限) 第四十五条 私道の変更又は廃止によつて、その道路に接する敷地が第四十三条第一項の規定又は同条第三項の規定に基づく条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。
2 第九条第二項から第六項まで及び第十五項の規定は、前項の措置を命ずる場合に準用する。


(壁面線の指定) 第四十六条 特定行政庁は、街区内における建築物の位置を整えその環境の向上を図るために必要があると認める場合においては、建築審査会の同意を得て、壁面線を指定することができる。この場合においては、あらかじめ、その指定に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。
2 前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、同項の規定による指定の計画並びに意見の聴取の期日及び場所を期日の三日前までに公告しなければならない。
3 特定行政庁は、第一項の規定による指定をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。


(壁面線による建築制限) 第四十七条 建築物の壁若しくはこれに代る柱又は高さ二メートルをこえる門若しくはへいは、壁面線を越えて建築してはならない。ただし、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものについては、この限りでない。


第三節 建築物の用途

(用途地域等)

第四十八条 第一種低層住居専用地域内においては、別表第二(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
2 第二種低層住居専用地域内においては、別表第二(ろ)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
3 第一種中高層住居専用地域内においては、別表第二(は)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
4 第二種中高層住居専用地域内においては、別表第二(に)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
5 第一種住居地域内においては、別表第二(ほ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
6 第二種住居地域内においては、別表第二(へ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
7 準住居地域内においては、別表第二(と)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が準住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
8 田園住居地域内においては、別表第二(ち)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が農業の利便及び田園住居地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
9 近隣商業地域内においては、別表第二(り)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便及び当該住宅地の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
10 商業地域内においては、別表第二(ぬ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が商業の利便を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
11 準工業地域内においては、別表第二(る)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が安全上若しくは防火上の危険の度若しくは衛生上の有害の度が低いと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
12 工業地域内においては、別表第二(を)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が工業の利便上又は公益上必要と認めて許可した場合においては、この限りでない。
13 工業専用地域内においては、別表第二(わ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が工業の利便を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
14 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)の指定のない区域(都市計画法第七条第一項に規定する市街化調整区域を除く。)内においては、別表第二(か)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が当該区域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
15 特定行政庁は、前各項のただし書の規定による許可(次項において「特例許可」という。)をする場合においては、あらかじめ、その許可に利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、かつ、建築審査会の同意を得なければならない。
16 前項の規定にかかわらず、特定行政庁は、第一号に該当する場合においては同項の規定による意見の聴取及び同意の取得を要せず、第二号に該当する場合においては同項の規定による同意の取得を要しない。
一 特例許可を受けた建築物の増築、改築又は移転(これらのうち、政令で定める場合に限る。)について特例許可をする場合
二 日常生活に必要な政令で定める建築物で、騒音又は振動の発生その他の事象による住居の環境の悪化を防止するために必要な国土交通省令で定める措置が講じられているものの建築について特例許可(第一項から第七項までの規定のただし書の規定によるものに限る。)をする場合
17 特定行政庁は、第十五項の規定により意見を聴取する場合においては、その許可しようとする建築物の建築の計画並びに意見の聴取の期日及び場所を期日の三日前までに公告しなければならない。


(特別用途地区) 第四十九条 特別用途地区内においては、前条第一項から第十三項までに定めるものを除くほか、その地区の指定の目的のためにする建築物の建築の制限又は禁止に関して必要な規定は、地方公共団体の条例で定める。
2 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、前条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。


(特定用途制限地域) 第四十九条の二 特定用途制限地域内における建築物の用途の制限は、当該特定用途制限地域に関する都市計画に即し、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で定める。


(用途地域等における建築物の敷地、構造又は建築設備に対する制限) 第五十条 用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区又は特定用途誘導地区内における建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限で当該地域又は地区の指定の目的のために必要なものは、地方公共団体の条例で定める。


(卸売市場等の用途に供する特殊建築物の位置) 第五十一条 都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会(その敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村であり、かつ、その敷地が所在する市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合にあつては、当該市町村都市計画審議会)の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない。


第四節 建築物の敷地及び構造


(容積率) 第五十二条 建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値以下でなければならない。ただし、当該建築物が第五号に掲げる建築物である場合において、第三項の規定により建築物の延べ面積の算定に当たりその床面積が当該建築物の延べ面積に算入されない部分を有するときは、当該部分の床面積を含む当該建築物の容積率は、当該建築物がある第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域に関する都市計画において定められた第二号に定める数値の一・五倍以下でなければならない。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物(第六号及び第七号に掲げる建築物を除く。) 十分の五、十分の六、十分の八、十分の十、十分の十五又は十分の二十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
二 第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物(第六号及び第七号に掲げる建築物を除く。)又は第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域若しくは準工業地域内の建築物(第五号から第七号までに掲げる建築物を除く。) 十分の十、十分の十五、十分の二十、十分の三十、十分の四十又は十分の五十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
三 商業地域内の建築物(第六号及び第七号に掲げる建築物を除く。) 十分の二十、十分の三十、十分の四十、十分の五十、十分の六十、十分の七十、十分の八十、十分の九十、十分の百、十分の百十、十分の百二十又は十分の百三十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
四 工業地域内の建築物(第六号及び第七号に掲げる建築物を除く。)又は工業専用地域内の建築物 十分の十、十分の十五、十分の二十、十分の三十又は十分の四十のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
五 高層住居誘導地区内の建築物(第七号に掲げる建築物を除く。)であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の三分の二以上であるもの(当該高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、その敷地面積が当該最低限度以上のものに限る。) 当該建築物がある第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域に関する都市計画において定められた第二号に定める数値から、その一・五倍以下で当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計のその延べ面積に対する割合に応じて政令で定める方法により算出した数値までの範囲内で、当該高層住居誘導地区に関する都市計画において定められたもの
六 居住環境向上用途誘導地区内の建築物であつて、その全部又は一部を当該居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供するもの 当該居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において定められた数値
七 特定用途誘導地区内の建築物であつて、その全部又は一部を当該特定用途誘導地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供するもの 当該特定用途誘導地区に関する都市計画において定められた数値
八 用途地域の指定のない区域内の建築物 十分の五、十分の八、十分の十、十分の二十、十分の三十又は十分の四十のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
2 前項に定めるもののほか、前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。以下この項及び第十二項において同じ。)の幅員が十二メートル未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を乗じたもの以下でなければならない。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物 十分の四
二 第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域内の建築物(高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の三分の二以上であるもの(当該高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、その敷地面積が当該最低限度以上のものに限る。第五十六条第一項第二号ハ及び別表第三の四の項において同じ。)を除く。) 十分の四(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあつては、十分の六)
三 その他の建築物 十分の六(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあつては、十分の四又は十分の八のうち特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの)
3 第一項(ただし書を除く。)、前項、第七項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の二(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の三第一項(第一号ロを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の四(ただし書及び第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率(第五十九条第一項、第六十条の二第一項及び第六十八条の九第一項に規定するものについては、建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。第六項において同じ。)の算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅又は老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの(以下この項並びに第六項第二号及び第三号において「老人ホーム等」という。)の用途に供する部分(第六項各号に掲げる建築物の部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しないものとする。
4 前項の地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が三メートルを超える場合においては、その高低差三メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。
5 地方公共団体は、土地の状況等により必要と認める場合においては、前項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い、条例で、区域を限り、第三項の地盤面を別に定めることができる。
6 第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二、第六十八条の五の三第一項、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、次に掲げる建築物の部分の床面積は、算入しないものとする。
一 政令で定める昇降機の昇降路の部分
二 共同住宅又は老人ホーム等の共用の廊下又は階段の用に供する部分
三 住宅又は老人ホーム等に設ける機械室その他これに類する建築物の部分(給湯設備その他の国土交通省令で定める建築設備を設置するためのものであつて、市街地の環境を害するおそれがないものとして国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
7 建築物の敷地が第一項及び第二項の規定による建築物の容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、第一項及び第二項の規定による当該各地域、地区又は区域内の建築物の容積率の限度にその敷地の当該地域、地区又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
8 その全部又は一部を住宅の用途に供する建築物(居住環境向上用途誘導地区内の建築物であつてその一部を当該居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供するもの及び特定用途誘導地区内の建築物であつてその一部を当該特定用途誘導地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供するものを除く。)であつて次に掲げる条件に該当するものについては、当該建築物がある地域に関する都市計画において定められた第一項第二号又は第三号に定める数値の一・五倍以下で当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計のその延べ面積に対する割合に応じて政令で定める方法により算出した数値(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内にあつては、当該都市計画において定められた数値から当該算出した数値までの範囲内で特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て別に定めた数値)を同項第二号又は第三号に定める数値とみなして、同項及び第三項から前項までの規定を適用する。ただし、当該建築物が第三項の規定により建築物の延べ面積の算定に当たりその床面積が当該建築物の延べ面積に算入されない部分を有するときは、当該部分の床面積を含む当該建築物の容積率は、当該建築物がある地域に関する都市計画において定められた第一項第二号又は第三号に定める数値の一・五倍以下でなければならない。
一 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域若しくは準工業地域(高層住居誘導地区及び特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域を除く。)又は商業地域(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域を除く。)内にあること。
二 その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上であること。
9 建築物の敷地が、幅員十五メートル以上の道路(以下この項において「特定道路」という。)に接続する幅員六メートル以上十二メートル未満の前面道路のうち当該特定道路からの延長が七十メートル以内の部分において接する場合における当該建築物に対する第二項から第七項までの規定の適用については、第二項中「幅員」とあるのは、「幅員(第九項の特定道路に接続する同項の前面道路のうち当該特定道路からの延長が七十メートル以内の部分にあつては、その幅員に、当該特定道路から当該建築物の敷地が接する当該前面道路の部分までの延長に応じて政令で定める数値を加えたもの)」とする。
10 建築物の敷地が都市計画において定められた計画道路(第四十二条第一項第四号に該当するものを除くものとし、以下この項において「計画道路」という。)に接する場合又は当該敷地内に計画道路がある場合において、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該計画道路を第二項の前面道路とみなして、同項から第七項まで及び前項の規定を適用するものとする。この場合においては、当該敷地のうち計画道路に係る部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
11 前面道路の境界線又はその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が次に掲げる基準に適合すると認めて許可した建築物については、当該前面道路の境界線又はその反対側の境界線は、それぞれ当該壁面線にあるものとみなして、第二項から第七項まで及び第九項の規定を適用するものとする。この場合においては、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
一 当該建築物がある街区内における土地利用の状況等からみて、その街区内において、前面道路と壁面線との間の敷地の部分が当該前面道路と一体的かつ連続的に有効な空地として確保されており、又は確保されることが確実と見込まれること。
二 交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないこと。
12 第二項各号の規定により前面道路の幅員のメートルの数値に乗ずる数値が十分の四とされている建築物で、前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合又は第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限(道路に面する建築物の壁又はこれに代わる柱の位置及び道路に面する高さ二メートルを超える門又は塀の位置を制限するものに限る。)がある場合において当該壁面線又は当該壁面の位置の制限として定められた限度の線(以下この項及び次項において「壁面線等」という。)を越えないもの(ひさしその他の建築物の部分で政令で定めるものを除く。)については、当該前面道路の境界線は、当該壁面線等にあるものとみなして、第二項から第七項まで及び第九項の規定を適用することができる。ただし、建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に十分の六を乗じたもの以下でなければならない。
13 前項の場合においては、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線等との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
14 次の各号のいずれかに該当する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの容積率は、第一項から第九項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。
一 同一敷地内の建築物の機械室その他これに類する部分の床面積の合計の建築物の延べ面積に対する割合が著しく大きい場合におけるその敷地内の建築物
二 その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物
三 建築物のエネルギー消費性能(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成二十七年法律第五十三号)第二条第一項第二号に規定するエネルギー消費性能をいう。次条第五項第四号において同じ。)の向上のため必要な外壁に関する工事その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるもの
15 第四十四条第二項の規定は、第十項、第十一項又は前項の規定による許可をする場合に準用する。


(建蔽率) 第五十三条 建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建蔽率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、田園住居地域又は工業専用地域内の建築物 十分の三、十分の四、十分の五又は十分の六のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
二 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域又は準工業地域内の建築物 十分の五、十分の六又は十分の八のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
三 近隣商業地域内の建築物 十分の六又は十分の八のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
四 商業地域内の建築物 十分の八
五 工業地域内の建築物 十分の五又は十分の六のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの
六 用途地域の指定のない区域内の建築物 十分の三、十分の四、十分の五、十分の六又は十分の七のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
2 建築物の敷地が前項の規定による建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の建蔽率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
3 前二項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあつては第一項各号に定める数値に十分の一を加えたものをもつて当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に定める数値に十分の二を加えたものをもつて当該各号に定める数値とする。
一 防火地域(第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域を除く。)内にあるイに該当する建築物又は準防火地域内にあるイ若しくはロのいずれかに該当する建築物
イ 耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。ロにおいて同じ。)を有するものとして政令で定める建築物(以下この条及び第六十七条第一項において「耐火建築物等」という。)
ロ 準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く。第八項及び第六十七条第一項において「準耐火建築物等」という。)
二 街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物
4 隣地境界線から後退して壁面線の指定がある場合又は第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限(隣地境界線に面する建築物の壁又はこれに代わる柱の位置及び隣地境界線に面する高さ二メートルを超える門又は塀の位置を制限するものに限る。)がある場合において、当該壁面線又は壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物(ひさしその他の建築物の部分で政令で定めるものを除く。次項において同じ。)で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、前三項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、前三項の規定による限度を超えるものとすることができる。
5 次の各号のいずれかに該当する建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、第一項から第三項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。
一 特定行政庁が街区における避難上及び消火上必要な機能の確保を図るため必要と認めて前面道路の境界線から後退して壁面線を指定した場合における、当該壁面線を越えない建築物
二 特定防災街区整備地区に関する都市計画において特定防災機能(密集市街地整備法第二条第三号に規定する特定防災機能をいう。次号において同じ。)の確保を図るため必要な壁面の位置の制限(道路に面する建築物の壁又はこれに代わる柱の位置及び道路に面する高さ二メートルを超える門又は塀の位置を制限するものに限る。同号において同じ。)が定められた場合における、当該壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物
三 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例において防災街区整備地区計画の区域(特定建築物地区整備計画又は防災街区整備地区整備計画が定められている区域に限る。)における特定防災機能の確保を図るため必要な壁面の位置の制限が定められた場合における、当該壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物
四 建築物のエネルギー消費性能の向上のため必要な外壁に関する工事その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるもの
6 前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 防火地域(第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域に限る。)内にある耐火建築物等
二 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊その他これらに類するもの
三 公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの
7 建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て防火地域内にあるものとみなして、第三項第一号又は前項第一号の規定を適用する。
8 建築物の敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等又は準耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て準防火地域内にあるものとみなして、第三項第一号の規定を適用する。
9 第四十四条第二項の規定は、第四項、第五項又は第六項第三号の規定による許可をする場合に準用する。

(建築物の敷地面積)

第五十三条の二 建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りでない。
一 前条第六項第一号に掲げる建築物
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの
三 その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの
四 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
2 前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度を定める場合においては、その最低限度は、二百平方メートルを超えてはならない。
3 第一項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された際、現に建築物の敷地として使用されている土地で同項の規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合においては、同項の規定は、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当する土地については、この限りでない。
一 第一項の都市計画における建築物の敷地面積の最低限度が変更された際、建築物の敷地面積の最低限度に関する従前の制限に違反していた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に違反することとなつた土地
二 第一項の規定に適合するに至つた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合するに至つた土地
4 第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は第四号の規定による許可をする場合に準用する。


(第一種低層住居専用地域等内における外壁の後退距離) 第五十四条 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離(以下この条及び第八十六条の六第一項において「外壁の後退距離」という。)は、当該地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度が定められた場合においては、政令で定める場合を除き、当該限度以上でなければならない。
2 前項の都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合においては、その限度は、一・五メートル又は一メートルとする。


(第一種低層住居専用地域等内における建築物の高さの限度) 第五十五条 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の高さは、十メートル又は十二メートルのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
2 前項の都市計画において建築物の高さの限度が十メートルと定められた第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物であつて、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものの高さの限度は、同項の規定にかかわらず、十二メートルとする。
3 再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。第五十八条第二項において同じ。)の利用に資する設備の設置のため必要な屋根に関する工事その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるものであつて、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて許可したものの高さは、前二項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。
4 第一項及び第二項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可したもの
二 学校その他の建築物であつて、その用途によつてやむを得ないと認めて特定行政庁が許可したもの
5 第四十四条第二項の規定は、第三項又は前項各号の規定による許可をする場合について準用する。

(建築物の各部分の高さ)

第五十六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの
二 当該部分から隣地境界線までの水平距離に、次に掲げる区分に従い、イ若しくはニに定める数値が一・二五とされている建築物で高さが二十メートルを超える部分を有するもの又はイからニまでに定める数値が二・五とされている建築物(ロ及びハに掲げる建築物で、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内にあるものを除く。以下この号及び第七項第二号において同じ。)で高さが三十一メートルを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたものに、イからニまでに定める数値を乗じて得たものに、イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあつては二十メートルを、イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては三十一メートルを加えたもの
イ 第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域内の建築物(ハに掲げる建築物を除く。) 一・二五(第五十二条第一項第二号の規定により容積率の限度が十分の三十以下とされている第一種中高層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域以外の地域のうち、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあつては、二・五)
ロ 近隣商業地域若しくは準工業地域内の建築物(ハに掲げる建築物を除く。)又は商業地域、工業地域若しくは工業専用地域内の建築物 二・五
ハ 高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の三分の二以上であるもの 二・五
ニ 用途地域の指定のない区域内の建築物 一・二五又は二・五のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
三 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域若しくは田園住居地域内又は第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域(次条第一項の規定に基づく条例で別表第四の二の項に規定する(一)、(二)又は(三)の号が指定されているものを除く。以下この号及び第七項第三号において同じ。)内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離に一・二五を乗じて得たものに、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物にあつては五メートルを、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては十メートルを加えたもの
2 前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
3 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物に対する別表第三の規定の適用については、同表(に)欄中「一・二五」とあるのは、「一・二五(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に一・二五を乗じて得たもの以上の区域内においては、一・五)」とする。
4 前項に規定する建築物で前面道路の境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。以下この表において同じ。)に相当する距離だけ外側の線」と、「前面道路の幅員に」とあるのは「、前面道路の幅員に、当該建築物の後退距離に二を乗じて得たものを加えたものに」とすることができる。
5 建築物が第一項第二号及び第三号の地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、これらの規定中「建築物」とあるのは、「建築物の部分」とする。
6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
7 次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
一 第一項第一号、第二項から第四項まで及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 前面道路の反対側の境界線上の政令で定める位置
二 第一項第二号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあつては十六メートル、第一項第二号イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては十二・四メートルだけ外側の線上の政令で定める位置
三 第一項第三号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線から真北方向への水平距離が、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物にあつては四メートル、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては八メートルだけ外側の線上の政令で定める位置

(日影による中高層の建築物の高さの制限)

第五十六条の二 別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(以下この条において「対象区域」という。)内にある同表(ろ)欄の当該各項(四の項にあつては、同項イ又はロのうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで(道の区域内にあつては、午前九時から午後三時まで)の間において、それぞれ、同表(は)欄の各項(四の項にあつては、同項イ又はロ)に掲げる平均地盤面からの高さ(二の項及び三の項にあつては、当該各項に掲げる平均地盤面からの高さのうちから地方公共団体が当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)の水平面(対象区域外の部分、高層住居誘導地区内の部分、都市再生特別地区内の部分及び当該建築物の敷地内の部分を除く。)に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲において、同表(に)欄の(一)、(二)又は(三)の号(同表の三の項にあつては、(一)又は(二)の号)のうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して条例で指定する号に掲げる時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合又は当該許可を受けた建築物を周囲の居住環境を害するおそれがないものとして政令で定める位置及び規模の範囲内において増築し、改築し、若しくは移転する場合においては、この限りでない。
2 同一の敷地内に二以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、前項の規定を適用する。
3 建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
4 対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。
5 建築物が第一項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合又は建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

(高架の工作物内に設ける建築物等に対する高さの制限の緩和)

第五十七条 高架の工作物内に設ける建築物で特定行政庁が周囲の状況により交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、前三条の規定は、適用しない。
2 道路内にある建築物(高架の道路の路面下に設けるものを除く。)については、第五十六条第一項第一号及び第二項から第四項までの規定は、適用しない。

(特例容積率適用地区内における建築物の容積率の特例)

第五十七条の二 特例容積率適用地区内の二以上の敷地(建築物の敷地となるべき土地及び当該特例容積率適用地区の内外にわたる敷地であつてその過半が当該特例容積率適用地区に属するものを含む。以下この項において同じ。)に係る土地について所有権若しくは建築物の所有を目的とする地上権若しくは賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下「借地権」という。)を有する者又はこれらの者の同意を得た者は、一人で、又は数人が共同して、特定行政庁に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該二以上の敷地(以下この条及び次条において「特例敷地」という。)のそれぞれに適用される特別の容積率(以下この条及び第六十条の二第四項において「特例容積率」という。)の限度の指定を申請することができる。
2 前項の規定による申請をしようとする者は、申請者及び同項の規定による同意をした者以外に当該申請に係る特例敷地について政令で定める利害関係を有する者があるときは、あらかじめ、これらの者の同意を得なければならない。
3 特定行政庁は、第一項の規定による申請が次の各号に掲げる要件のいずれにも該当すると認めるときは、当該申請に基づき、特例敷地のそれぞれに適用される特例容積率の限度を指定するものとする。
一 申請に係るそれぞれの特例敷地の敷地面積に申請に係るそれぞれの特例容積率の限度を乗じて得た数値の合計が、当該それぞれの特例敷地の敷地面積に第五十二条第一項各号(第五号から第七号までを除く。以下この号において同じ。)の規定によるそれぞれの建築物の容積率(当該特例敷地について現に次項の規定により特例容積率の限度が公告されているときは、当該特例容積率。以下この号において「基準容積率」という。)の限度を乗じて得た数値の合計以下であること。この場合において、当該それぞれの特例敷地が基準容積率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたるときの当該基準容積率の限度は、同条第一項各号の規定による当該各地域又は区域内の建築物の容積率の限度にその特例敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計とする。
二 申請に係るそれぞれの特例容積率の限度が、申請に係るそれぞれの特例敷地内に現に存する建築物の容積率又は現に建築の工事中の建築物の計画上の容積率以上であること。
三 申請に係るそれぞれの特例容積率の限度が、申請に係るそれぞれの特例敷地における建築物の利用上の必要性、周囲の状況等を考慮して、当該それぞれの特例敷地にふさわしい容積を備えた建築物が建築されることにより当該それぞれの特例敷地の土地が適正かつ合理的な利用形態となるよう定められていること。この場合において、申請に係る特例容積率の限度のうち第五十二条第一項及び第三項から第八項までの規定による限度を超えるものにあつては、当該特例容積率の限度に適合して建築される建築物が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないものとなるよう定められていること。
4 特定行政庁は、前項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、特例容積率の限度、特例敷地の位置その他国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定める事項を表示した図書をその事務所に備えて、一般の縦覧に供さなければならない。
5 第三項の規定による指定は、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
6 第四項の規定により特例容積率の限度が公告されたときは、当該特例敷地内の建築物については、当該特例容積率の限度を第五十二条第一項各号に掲げる数値とみなして、同条の規定を適用する。
7 第四項の規定により公告された特例敷地のいずれかについて第一項の規定による申請があつた場合において、特定行政庁が当該申請に係る第三項の指定(以下この項において「新規指定」という。)をしたときは、当該特例敷地についての第三項の規定による従前の指定は、新規指定に係る第四項の規定による公告があつた日から将来に向かつて、その効力を失う。

(指定の取消し)

第五十七条の三 前条第四項の規定により公告された特例敷地である土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、同条第三項の指定の取消しを特定行政庁に申請することができる。この場合においては、あらかじめ、当該特例敷地について政令で定める利害関係を有する者の同意を得なければならない。
2 前項の規定による申請を受けた特定行政庁は、当該申請に係るそれぞれの特例敷地内に現に存する建築物の容積率又は現に建築の工事中の建築物の計画上の容積率が第五十二条第一項から第九項までの規定による限度以下であるとき、その他当該建築物の構造が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該申請に係る指定を取り消すものとする。
3 特定行政庁は、前項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
4 第二項の規定による取消しは、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
5 前二項に定めるもののほか、第二項の規定による指定の取消しについて必要な事項は、国土交通省令で定める。

(特例容積率適用地区内における建築物の高さの限度)

第五十七条の四 特例容積率適用地区内においては、建築物の高さは、特例容積率適用地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。ただし、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては、この限りでない。
2 第四十四条第二項の規定は、前項ただし書の規定による許可をする場合に準用する。

(高層住居誘導地区)

第五十七条の五 高層住居誘導地区内においては、建築物の建蔽率は、高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の建蔽率の最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。
2 前項の場合において、建築物の敷地が高層住居誘導地区の内外にわたるときは、当該高層住居誘導地区に関する都市計画において定められた建築物の建蔽率の最高限度を、当該建築物の当該高層住居誘導地区内にある部分に係る第五十三条第一項の規定による建築物の建蔽率の限度とみなして、同条第二項の規定を適用する。
3 高層住居誘導地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた場合については、第五十三条の二(第二項を除く。)の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「用途地域」とあるのは、「高層住居誘導地区」と読み替えるものとする。
4 高層住居誘導地区内の建築物については、第五十六条の二第一項に規定する対象区域外にある建築物とみなして、同条の規定を適用する。この場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「対象区域内の土地」とあるのは、「対象区域(高層住居誘導地区を除く。)内の土地」とする。

(高度地区)

第五十八条 高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。
2 前項の都市計画において建築物の高さの最高限度が定められた高度地区内においては、再生可能エネルギー源の利用に資する設備の設置のため必要な屋根に関する工事その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるものであつて、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したものの高さは、同項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、当該最高限度を超えるものとすることができる。
3 第四十四条第二項の規定は、前項の規定による許可をする場合について準用する。

(高度利用地区)

第五十九条 高度利用地区内においては、建築物の容積率及び建蔽率並びに建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)は、高度利用地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であつて、階数が二以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
三 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
2 高度利用地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、高度利用地区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号の一に該当する建築物については、この限りでない。
3 高度利用地区内の建築物については、当該高度利用地区に関する都市計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項各号に掲げる数値とみなして、同条の規定を適用する。
4 高度利用地区内においては、敷地内に道路に接して有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、第五十六条第一項第一号及び第二項から第四項までの規定は、適用しない。
5 第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は前項の規定による許可をする場合に準用する。

(敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例)

第五十九条の二 その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、第五十二条第一項から第九項まで、第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。
2 第四十四条第二項の規定は、前項の規定による許可をする場合に準用する。

(特定街区)

第六十条 特定街区内においては、建築物の容積率及び高さは、特定街区に関する都市計画において定められた限度以下でなければならない。
2 特定街区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、特定街区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。
3 特定街区内の建築物については、第五十二条から前条まで並びに第六十条の三第一項及び第二項の規定は、適用しない。

第四節の二 都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区及び特定用途誘導地区



(都市再生特別地区)

第六十条の二 都市再生特別地区内においては、建築物の容積率及び建蔽率、建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)並びに建築物の高さは、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であつて、階数が二以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
三 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
2 都市再生特別地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
3 都市再生特別地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供する建築物については、第四十八条から第四十九条の二までの規定は、適用しない。
4 都市再生特別地区内の建築物については、当該都市再生特別地区に関する都市計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項各号に掲げる数値(第五十七条の二第六項の規定により当該数値とみなされる特例容積率の限度の数値を含む。)とみなして、第五十二条の規定を適用する。
5 都市再生特別地区内の建築物については、第五十六条、第五十七条の四、第五十八条及び第六十条の三第二項の規定は、適用しない。
6 都市再生特別地区内の建築物については、第五十六条の二第一項に規定する対象区域外にある建築物とみなして、同条の規定を適用する。この場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「対象区域内の土地」とあるのは、「対象区域(都市再生特別地区を除く。)内の土地」とする。
7 第四十四条第二項の規定は、第一項第三号の規定による許可をする場合に準用する。

(居住環境向上用途誘導地区)

第六十条の二の二 居住環境向上用途誘導地区内においては、建築物の建蔽率は、居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において建築物の建蔽率の最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
二 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
2 居住環境向上用途誘導地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において壁面の位置の制限が定められたときは、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、当該壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
3 居住環境向上用途誘導地区内においては、建築物の高さは、居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。ただし、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては、この限りでない。
4 居住環境向上用途誘導地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第四十八条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。
5 第四十四条第二項の規定は、第一項第二号又は第三項ただし書の規定による許可をする場合に準用する。

(特定用途誘導地区)

第六十条の三 特定用途誘導地区内においては、建築物の容積率及び建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)は、特定用途誘導地区に関する都市計画において建築物の容積率の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度が定められたときは、それぞれ、これらの最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であつて、階数が二以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
三 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
2 特定用途誘導地区内においては、建築物の高さは、特定用途誘導地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。ただし、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては、この限りでない。
3 特定用途誘導地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第四十八条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。
4 第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は第二項ただし書の規定による許可をする場合に準用する。

第五節 防火地域及び準防火地域



(防火地域及び準防火地域内の建築物)

第六十一条 防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸その他の政令で定める防火設備を設け、かつ、壁、柱、床その他の建築物の部分及び当該防火設備を通常の火災による周囲への延焼を防止するためにこれらに必要とされる性能に関して防火地域及び準防火地域の別並びに建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、門又は塀で、高さ二メートル以下のもの又は準防火地域内にある建築物(木造建築物等を除く。)に附属するものについては、この限りでない。

(屋根)

第六十二条 防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造は、市街地における火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

(隣地境界線に接する外壁)

第六十三条 防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

(看板等の防火措置)

第六十四条 防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルを超えるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。

(建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置)

第六十五条 建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
2 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。

(第三十八条の準用)

第六十六条 第三十八条の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物に対するこの節の規定及びこれに基づく命令の規定の適用について準用する。

第五節の二 特定防災街区整備地区



(特定防災街区整備地区)

第六十七条 特定防災街区整備地区内にある建築物は、耐火建築物等又は準耐火建築物等としなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 延べ面積が五十平方メートル以内の平家建ての附属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のもの
二 卸売市場の上家、機械製作工場その他これらと同等以上に火災の発生のおそれが少ない用途に供する建築物で、主要構造部が不燃材料で造られたものその他これに類する構造のもの
三 高さ二メートルを超える門又は塀で、不燃材料で造られ、又は覆われたもの
四 高さ二メートル以下の門又は塀
2 建築物が特定防災街区整備地区と特定防災街区整備地区として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部について、前項の規定を適用する。ただし、その建築物が特定防災街区整備地区外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
3 特定防災街区整備地区内においては、建築物の敷地面積は、特定防災街区整備地区に関する都市計画において定められた建築物の敷地面積の最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りでない。
一 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの
二 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
4 第五十三条の二第三項の規定は、前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された場合に準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは、「第六十七条第三項」と読み替えるものとする。
5 特定防災街区整備地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、特定防災街区整備地区に関する都市計画において壁面の位置の制限が定められたときは、建築物の地盤面下の部分を除き、当該壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 第三項第一号に掲げる建築物
二 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
6 特定防災街区整備地区内においては、その敷地が防災都市計画施設(密集市街地整備法第三十一条第二項に規定する防災都市計画施設をいう。以下この条において同じ。)に接する建築物の防災都市計画施設に係る間口率(防災都市計画施設に面する部分の長さの敷地の当該防災都市計画施設に接する部分の長さに対する割合をいう。以下この条において同じ。)及び高さは、特定防災街区整備地区に関する都市計画において建築物の防災都市計画施設に係る間口率の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められたときは、それぞれ、これらの最低限度以上でなければならない。
7 前項の場合においては、同項に規定する建築物の高さの最低限度より低い高さの建築物の部分(同項に規定する建築物の防災都市計画施設に係る間口率の最低限度を超える部分を除く。)は、空隙のない壁が設けられる等防火上有効な構造としなければならない。
8 前二項の建築物の防災都市計画施設に係る間口率及び高さの算定に関し必要な事項は、政令で定める。
9 前三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 第三項第一号に掲げる建築物
二 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
10 第四十四条第二項の規定は、第三項第二号、第五項第二号又は前項第二号の規定による許可をする場合に準用する。

(第三十八条の準用)

第六十七条の二 第三十八条の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物に対する前条第一項及び第二項の規定の適用について準用する。

第六節 景観地区

第六十八条 景観地区内においては、建築物の高さは、景観地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度又は最低限度が定められたときは、当該最高限度以下又は当該最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
二 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
2 景観地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、景観地区に関する都市計画において壁面の位置の制限が定められたときは、建築物の地盤面下の部分を除き、当該壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 前項第一号に掲げる建築物
二 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
3 景観地区内においては、建築物の敷地面積は、景観地区に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りでない。
一 第一項第一号に掲げる建築物
二 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
4 第五十三条の二第三項の規定は、前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された場合に準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは、「第六十八条第三項」と読み替えるものとする。
5 景観地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度、壁面の位置の制限(道路に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)及び建築物の敷地面積の最低限度が定められている景観地区(景観法第七十二条第二項の景観地区工作物制限条例で、壁面後退区域(当該壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。)における工作物(土地に定着する工作物以外のものを含む。)の設置の制限(当該壁面後退区域において連続的に有効な空地を確保するため必要なものを含むものに限る。)が定められている区域に限る。)内の建築物で、当該景観地区に関する都市計画の内容に適合し、かつ、敷地内に有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十六条の規定は、適用しない。
6 第四十四条第二項の規定は、第一項第二号、第二項第二号又は第三項第二号の規定による許可をする場合に準用する。

第七節 地区計画等の区域



(市町村の条例に基づく制限)

第六十八条の二 市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画(以下「地区整備計画等」という。)が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができる。
2 前項の規定による制限は、建築物の利用上の必要性、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画又は沿道地区計画の区域にあつては適正な都市機能と健全な都市環境を確保するため、集落地区計画の区域にあつては当該集落地区計画の区域の特性にふさわしい良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図るため、それぞれ合理的に必要と認められる限度において、同項に規定する事項のうち特に重要な事項につき、政令で定める基準に従い、行うものとする。
3 第一項の規定に基づく条例で建築物の敷地面積に関する制限を定める場合においては、当該条例に、当該条例の規定の施行又は適用の際、現に建築物の敷地として使用されている土地で当該規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合の適用の除外に関する規定(第三条第三項第一号及び第五号の規定に相当する規定を含む。)を定めるものとする。
4 第一項の規定に基づく条例で建築物の構造に関する防火上必要な制限を定める場合においては、当該条例に、第六十五条の規定の例により、当該制限を受ける区域の内外にわたる建築物についての当該制限に係る規定の適用に関する措置を定めるものとする。
5 市町村は、用途地域における用途の制限を補完し、当該地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域の特性にふさわしい土地利用の増進等の目的を達成するため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、第一項の規定に基づく条例で、第四十八条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。

(再開発等促進区等内の制限の緩和等)

第六十八条の三 地区計画又は沿道地区計画の区域のうち再開発等促進区(都市計画法第十二条の五第三項に規定する再開発等促進区をいう。以下同じ。)又は沿道再開発等促進区(沿道整備法第九条第三項に規定する沿道再開発等促進区をいう。以下同じ。)で地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域のうち建築物の容積率の最高限度が定められている区域内においては、当該地区計画又は沿道地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十二条の規定は、適用しない。
2 地区計画又は沿道地区計画の区域のうち再開発等促進区又は沿道再開発等促進区(地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域のうち当該地区整備計画又は沿道地区整備計画において十分の六以下の数値で建築物の建蔽率の最高限度が定められている区域に限る。)内においては、当該地区計画又は沿道地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十三条第一項から第三項まで、第七項及び第八項の規定は、適用しない。
3 地区計画又は沿道地区計画の区域のうち再開発等促進区又は沿道再開発等促進区(地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域のうち二十メートル以下の高さで建築物の高さの最高限度が定められている区域に限る。)内においては、当該地区計画又は沿道地区計画の内容に適合し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上の建築物であつて特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十五条第一項及び第二項の規定は、適用しない。
4 地区計画又は沿道地区計画の区域のうち再開発等促進区又は沿道再開発等促進区(地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域に限る。第六項において同じ。)内においては、敷地内に有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、第五十六条の規定は、適用しない。
5 第四十四条第二項の規定は、前項の規定による許可をする場合に準用する。
6 地区計画又は沿道地区計画の区域のうち再開発等促進区又は沿道再開発等促進区内の建築物に対する第四十八条第一項から第十三項まで(これらの規定を第八十七条第二項又は第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第四十八条第一項から第十一項まで及び第十三項中「又は公益上やむを得ない」とあるのは「公益上やむを得ないと認め、又は地区計画若しくは沿道地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該地区計画若しくは沿道地区計画の区域における業務の利便の増進上やむを得ない」と、同条第十二項中「工業の利便上又は公益上必要」とあるのは「工業の利便上若しくは公益上必要と認め、又は地区計画若しくは沿道地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該地区計画若しくは沿道地区計画の区域における業務の利便の増進上やむを得ない」とする。
7 地区計画の区域のうち開発整備促進区(都市計画法第十二条の五第四項に規定する開発整備促進区をいう。以下同じ。)で地区整備計画が定められているものの区域(当該地区整備計画において同法第十二条の十二の土地の区域として定められている区域に限る。)内においては、別表第二(か)項に掲げる建築物のうち当該地区整備計画の内容に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第四十八条第六項、第七項、第十二項及び第十四項の規定は、適用しない。
8 地区計画の区域のうち開発整備促進区(地区整備計画が定められている区域に限る。)内の建築物(前項の建築物を除く。)に対する第四十八条第六項、第七項、第十二項及び第十四項(これらの規定を第八十七条第二項又は第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第四十八条第六項、第七項及び第十四項中「又は公益上やむを得ない」とあるのは「公益上やむを得ないと認め、又は地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該地区計画の区域における商業その他の業務の利便の増進上やむを得ない」と、同条第十二項中「工業の利便上又は公益上必要」とあるのは「工業の利便上若しくは公益上必要と認め、又は地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該地区計画の区域における商業その他の業務の利便の増進上やむを得ない」とする。
9 歴史的風致維持向上地区計画の区域(歴史的風致維持向上地区整備計画が定められている区域に限る。)内の建築物に対する第四十八条第一項から第十三項まで(これらの規定を第八十七条第二項又は第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第四十八条第一項から第十一項まで及び第十三項中「又は公益上やむを得ない」とあるのは「公益上やむを得ないと認め、又は歴史的風致維持向上地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域における歴史的風致(地域歴史的風致法第一条に規定する歴史的風致をいう。)の維持及び向上を図る上でやむを得ない」と、同条第十二項中「工業の利便上又は公益上必要」とあるのは「工業の利便上若しくは公益上必要と認め、又は歴史的風致維持向上地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域における歴史的風致(地域歴史的風致法第一条に規定する歴史的風致をいう。)の維持及び向上を図る上でやむを得ない」とする。


(建築物の容積率の最高限度を区域の特性に応じたものと公共施設の整備の状況に応じたものとに区分して定める地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例) 第六十八条の四 次に掲げる条件に該当する地区計画、防災街区整備地区計画又は沿道地区計画(防災街区整備地区計画にあつては、密集市街地整備法第三十二条第二項第一号に規定する地区防災施設(以下単に「地区防災施設」という。)の区域が定められているものに限る。以下この条において同じ。)の区域内にある建築物で、当該地区計画、防災街区整備地区計画又は沿道地区計画の内容(都市計画法第十二条の六第二号、密集市街地整備法第三十二条の二第二号又は沿道整備法第九条の二第二号の規定による公共施設の整備の状況に応じた建築物の容積率の最高限度(以下この条において「公共施設の整備の状況に応じた建築物の容積率の最高限度」という。)を除く。)に適合し、かつ、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、公共施設の整備の状況に応じた建築物の容積率の最高限度に関する第二号の条例の規定は、適用しない。
一 地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域のうち、次に掲げる事項が定められている区域であること。
イ 都市計画法第十二条の六、密集市街地整備法第三十二条の二又は沿道整備法第九条の二の規定による区域の特性に応じたものと公共施設の整備の状況に応じたものとに区分した建築物の容積率の最高限度
ロ (1)から(3)までに掲げる区域の区分に従い、当該(1)から(3)までに定める施設の配置及び規模
(1) 地区整備計画の区域 都市計画法第十二条の五第二項第一号に規定する地区施設又は同条第五項第一号に規定する施設
(2) 防災街区整備地区整備計画の区域 密集市街地整備法第三十二条第二項第二号に規定する地区施設
(3) 沿道地区整備計画の区域 沿道整備法第九条第二項第一号に規定する沿道地区施設又は同条第四項第一号に規定する施設
二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号イに掲げる事項に関する制限が定められている区域であること。


(区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例) 第六十八条の五 次に掲げる条件に該当する地区計画又は沿道地区計画の区域内にある建築物については、当該地区計画又は沿道地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第一号から第四号までに定める数値とみなして、同条の規定を適用する。
一 地区整備計画又は沿道地区整備計画(都市計画法第十二条の七又は沿道整備法第九条の三の規定により、地区整備計画又は沿道地区整備計画の区域を区分して建築物の容積率の最高限度が定められているものに限る。)が定められている区域であること。
二 前号の建築物の容積率の最高限度が当該区域に係る用途地域において定められた建築物の容積率を超えるものとして定められている区域にあつては、地区整備計画又は沿道地区整備計画において次に掲げる事項が定められており、かつ、第六十八条の二第一項の規定に基づく条例でこれらの事項に関する制限が定められている区域であること。
イ 建築物の容積率の最低限度
ロ 建築物の敷地面積の最低限度
ハ 壁面の位置の制限(道路に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)


(区域を区分して建築物の容積を適正に配分する特定建築物地区整備計画等の区域内における建築物の容積率の特例) 第六十八条の五の二 次に掲げる条件に該当する防災街区整備地区計画の区域内にある建築物(第二号に規定する区域内の建築物にあつては、防災街区整備地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに限る。)については、当該防災街区整備地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第一号から第四号までに定める数値とみなして、同条の規定を適用する。
一 特定建築物地区整備計画及び防災街区整備地区整備計画(いずれも密集市街地整備法第三十二条の三第一項の規定により、その区域をそれぞれ区分し、又は区分しないで建築物の容積率の最高限度が定められているものに限る。)が定められている区域であること。
二 前号の建築物の容積率の最高限度が当該区域に係る用途地域において定められた建築物の容積率を超えるものとして定められている区域にあつては、特定建築物地区整備計画において次に掲げる事項が定められており、かつ、第六十八条の二第一項の規定に基づく条例でこれらの事項に関する制限が定められている区域であること。
イ 建築物の容積率の最低限度
ロ 建築物の敷地面積の最低限度
ハ 壁面の位置の制限(道路に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)


(高度利用と都市機能の更新とを図る地区計画等の区域内における制限の特例) 第六十八条の五の三 次に掲げる条件に該当する地区計画又は沿道地区計画の区域内にある建築物については、当該地区計画又は沿道地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第二号から第四号までに定める数値とみなして、同条の規定を適用する。
一 都市計画法第十二条の八又は沿道整備法第九条の四の規定により、次に掲げる事項が定められている地区整備計画又は沿道地区整備計画の区域であること。
イ 建築物の容積率の最高限度
ロ 建築物の容積率の最低限度(沿道地区整備計画において沿道整備法第九条第六項第二号の建築物の沿道整備道路に係る間口率の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められている場合にあつては、これらの最低限度)、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度及び壁面の位置の制限(壁面の位置の制限にあつては、市街地の環境の向上を図るため必要な場合に限る。)
二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号ロに掲げる事項(壁面の位置の制限にあつては、地区整備計画又は沿道地区整備計画に定められたものに限る。)に関する制限が定められている区域であること。
2 前項各号に掲げる条件に該当する地区計画又は沿道地区計画の区域内においては、敷地内に道路に接して有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、第五十六条第一項第一号及び第二項から第四項までの規定は、適用しない。
3 第四十四条第二項の規定は、前項の規定による許可をする場合に準用する。


(住居と住居以外の用途とを区分して定める地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例) 第六十八条の五の四 次に掲げる条件に該当する地区計画、防災街区整備地区計画又は沿道地区計画の区域内にあるその全部又は一部を住宅の用途に供する建築物については、当該地区計画、防災街区整備地区計画又は沿道地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第二号又は第三号に定める数値とみなして、同条(第八項を除く。)の規定を適用する。ただし、当該建築物が同条第三項の規定により建築物の延べ面積の算定に当たりその床面積が当該建築物の延べ面積に算入されない部分を有するときは、当該部分の床面積を含む当該建築物の容積率は、当該建築物がある地域に関する都市計画において定められた同条第一項第二号又は第三号に定める数値の一・五倍以下でなければならない。
一 次に掲げる事項が定められている地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画又は沿道地区整備計画の区域であること。
イ 建築物の容積率の最高限度(都市計画法第十二条の九、密集市街地整備法第三十二条の四又は沿道整備法第九条の五の規定により、それぞれ都市計画法第十二条の九第一号、密集市街地整備法第三十二条の四第一号又は沿道整備法第九条の五第一号に掲げるものの数値が第五十二条第一項第二号又は第三号に定める数値以上その一・五倍以下で定められているものに限る。)
ロ 建築物の容積率の最低限度
ハ 建築物の敷地面積の最低限度
ニ 壁面の位置の制限(道路に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)
二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号ロからニまでに掲げる事項に関する制限が定められている区域であること。
三 当該区域が第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域又は準工業地域内にあること。


(区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する地区計画等の区域内における制限の特例) 第六十八条の五の五 次に掲げる条件に該当する地区計画等(集落地区計画を除く。以下この条において同じ。)の区域内の建築物で、当該地区計画等の内容に適合し、かつ、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十二条第二項の規定は、適用しない。
一 次に掲げる事項が定められている地区整備計画等(集落地区整備計画を除く。)の区域であること。
イ 都市計画法第十二条の十、密集市街地整備法第三十二条の五、地域歴史的風致法第三十二条又は沿道整備法第九条の六の規定による壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。以下この条において同じ。)における工作物の設置の制限及び建築物の高さの最高限度
ロ 建築物の容積率の最高限度
ハ 建築物の敷地面積の最低限度
二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号イ及びハに掲げる事項(壁面後退区域における工作物の設置の制限を除く。)に関する制限が定められている区域であること。
2 前項第一号イ及びハに掲げる事項が定められており、かつ、第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で前項第一号イ及びハに掲げる事項(壁面後退区域における工作物の設置の制限を除く。)に関する制限が定められている地区計画等の区域内にある建築物で、当該地区計画等の内容に適合し、かつ、敷地内に有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十六条の規定は、適用しない。


(地区計画等の区域内における建築物の建蔽率の特例) 第六十八条の五の六 次に掲げる条件に該当する地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域内の建築物については、第一号イに掲げる地区施設等の下にある部分で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものの建築面積は、第五十三条第一項及び第二項、第五十七条の五第一項及び第二項、第五十九条第一項、第五十九条の二第一項、第六十条の二第一項、第六十八条の八、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の建蔽率の算定の基礎となる建築面積に算入しない。
一 地区整備計画等(集落地区整備計画を除く。)が定められている区域のうち、次に掲げる事項が定められている区域であること。
イ その配置が地盤面の上に定められている通路その他の公共空地である地区施設等(第六十八条の四第一号ロに規定する施設、地域歴史的風致法第三十一条第二項第一号に規定する地区施設又は地区防災施設をいう。以下同じ。)
ロ 壁面の位置の制限(イの地区施設等に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)
二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号ロに掲げる事項に関する制限が定められている区域であること。


(道路の位置の指定に関する特例) 第六十八条の六 地区計画等に道の配置及び規模又はその区域が定められている場合には、当該地区計画等の区域(次の各号に掲げる地区計画等の区分に応じて、当該各号に定める事項が定められている区域に限る。次条第一項において同じ。)における第四十二条第一項第五号の規定による位置の指定は、地区計画等に定められた道の配置又はその区域に即して行わなければならない。ただし、建築物の敷地として利用しようとする土地の位置と現に存する道路の位置との関係その他の事由によりこれにより難いと認められる場合においては、この限りでない。
一 地区計画 再開発等促進区若しくは開発整備促進区(いずれも都市計画法第十二条の五第五項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は地区整備計画
二 防災街区整備地区計画 地区防災施設の区域又は防災街区整備地区整備計画
三 歴史的風致維持向上地区計画 歴史的風致維持向上地区整備計画
四 沿道地区計画 沿道再開発等促進区(沿道整備法第九条第四項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は沿道地区整備計画
五 集落地区計画 集落地区整備計画


(予定道路の指定) 第六十八条の七 特定行政庁は、地区計画等に道の配置及び規模又はその区域が定められている場合で、次の各号の一に該当するときは、当該地区計画等の区域において、地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して、政令で定める基準に従い、予定道路の指定を行うことができる。ただし、第二号又は第三号に該当する場合で当該指定に伴う制限により当該指定の際現に当該予定道路の敷地となる土地を含む土地について所有権その他の権利を有する者が当該土地をその権利に基づいて利用することが著しく妨げられることとなるときは、この限りでない。
一 当該指定について、当該予定道路の敷地となる土地の所有者その他の政令で定める利害関係を有する者の同意を得たとき。
二 土地区画整理法による土地区画整理事業又はこれに準ずる事業により主要な区画道路が整備された区域において、当該指定に係る道が新たに当該区画道路に接続した細街路網を一体的に形成するものであるとき。
三 地区計画等においてその配置及び規模又はその区域が定められた道の相当部分の整備が既に行われている場合で、整備の行われていない道の部分に建築物の建築等が行われることにより整備された道の機能を著しく阻害するおそれがあるとき。
2 特定行政庁は、前項の規定により予定道路の指定を行う場合(同項第一号に該当する場合を除く。)においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。
3 第四十六条第一項後段、第二項及び第三項の規定は、前項に規定する場合について準用する。
4 第一項の規定により予定道路が指定された場合においては、当該予定道路を第四十二条第一項に規定する道路とみなして、第四十四条の規定を適用する。
5 第一項の規定により予定道路が指定された場合において、建築物の敷地が予定道路に接するとき又は当該敷地内に予定道路があるときは、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該予定道路を第五十二条第二項の前面道路とみなして、同項から同条第七項まで及び第九項の規定を適用するものとする。この場合においては、当該敷地のうち予定道路に係る部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
6 第四十四条第二項の規定は、前項の規定による許可をする場合に準用する。


(建築物の敷地が地区計画等の区域の内外にわたる場合の措置) 第六十八条の八 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で建築物の容積率の最高限度又は建築物の建蔽率の最高限度が定められた場合において、建築物の敷地が当該条例による制限を受ける区域の内外にわたるときは、当該条例で定められた建築物の容積率の最高限度又は建築物の建蔽率の最高限度を、それぞれ当該建築物の当該条例による制限を受ける区域内にある部分に係る第五十二条第一項及び第二項の規定による建築物の容積率の限度又は第五十三条第一項の規定による建築物の建蔽率の限度とみなして、第五十二条第七項、第十四項及び第十五項又は第五十三条第二項及び第四項から第六項までの規定を適用する。


第八節 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造


第六十八条の九 第六条第一項第四号の規定に基づき、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物又はその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる。
2 景観法第七十四条第一項の準景観地区内においては、市町村は、良好な景観の保全を図るため必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物の高さ、壁面の位置その他の建築物の構造又は敷地に関して必要な制限を定めることができる。


第三章の二 型式適合認定等


(型式適合認定) 第六十八条の十 国土交通大臣は、申請により、建築材料又は主要構造部、建築設備その他の建築物の部分で、政令で定めるものの型式が、前三章の規定又はこれに基づく命令の規定(第六十八条の二十五第一項の構造方法等の認定の内容を含む。)のうち当該建築材料又は建築物の部分の構造上の基準その他の技術的基準に関する政令で定める一連の規定に適合するものであることの認定(以下「型式適合認定」という。)を行うことができる。
2 型式適合認定の申請の手続その他型式適合認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。


(型式部材等製造者の認証) 第六十八条の十一 国土交通大臣は、申請により、規格化された型式の建築材料、建築物の部分又は建築物で、国土交通省令で定めるもの(以下この章において「型式部材等」という。)の製造又は新築(以下この章において単に「製造」という。)をする者について、当該型式部材等の製造者としての認証を行う。
2 前項の申請をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を提出して、これを行わなければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の規定による認証をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。


(欠格条項) 第六十八条の十二 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の規定による認証を受けることができない。
一 建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
二 第六十八条の二十一第一項若しくは第二項又は第六十八条の二十三第一項若しくは第二項の規定により認証を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
三 法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの


(認証の基準) 第六十八条の十三 国土交通大臣は、第六十八条の十一第一項の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、同項の規定による認証をしなければならない。
一 申請に係る型式部材等の型式で型式部材等の種類ごとに国土交通省令で定めるものが型式適合認定を受けたものであること。
二 申請に係る型式部材等の製造設備、検査設備、検査方法、品質管理方法その他品質保持に必要な技術的生産条件が国土交通省令で定める技術的基準に適合していると認められること。


(認証の更新) 第六十八条の十四 第六十八条の十一第一項の規定による認証は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 第六十八条の十一第二項及び前二条の規定は、前項の認証の更新の場合について準用する。


(承継) 第六十八条の十五 第六十八条の十一第一項の認証を受けた者(以下この章において「認証型式部材等製造者」という。)が当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部を譲渡し、又は認証型式部材等製造者について相続、合併若しくは分割(当該認証に係る型式部材等の製造の事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その認証型式部材等製造者の地位を承継する。ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該事業の全部を承継した法人が第六十八条の十二各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。


(変更の届出) 第六十八条の十六 認証型式部材等製造者は、第六十八条の十一第二項の国土交通省令で定める事項に変更(国土交通省令で定める軽微なものを除く。)があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。


(廃止の届出) 第六十八条の十七 認証型式部材等製造者は、当該認証に係る型式部材等の製造の事業を廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る第六十八条の十一第一項の規定による認証は、その効力を失う。
3 国土交通大臣は、第一項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。


(型式適合義務等) 第六十八条の十八 認証型式部材等製造者は、その認証に係る型式部材等の製造をするときは、当該型式部材等がその認証に係る型式に適合するようにしなければならない。ただし、輸出のため当該型式部材等の製造をする場合、試験的に当該型式部材等の製造をする場合その他の国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
2 認証型式部材等製造者は、国土交通省令で定めるところにより、製造をする当該認証に係る型式部材等について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。


(表示等) 第六十八条の十九 認証型式部材等製造者は、その認証に係る型式部材等の製造をしたときは、これに当該型式部材等が認証型式部材等製造者が製造をした型式部材等であることを示す国土交通省令で定める方式による特別な表示を付することができる。
2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、建築材料、建築物の部分又は建築物に、同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。


(認証型式部材等に関する確認及び検査の特例) 第六十八条の二十 認証型式部材等製造者が製造をするその認証に係る型式部材等(以下この章において「認証型式部材等」という。)は、第六条第四項に規定する審査、第六条の二第一項の規定による確認のための審査又は第十八条第三項に規定する審査において、その認証に係る型式に適合するものとみなす。
2 建築物以外の認証型式部材等で前条第一項の表示を付したもの及び建築物である認証型式部材等でその新築の工事が国土交通省令で定めるところにより建築士である工事監理者によつて設計図書のとおり実施されたことが確認されたものは、第七条第四項、第七条の二第一項、第七条の三第四項、第七条の四第一項又は第十八条第十七項若しくは第二十項の規定による検査において、その認証に係る型式に適合するものとみなす。


(認証の取消し) 第六十八条の二十一 国土交通大臣は、認証型式部材等製造者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認証を取り消さなければならない。
一 第六十八条の十二第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 当該認証に係る型式適合認定が取り消されたとき。
2 国土交通大臣は、認証型式部材等製造者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認証を取り消すことができる。
一 第六十八条の十六、第六十八条の十八又は第六十八条の十九第二項の規定に違反したとき。
二 認証型式部材等の製造設備、検査設備、検査方法、品質管理方法その他品質保持に必要な技術的生産条件が、第六十八条の十三第二号の国土交通省令で定める技術的基準に適合していないと認めるとき。
三 不正な手段により認証を受けたとき。
3 国土交通大臣は、前二項の規定により認証を取り消したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。


(外国型式部材等製造者の認証) 第六十八条の二十二 国土交通大臣は、申請により、外国において本邦に輸出される型式部材等の製造をする者について、当該型式部材等の外国製造者としての認証を行う。
2 第六十八条の十一第二項及び第三項並びに第六十八条の十二から第六十八条の十四までの規定は前項の認証に、第六十八条の十五から第六十八条の十九までの規定は同項の認証を受けた者(以下この章において「認証外国型式部材等製造者」という。)に、第六十八条の二十の規定は認証外国型式部材等製造者が製造をする型式部材等に準用する。この場合において、第六十八条の十九第二項中「何人も」とあるのは「認証外国型式部材等製造者は」と、「建築材料」とあるのは「本邦に輸出される建築材料」と読み替えるものとする。


(認証の取消し) 第六十八条の二十三 国土交通大臣は、認証外国型式部材等製造者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認証を取り消さなければならない。
一 前条第二項において準用する第六十八条の十二第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 当該認証に係る型式適合認定が取り消されたとき。
2 国土交通大臣は、認証外国型式部材等製造者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認証を取り消すことができる。
一 前条第二項において準用する第六十八条の十六、第六十八条の十八又は第六十八条の十九第二項の規定に違反したとき。
二 認証に係る型式部材等の製造設備、検査設備、検査方法、品質管理方法その他品質保持に必要な技術的生産条件が、前条第二項において準用する第六十八条の十三第二号の国土交通省令で定める技術的基準に適合していないと認めるとき。
三 不正な手段により認証を受けたとき。
四 第十五条の二第一項の規定による報告若しくは物件の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をしたとき。
五 第十五条の二第一項の規定による検査若しくは試験を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
六 第四項の規定による費用の負担をしないとき。
3 国土交通大臣は、前二項の規定により認証を取り消したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
4 第十五条の二第一項の規定による検査又は試験に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査又は試験を受ける認証外国型式部材等製造者の負担とする。


(指定認定機関等による認定等の実施) 第六十八条の二十四 国土交通大臣は、第七十七条の三十六から第七十七条の三十九までの規定の定めるところにより指定する者に、型式適合認定又は第六十八条の十一第一項若しくは第六十八条の二十二第一項の規定による認証、第六十八条の十四第一項(第六十八条の二十二第二項において準用する場合を含む。)の認証の更新及び第六十八条の十一第三項(第六十八条の二十二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公示(以下「認定等」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者が行う認定等を行わないものとする。
3 国土交通大臣は、第七十七条の五十四の規定の定めるところにより承認する者に、認定等(外国において事業を行う者の申請に基づき行うものに限る。)の全部又は一部を行わせることができる。


(構造方法等の認定) 第六十八条の二十五 構造方法等の認定(前三章の規定又はこれに基づく命令の規定で、建築物の構造上の基準その他の技術的基準に関するものに基づき国土交通大臣がする構造方法、建築材料又はプログラムに係る認定をいう。以下同じ。)の申請をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出して、これをしなければならない。
2 国土交通大臣は、構造方法等の認定のための審査に当たつては、審査に係る構造方法、建築材料又はプログラムの性能に関する評価(以下この条において単に「評価」という。)に基づきこれを行うものとする。
3 国土交通大臣は、第七十七条の五十六の規定の定めるところにより指定する者に、構造方法等の認定のための審査に必要な評価の全部又は一部を行わせることができる。
4 国土交通大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者が行う評価を行わないものとする。
5 国土交通大臣が第三項の規定による指定をした場合において、当該指定に係る構造方法等の認定の申請をしようとする者は、第七項の規定により申請する場合を除き、第三項の規定による指定を受けた者が作成した当該申請に係る構造方法、建築材料又はプログラムの性能に関する評価書(以下この条において「性能評価書」という。)を第一項の申請書に添えて、これをしなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該性能評価書に基づき構造方法等の認定のための審査を行うものとする。
6 国土交通大臣は、第七十七条の五十七の規定の定めるところにより承認する者に、構造方法等の認定のための審査に必要な評価(外国において事業を行う者の申請に基づき行うものに限る。)の全部又は一部を行わせることができる。
7 外国において事業を行う者は、前項の承認を受けた者が作成した性能評価書を第一項の申請書に添えて構造方法等の認定を申請することができる。この場合において、国土交通大臣は、当該性能評価書に基づき構造方法等の認定のための審査を行うものとする。


(特殊構造方法等認定) 第六十八条の二十六 特殊構造方法等認定(第三十八条(第六十六条及び第六十七条の二において準用する場合を含む。)の規定による認定をいう。以下同じ。)の申請をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出して、これをしなければならない。


第四章 建築協定


(建築協定の目的) 第六十九条 市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するために必要と認める場合においては、土地の所有者及び借地権を有する者(土地区画整理法第九十八条第一項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。次条第三項、第七十四条の二第一項及び第二項並びに第七十五条の二第一項、第二項及び第五項において同じ。)の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者及び借地権を有する者。以下「土地の所有者等」と総称する。)が当該土地について一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定(以下「建築協定」という。)を締結することができる旨を、条例で、定めることができる。


(建築協定の認可の申請) 第七十条 前条の規定による建築協定を締結しようとする土地の所有者等は、協定の目的となつている土地の区域(以下「建築協定区域」という。)、建築物に関する基準、協定の有効期間及び協定違反があつた場合の措置を定めた建築協定書を作成し、その代表者によつて、これを特定行政庁に提出し、その認可を受けなければならない。
2 前項の建築協定書においては、同項に規定するもののほか、前条の条例で定める区域内の土地のうち、建築協定区域に隣接した土地であつて、建築協定区域の一部とすることにより建築物の利用の増進及び土地の環境の改善に資するものとして建築協定区域の土地となることを当該建築協定区域内の土地の所有者等が希望するもの(以下「建築協定区域隣接地」という。)を定めることができる。
3 第一項の建築協定書については、土地の所有者等の全員の合意がなければならない。ただし、当該建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)に借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。
4 第一項の規定によつて建築協定書を提出する場合において、当該建築協定区域が建築主事を置く市町村の区域外にあるときは、その所在地の市町村の長を経由しなければならない。


(申請に係る建築協定の公告) 第七十一条 市町村の長は、前条第一項又は第四項の規定による建築協定書の提出があつた場合においては、遅滞なく、その旨を公告し、二十日以上の相当の期間を定めて、これを関係人の縦覧に供さなければならない。


(公開による意見の聴取) 第七十二条 市町村の長は、前条の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。
2 建築主事を置く市町村以外の市町村の長は、前項の意見の聴取をした後、遅滞なく、当該建築協定書を、同項の規定による意見の聴取の記録を添えて、都道府県知事に送付しなければならない。この場合において、当該市町村の長は、当該建築協定書の内容について意見があるときは、その意見を付さなければならない。


(建築協定の認可) 第七十三条 特定行政庁は、当該建築協定の認可の申請が、次に掲げる条件に該当するときは、当該建築協定を認可しなければならない。
一 建築協定の目的となつている土地又は建築物の利用を不当に制限するものでないこと。
二 第六十九条の目的に合致するものであること。
三 建築協定において建築協定区域隣接地を定める場合には、その区域の境界が明確に定められていることその他の建築協定区域隣接地について国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
2 特定行政庁は、前項の認可をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。この場合において、当該建築協定が建築主事を置く市町村の区域外の区域に係るものであるときは、都道府県知事は、その認可した建築協定に係る建築協定書の写し一通を当該建築協定区域及び建築協定区域隣接地の所在地の市町村の長に送付しなければならない。
3 第一項の規定による認可をした市町村の長又は前項の規定によつて建築協定書の写の送付を受けた市町村の長は、その建築協定書を当該市町村の事務所に備えて、一般の縦覧に供さなければならない。


(建築協定の変更) 第七十四条 建築協定区域内における土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、前条第一項の規定による認可を受けた建築協定に係る建築協定区域、建築物に関する基準、有効期間、協定違反があつた場合の措置又は建築協定区域隣接地を変更しようとする場合においては、その旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければならない。
2 前四条の規定は、前項の認可の手続に準用する。 第七十四条の二 建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)で当該建築協定の効力が及ばない者の所有するものの全部又は一部について借地権が消滅した場合においては、その借地権の目的となつていた土地(同項の規定により仮換地として指定された土地に対応する従前の土地にあつては、当該土地についての仮換地として指定された土地)は、当該建築協定区域から除かれるものとする。
2 建築協定区域内の土地で土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定されたものが、同法第八十六条第一項の換地計画又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第七十二条第一項の換地計画において当該土地に対応する従前の土地についての換地として定められず、かつ、土地区画整理法第九十一条第三項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十二条において準用する場合を含む。)の規定により当該土地に対応する従前の土地の所有者に対してその共有持分を与えるように定められた土地としても定められなかつたときは、当該土地は、土地区画整理法第百三条第四項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。)の公告があつた日が終了した時において当該建築協定区域から除かれるものとする。
3 前二項の場合においては、当該借地権を有していた者又は当該仮換地として指定されていた土地に対応する従前の土地に係る土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、遅滞なく、その旨を特定行政庁に届け出なければならない。
4 特定行政庁は、前項の規定による届出があつた場合その他第一項又は第二項の規定により建築協定区域内の土地が当該建築協定区域から除かれたことを知つた場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。


(建築協定の効力) 第七十五条 第七十三条第二項又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による認可の公告(次条において「建築協定の認可等の公告」という。)のあつた建築協定は、その公告のあつた日以後において当該建築協定区域内の土地の所有者等となつた者(当該建築協定について第七十条第三項又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。


(建築協定の認可等の公告のあつた日以後建築協定に加わる手続等) 第七十五条の二 建築協定区域内の土地の所有者(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者)で当該建築協定の効力が及ばないものは、建築協定の認可等の公告のあつた日以後いつでも、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによつて、当該建築協定に加わることができる。
2 建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等は、建築協定の認可等の公告のあつた日以後いつでも、当該土地に係る土地の所有者等の全員の合意により、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによつて、建築協定に加わることができる。ただし、当該土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)の区域内に借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。
3 建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等で前項の意思を表示したものに係る土地の区域は、その意思の表示があつた時以後、建築協定区域の一部となるものとする。
4 第七十三条第二項及び第三項の規定は、第一項又は第二項の規定による意思の表示があつた場合に準用する。
5 建築協定は、第一項又は第二項の規定により当該建築協定に加わつた者がその時において所有し、又は借地権を有していた当該建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)について、前項において準用する第七十三条第二項の規定による公告のあつた日以後において土地の所有者等となつた者(当該建築協定について第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者及び前条の規定の適用がある者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。


(建築協定の廃止) 第七十六条 建築協定区域内の土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、第七十三条第一項の規定による認可を受けた建築協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければならない。
2 特定行政庁は、前項の認可をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。


(土地の共有者等の取扱い) 第七十六条の二 土地の共有者又は共同借地権者は、第七十条第三項(第七十四条第二項において準用する場合を含む。)、第七十五条の二第一項及び第二項並びに前条第一項の規定の適用については、合わせて一の所有者又は借地権者とみなす。


(建築協定の設定の特則) 第七十六条の三 第六十九条の条例で定める区域内における土地で、一の所有者以外に土地の所有者等が存しないものの所有者は、当該土地の区域を建築協定区域とする建築協定を定めることができる。
2 前項の規定による建築協定を定めようとする者は、建築協定区域、建築物に関する基準、協定の有効期間及び協定違反があつた場合の措置を定めた建築協定書を作成し、これを特定行政庁に提出して、その認可を受けなければならない。
3 前項の建築協定書においては、同項に規定するもののほか、建築協定区域隣接地を定めることができる。
4 第七十条第四項及び第七十一条から第七十三条までの規定は、第二項の認可の手続に準用する。
5 第二項の規定による認可を受けた建築協定は、認可の日から起算して三年以内において当該建築協定区域内の土地に二以上の土地の所有者等が存することとなつた時から、第七十三条第二項の規定による認可の公告のあつた建築協定と同一の効力を有する建築協定となる。
6 第七十四条及び第七十六条の規定は、前項の規定により第七十三条第二項の規定による認可の公告のあつた建築協定と同一の効力を有する建築協定となつた建築協定の変更又は廃止について準用する。


(建築物の借主の地位) 第七十七条 建築協定の目的となつている建築物に関する基準が建築物の借主の権限に係る場合においては、その建築協定については、当該建築物の借主は、土地の所有者等とみなす。


第四章の二 指定建築基準適合判定資格者検定機関等


第一節 指定建築基準適合判定資格者検定機関


(指定) 第七十七条の二 第五条の二第一項の規定による指定は、一を限り、建築基準適合判定資格者検定事務を行おうとする者の申請により行う。


(欠格条項) 第七十七条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、第五条の二第一項の規定による指定を受けることができない。
一 一般社団法人又は一般財団法人以外の者
二 建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 第七十七条の十五第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
四 その役員のうちに、イ又はロのいずれかに該当する者がある者
イ 第二号に該当する者
ロ 第七十七条の六第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者


(指定の基準) 第七十七条の四 国土交通大臣は、第五条の二第一項の規定による指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 職員(第七十七条の七第一項の建築基準適合判定資格者検定委員を含む。)、設備、建築基準適合判定資格者検定事務の実施の方法その他の事項についての建築基準適合判定資格者検定事務の実施に関する計画が、建築基準適合判定資格者検定事務の適確な実施のために適切なものであること。
二 前号の建築基準適合判定資格者検定事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
三 建築基準適合判定資格者検定事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて建築基準適合判定資格者検定事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。


(指定の公示等) 第七十七条の五 国土交通大臣は、第五条の二第一項の規定による指定をしたときは、指定建築基準適合判定資格者検定機関の名称及び住所、建築基準適合判定資格者検定事務を行う事務所の所在地並びに建築基準適合判定資格者検定事務の開始の日を公示しなければならない。
2 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、その名称若しくは住所又は建築基準適合判定資格者検定事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
3 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。


(役員の選任及び解任) 第七十七条の六 指定建築基準適合判定資格者検定機関の役員の選任及び解任は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 国土交通大臣は、指定建築基準適合判定資格者検定機関の役員が、第七十七条の九第一項の認可を受けた建築基準適合判定資格者検定事務規程に違反したとき、又は建築基準適合判定資格者検定事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定建築基準適合判定資格者検定機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。


(建築基準適合判定資格者検定委員) 第七十七条の七 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、建築基準適合判定資格者検定の問題の作成及び採点を建築基準適合判定資格者検定委員に行わせなければならない。
2 建築基準適合判定資格者検定委員は、建築及び行政に関し学識経験のある者のうちから選任しなければならない。
3 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、建築基準適合判定資格者検定委員を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4 国土交通大臣は、建築基準適合判定資格者検定委員が、第七十七条の九第一項の認可を受けた建築基準適合判定資格者検定事務規程に違反したとき、又は建築基準適合判定資格者検定事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定建築基準適合判定資格者検定機関に対し、その建築基準適合判定資格者検定委員を解任すべきことを命ずることができる。


(秘密保持義務等) 第七十七条の八 指定建築基準適合判定資格者検定機関の役員及び職員(建築基準適合判定資格者検定委員を含む。第三項において同じ。)並びにこれらの職にあつた者は、建築基準適合判定資格者検定事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 前項に定めるもののほか、建築基準適合判定資格者検定委員は、建築基準適合判定資格者検定の問題の作成及び採点に当たつて、厳正を保持し不正な行為のないようにしなければならない。
3 建築基準適合判定資格者検定事務に従事する指定建築基準適合判定資格者検定機関の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。


(建築基準適合判定資格者検定事務規程) 第七十七条の九 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、建築基準適合判定資格者検定事務の実施に関する規程(以下この節において「建築基準適合判定資格者検定事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 建築基準適合判定資格者検定事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣は、第一項の認可をした建築基準適合判定資格者検定事務規程が建築基準適合判定資格者検定事務の公正かつ適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その建築基準適合判定資格者検定事務規程を変更すべきことを命ずることができる。


(事業計画等) 第七十七条の十 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に国土交通大臣に提出しなければならない。


(帳簿の備付け等) 第七十七条の十一 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、国土交通省令で定めるところにより、建築基準適合判定資格者検定事務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。


(監督命令) 第七十七条の十二 国土交通大臣は、建築基準適合判定資格者検定事務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定建築基準適合判定資格者検定機関に対し、建築基準適合判定資格者検定事務に関し監督上必要な命令をすることができる。


(報告、検査等) 第七十七条の十三 国土交通大臣は、建築基準適合判定資格者検定事務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定建築基準適合判定資格者検定機関に対し建築基準適合判定資格者検定事務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定建築基準適合判定資格者検定機関の事務所に立ち入り、建築基準適合判定資格者検定事務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 第十五条の二第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。


(建築基準適合判定資格者検定事務の休廃止等) 第七十七条の十四 指定建築基準適合判定資格者検定機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、建築基準適合判定資格者検定事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 国土交通大臣が前項の規定により建築基準適合判定資格者検定事務の全部の廃止を許可したときは、当該許可に係る指定は、その効力を失う。
3 国土交通大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。


(指定の取消し等) 第七十七条の十五 国土交通大臣は、指定建築基準適合判定資格者検定機関が第七十七条の三第一号、第二号又は第四号のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 国土交通大臣は、指定建築基準適合判定資格者検定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて建築基準適合判定資格者検定事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第七十七条の五第二項、第七十七条の七第一項から第三項まで、第七十七条の十、第七十七条の十一又は前条第一項の規定に違反したとき。
二 第七十七条の九第一項の認可を受けた建築基準適合判定資格者検定事務規程によらないで建築基準適合判定資格者検定事務を行つたとき。
三 第七十七条の六第二項、第七十七条の七第四項、第七十七条の九第三項又は第七十七条の十二の規定による命令に違反したとき。
四 第七十七条の四各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
五 その役員又は建築基準適合判定資格者検定委員が、建築基準適合判定資格者検定事務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
六 不正な手段により指定を受けたとき。
3 国土交通大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により建築基準適合判定資格者検定事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。


(国土交通大臣による建築基準適合判定資格者検定の実施) 第七十七条の十六 国土交通大臣は、指定建築基準適合判定資格者検定機関が第七十七条の十四第一項の規定により建築基準適合判定資格者検定事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定建築基準適合判定資格者検定機関に対し建築基準適合判定資格者検定事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定建築基準適合判定資格者検定機関が天災その他の事由により建築基準適合判定資格者検定事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、第五条の二第三項の規定にかかわらず、建築基準適合判定資格者検定事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 国土交通大臣は、前項の規定により建築基準適合判定資格者検定事務を行い、又は同項の規定により行つている建築基準適合判定資格者検定事務を行わないこととしようとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 国土交通大臣が、第一項の規定により建築基準適合判定資格者検定事務を行うこととし、第七十七条の十四第一項の規定により建築基準適合判定資格者検定事務の廃止を許可し、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における建築基準適合判定資格者検定事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。


(審査請求) 第七十七条の十七 指定建築基準適合判定資格者検定機関が行う建築基準適合判定資格者検定事務に係る処分又はその不作為については、国土交通大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、国土交通大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定建築基準適合判定資格者検定機関の上級行政庁とみなす。 第一節の二 指定構造計算適合判定資格者検定機関 第七十七条の十七の二 第五条の五第一項の規定による指定は、一を限り、構造計算適合判定資格者検定事務を行おうとする者の申請により行う。
2 第七十七条の三、第七十七条の四及び第七十七条の五第一項の規定は第五条の五第一項の規定による指定に、第七十七条の五第二項及び第三項並びに第七十七条の六から第七十七条の十六までの規定は指定構造計算適合判定資格者検定機関に、前条の規定は指定構造計算適合判定資格者検定機関が行う構造計算適合判定資格者検定事務について準用する。この場合において、第七十七条の十六第一項中「第五条の二第三項」とあるのは、「第五条の五第二項において準用する第五条の二第三項」と読み替えるものとする。


第二節 指定確認検査機関


(指定) 第七十七条の十八 第六条の二第一項(第八十七条第一項、第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)又は第七条の二第一項(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)は、第六条の二第一項の規定による確認又は第七条の二第一項及び第七条の四第一項(第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の検査並びに第七条の六第一項第二号(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)の規定による認定(以下「確認検査」という。)の業務を行おうとする者の申請により行う。
2 前項の申請は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める区分に従い、確認検査の業務を行う区域(以下この節において「業務区域」という。)を定めてしなければならない。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する特定行政庁(都道府県知事にあつては、当該都道府県知事を除く。)の意見を聴かなければならない。

(欠格条項)

第七十七条の十九 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
一 未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 禁錮以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
四 第七十七条の三十五第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
五 第七十七条の三十五の十九第二項の規定により第七十七条の三十五の二第一項に規定する指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
六 第七十七条の六十二第二項(第七十七条の六十六第二項において準用する場合を含む。)の規定により第七十七条の五十八第一項又は第七十七条の六十六第一項の登録を消除され、その消除の日から起算して五年を経過しない者
七 建築士法第七条第四号又は第二十三条の四第一項第三号に該当する者
八 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過しない者
九 心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
十 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十一 その者の親会社等(その者の経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして政令で定める者をいう。以下同じ。)が前各号のいずれかに該当する者

(指定の基準)

第七十七条の二十 国土交通大臣又は都道府県知事は、指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 第七十七条の二十四第一項の確認検査員(常勤の職員である者に限る。)の数が、確認検査を行おうとする建築物の種類、規模及び数に応じて国土交通省令で定める数以上であること。
二 前号に定めるもののほか、職員、確認検査の業務の実施の方法その他の事項についての確認検査の業務の実施に関する計画が、確認検査の業務の適確な実施のために適切なものであること。
三 その者の有する財産の評価額(その者が法人である場合にあつては、資本金、基本金その他これらに準ずるものの額)が国土交通省令で定める額以上であること。
四 前号に定めるもののほか、第二号の確認検査の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎を有するものであること。
五 法人にあつては役員、法人の種類に応じて国土交通省令で定める構成員又は職員(第七十七条の二十四第一項の確認検査員を含む。以下この号において同じ。)の構成が、法人以外の者にあつてはその者及びその職員の構成が、確認検査の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
六 その者又はその者の親会社等が第七十七条の三十五の五第一項の指定構造計算適合性判定機関である場合には、当該指定構造計算適合性判定機関に対してされた第十八条の二第四項の規定により読み替えて適用される第六条の三第一項の規定による構造計算適合性判定の申請に係る建築物の計画について、第六条の二第一項の規定による確認をしないものであること。
七 前号に定めるもののほか、その者又はその者の親会社等が確認検査の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて確認検査の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
八 前各号に定めるもののほか、確認検査の業務を行うにつき十分な適格性を有するものであること。

(指定の公示等)

第七十七条の二十一 国土交通大臣又は都道府県知事は、指定をしたときは、指定を受けた者(以下「指定確認検査機関」という。)の名称及び住所、指定の区分、業務区域並びに確認検査の業務を行う事務所の所在地を公示しなければならない。
2 指定確認検査機関は、その名称若しくは住所又は確認検査の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その指定をした国土交通大臣又は都道府県知事(以下この節において「国土交通大臣等」という。)にその旨を届け出なければならない。
3 国土交通大臣等は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(業務区域の変更)

第七十七条の二十二 指定確認検査機関は、業務区域を増加しようとするときは、国土交通大臣等の認可を受けなければならない。
2 指定確認検査機関は、業務区域を減少したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならない。
3 第七十七条の十八第三項及び第七十七条の二十第一号から第四号までの規定は、第一項の認可について準用する。この場合において、第七十七条の十八第三項中「業務区域」とあるのは、「増加しようとする業務区域」と読み替えるものとする。
4 国土交通大臣等は、第一項の認可をしたとき又は第二項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の更新)

第七十七条の二十三 指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 第七十七条の十八から第七十七条の二十までの規定は、前項の指定の更新の場合について準用する。

(確認検査員)

第七十七条の二十四 指定確認検査機関は、確認検査を行うときは、確認検査員に確認検査を実施させなければならない。
2 確認検査員は、第七十七条の五十八第一項の登録を受けた者のうちから、選任しなければならない。
3 指定確認検査機関は、確認検査員を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならない。
4 国土交通大臣等は、確認検査員の在任により指定確認検査機関が第七十七条の二十第五号に掲げる基準に適合しなくなつたときは、指定確認検査機関に対し、その確認検査員を解任すべきことを命ずることができる。

(秘密保持義務等)

第七十七条の二十五 指定確認検査機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)及びその職員(確認検査員を含む。次項において同じ。)並びにこれらの者であつた者は、確認検査の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 指定確認検査機関及びその職員で確認検査の業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(確認検査の義務)

第七十七条の二十六 指定確認検査機関は、確認検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、確認検査を行わなければならない。

(確認検査業務規程)

第七十七条の二十七 指定確認検査機関は、確認検査の業務に関する規程(以下この節において「確認検査業務規程」という。)を定め、国土交通大臣等の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 確認検査業務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣等は、第一項の認可をした確認検査業務規程が確認検査の公正かつ適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その確認検査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(指定区分等の掲示)

第七十七条の二十八 指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、指定の区分、業務区域その他国土交通省令で定める事項を、その事務所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。

(帳簿の備付け等)

第七十七条の二十九 指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
2 前項に定めるもののほか、指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務に関する書類で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。

(書類の閲覧)

第七十七条の二十九の二 指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務を行う事務所に次に掲げる書類を備え置き、第六条の二第一項の規定による確認を受けようとする者その他の関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
一 当該指定確認検査機関の業務の実績を記載した書類
二 確認検査員の氏名及び略歴を記載した書類
三 確認検査の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講じている場合にあつては、その内容を記載した書類
四 その他指定確認検査機関の業務及び財務に関する書類で国土交通省令で定めるもの

(監督命令)

第七十七条の三十 国土交通大臣等は、確認検査の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定に係る指定確認検査機関に対し、確認検査の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
2 国土交通大臣等は、前項の規定による命令をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

(報告、検査等)

第七十七条の三十一 国土交通大臣等は、確認検査の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定に係る指定確認検査機関に対し確認検査の業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定確認検査機関の事務所に立ち入り、確認検査の業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 特定行政庁は、その指揮監督の下にある建築主事が第六条第一項の規定による確認をする権限を有する建築物の確認検査の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、指定確認検査機関の事務所に立ち入り、確認検査の業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3 特定行政庁は、前項の規定による立入検査の結果、当該指定確認検査機関が、確認検査業務規程に違反する行為をし、又は確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をした事実があると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣等に報告しなければならない。
4 前項の規定による報告を受けた場合において、国土交通大臣等は、必要に応じ、第七十七条の三十五第二項の規定による確認検査の業務の全部又は一部の停止命令その他の措置を講ずるものとする。
5 第十五条の二第二項及び第三項の規定は、第一項及び第二項の場合について準用する。

(照会及び指示)

第七十七条の三十二 指定確認検査機関は、確認検査の適正な実施のため必要な事項について、特定行政庁に照会することができる。この場合において、当該特定行政庁は、当該照会をした者に対して、照会に係る事項の通知その他必要な措置を講ずるものとする。
2 特定行政庁は、前条第二項に規定する建築物の確認検査の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定確認検査機関に対し、当該確認検査の適正な実施のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。

(指定確認検査機関に対する配慮)

第七十七条の三十三 国土交通大臣及び地方公共団体は、指定確認検査機関に対して、確認検査の業務の適確な実施に必要な情報の提供その他の必要な配慮をするものとする。

(確認検査の業務の休廃止等)

第七十七条の三十四 指定確認検査機関は、確認検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならない。
2 前項の規定により確認検査の業務の全部を廃止しようとする届出があつたときは、当該届出に係る指定は、その効力を失う。
3 国土交通大臣等は、第一項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の取消し等)

第七十七条の三十五 国土交通大臣等は、その指定に係る指定確認検査機関が第七十七条の十九各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 国土交通大臣等は、その指定に係る指定確認検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて確認検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第六条の二第四項若しくは第五項(これらの規定を第八十七条第一項、第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)、第七条の二第三項から第六項まで(これらの規定を第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)、第七条の四第二項、第三項若しくは第六項(これらの規定を第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第七条の六第三項(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)、第十八条の三第三項、第七十七条の二十一第二項、第七十七条の二十二第一項若しくは第二項、第七十七条の二十四第一項から第三項まで、第七十七条の二十六、第七十七条の二十八から第七十七条の二十九の二まで又は前条第一項の規定に違反したとき。
二 第七十七条の二十七第一項の認可を受けた確認検査業務規程によらないで確認検査を行つたとき。
三 第七十七条の二十四第四項、第七十七条の二十七第三項又は第七十七条の三十第一項の規定による命令に違反したとき。
四 第七十七条の二十各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
五 確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその業務に従事する確認検査員若しくは法人にあつてはその役員が、確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
六 不正な手段により指定を受けたとき。
3 国土交通大臣等は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により確認検査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。


第三節 指定構造計算適合性判定機関

(指定)

第七十七条の三十五の二 第十八条の二第一項の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)は、構造計算適合性判定の業務を行おうとする者の申請により行う。
2 前項の申請は、国土交通省令で定めるところにより、構造計算適合性判定の業務を行う区域(以下この節において「業務区域」という。)を定めてしなければならない。
3 国土交通大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴かなければならない。

(欠格条項)

第七十七条の三十五の三 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
一 未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 禁錮以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
四 第七十七条の三十五第二項の規定により第七十七条の十八第一項に規定する指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
五 第七十七条の三十五の十九第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
六 第七十七条の六十二第二項(第七十七条の六十六第二項において準用する場合を含む。)の規定により第七十七条の五十八第一項又は第七十七条の六十六第一項の登録を消除され、その消除の日から起算して五年を経過しない者
七 建築士法第七条第四号又は第二十三条の四第一項第三号に該当する者
八 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過しない者
九 心身の故障により構造計算適合性判定の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
十 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十一 その者の親会社等が前各号のいずれかに該当する者

(指定の基準)

第七十七条の三十五の四 国土交通大臣又は都道府県知事は、指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 第七十七条の三十五の九第一項の構造計算適合性判定員(職員である者に限る。)の数が、構造計算適合性判定を行おうとする建築物の規模及び数に応じて国土交通省令で定める数以上であること。
二 前号に定めるもののほか、職員、設備、構造計算適合性判定の業務の実施の方法その他の事項についての構造計算適合性判定の業務の実施に関する計画が、構造計算適合性判定の業務の適確な実施のために適切なものであること。
三 その者の有する財産の評価額(その者が法人である場合にあつては、資本金、基本金その他これらに準ずるものの額)が国土交通省令で定める額以上であること。
四 前号に定めるもののほか、第二号の構造計算適合性判定の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎を有するものであること。
五 法人にあつては役員、第七十七条の二十第五号の国土交通省令で定める構成員又は職員(第七十七条の三十五の九第一項の構造計算適合性判定員を含む。以下この号において同じ。)の構成が、法人以外の者にあつてはその者及びその職員の構成が、構造計算適合性判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
六 その者又はその者の親会社等が指定確認検査機関である場合には、当該指定確認検査機関に対してされた第六条の二第一項の規定による確認の申請に係る建築物の計画について、第十八条の二第四項の規定により読み替えて適用される第六条の三第一項の規定による構造計算適合性判定を行わないものであること。
七 前号に定めるもののほか、その者又はその者の親会社等が構造計算適合性判定の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて構造計算適合性判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
八 前各号に定めるもののほか、構造計算適合性判定の業務を行うにつき十分な適格性を有するものであること。

(指定の公示等)

第七十七条の三十五の五 国土交通大臣又は都道府県知事は、指定をしたときは、指定を受けた者(以下この節及び第百条において「指定構造計算適合性判定機関」という。)の名称及び住所並びに業務区域を公示しなければならない。
2 指定構造計算適合性判定機関は、その名称又は住所を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その指定をした国土交通大臣又は都道府県知事(以下この節において「国土交通大臣等」という。)にその旨を届け出なければならない。
3 国土交通大臣等は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(業務区域の変更)

第七十七条の三十五の六 指定構造計算適合性判定機関は、業務区域を増加し、又は減少しようとするときは、国土交通大臣等の認可を受けなければならない。
2 国土交通大臣は、指定構造計算適合性判定機関が業務区域を減少しようとするときは、当該業務区域の減少により構造計算適合性判定の業務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の認可をしてはならない。
3 第七十七条の三十五の二第三項及び第七十七条の三十五の四第一号から第四号までの規定は、第一項の認可について準用する。この場合において、第七十七条の三十五の二第三項中「業務区域」とあるのは、「増加し、又は減少しようとする業務区域」と読み替えるものとする。
4 国土交通大臣等は、第一項の認可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の更新)

第七十七条の三十五の七 指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 第七十七条の三十五の二から第七十七条の三十五の四までの規定は、前項の指定の更新の場合について準用する。

(委任の公示等)

第七十七条の三十五の八 第十八条の二第一項の規定により指定構造計算適合性判定機関にその構造計算適合性判定を行わせることとした都道府県知事(以下「委任都道府県知事」という。)は、当該指定構造計算適合性判定機関の名称及び住所、業務区域並びに当該構造計算適合性判定の業務を行う事務所の所在地並びに当該指定構造計算適合性判定機関に行わせることとした構造計算適合性判定の業務及び当該構造計算適合性判定の業務の開始の日を公示しなければならない。
2 国土交通大臣の指定に係る指定構造計算適合性判定機関は、その名称又は住所を変更しようとするときは委任都道府県知事に、構造計算適合性判定の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは関係委任都道府県知事に、それぞれ、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を届け出なければならない。
3 都道府県知事の指定に係る指定構造計算適合性判定機関は、構造計算適合性判定の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を委任都道府県知事に届け出なければならない。
4 委任都道府県知事は、前二項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(構造計算適合性判定員)

第七十七条の三十五の九 指定構造計算適合性判定機関は、構造計算適合性判定を行うときは、構造計算適合性判定員に構造計算適合性判定を実施させなければならない。
2 構造計算適合性判定員は、第七十七条の六十六第一項の登録を受けた者のうちから選任しなければならない。
3 指定構造計算適合性判定機関は、構造計算適合性判定員を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならない。
4 国土交通大臣等は、構造計算適合性判定員の在任により指定構造計算適合性判定機関が第七十七条の三十五の四第五号に掲げる基準に適合しなくなつたときは、指定構造計算適合性判定機関に対し、その構造計算適合性判定員を解任すべきことを命ずることができる。

(秘密保持義務等)

第七十七条の三十五の十 指定構造計算適合性判定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)及びその職員(構造計算適合性判定員を含む。次項において同じ。)並びにこれらの者であつた者は、構造計算適合性判定の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 指定構造計算適合性判定機関及びその職員で構造計算適合性判定の業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(構造計算適合性判定の義務)

第七十七条の三十五の十一 指定構造計算適合性判定機関は、構造計算適合性判定を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、構造計算適合性判定を行わなければならない。

(構造計算適合性判定業務規程)

第七十七条の三十五の十二 指定構造計算適合性判定機関は、構造計算適合性判定の業務に関する規程(以下この節において「構造計算適合性判定業務規程」という。)を定め、国土交通大臣等の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 構造計算適合性判定業務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣等は、第一項の認可をした構造計算適合性判定業務規程が構造計算適合性判定の公正かつ適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その構造計算適合性判定業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(業務区域等の掲示)

第七十七条の三十五の十三 指定構造計算適合性判定機関は、国土交通省令で定めるところにより、業務区域その他国土交通省令で定める事項を、その事務所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。

(帳簿の備付け等)

第七十七条の三十五の十四 指定構造計算適合性判定機関は、国土交通省令で定めるところにより、構造計算適合性判定の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
2 前項に定めるもののほか、指定構造計算適合性判定機関は、国土交通省令で定めるところにより、構造計算適合性判定の業務に関する書類で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。

(書類の閲覧)

第七十七条の三十五の十五 指定構造計算適合性判定機関は、国土交通省令で定めるところにより、構造計算適合性判定の業務を行う事務所に次に掲げる書類を備え置き、構造計算適合性判定を受けようとする者その他の関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
一 当該指定構造計算適合性判定機関の業務の実績を記載した書類
二 構造計算適合性判定員の氏名及び略歴を記載した書類
三 構造計算適合性判定の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講じている場合にあつては、その内容を記載した書類
四 その他指定構造計算適合性判定機関の業務及び財務に関する書類で国土交通省令で定めるもの

(監督命令)

第七十七条の三十五の十六 国土交通大臣等は、構造計算適合性判定の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定に係る指定構造計算適合性判定機関に対し、構造計算適合性判定の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
2 国土交通大臣等は、前項の規定による命令をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

(報告、検査等)

第七十七条の三十五の十七 国土交通大臣等又は委任都道府県知事は、構造計算適合性判定の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、国土交通大臣等にあつてはその指定に係る指定構造計算適合性判定機関に対し、委任都道府県知事にあつてはその構造計算適合性判定を行わせることとした指定構造計算適合性判定機関に対し、構造計算適合性判定の業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定構造計算適合性判定機関の事務所に立ち入り、構造計算適合性判定の業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 委任都道府県知事は、前項の規定による立入検査の結果、当該指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣の指定に係る者に限る。)が、構造計算適合性判定業務規程に違反する行為をし、又は構造計算適合性判定の業務に関し著しく不適当な行為をした事実があると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に報告しなければならない。
3 前項の規定による報告を受けた場合において、国土交通大臣は、必要に応じ、第七十七条の三十五の十九第二項の規定による構造計算適合性判定の業務の全部又は一部の停止命令その他の措置を講ずるものとする。
4 第十五条の二第二項及び第三項の規定は、第一項の場合について準用する。

(構造計算適合性判定の業務の休廃止等)

第七十七条の三十五の十八 指定構造計算適合性判定機関は、国土交通大臣等の許可を受けなければ、構造計算適合性判定の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 国土交通大臣は、指定構造計算適合性判定機関の構造計算適合性判定の業務の全部又は一部の休止又は廃止により構造計算適合性判定の業務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の許可をしてはならない。
3 国土交通大臣は、第一項の許可をしようとするときは、関係委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。
4 国土交通大臣等が第一項の規定により構造計算適合性判定の業務の全部の廃止を許可したときは、当該許可に係る指定は、その効力を失う。
5 国土交通大臣等は、第一項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の取消し等)

第七十七条の三十五の十九 国土交通大臣等は、その指定に係る指定構造計算適合性判定機関が第七十七条の三十五の三各号(第五号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 国土交通大臣等は、その指定に係る指定構造計算適合性判定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて構造計算適合性判定の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十八条の二第四項の規定により読み替えて適用される第六条の三第四項から第六項まで若しくは第十八条第七項から第九項までの規定又は第十八条の三第三項、第七十七条の三十五の五第二項、第七十七条の三十五の六第一項、第七十七条の三十五の八第二項若しくは第三項、第七十七条の三十五の九第一項から第三項まで、第七十七条の三十五の十一、第七十七条の三十五の十三から第七十七条の三十五の十五まで若しくは前条第一項の規定に違反したとき。
二 第七十七条の三十五の十二第一項の認可を受けた構造計算適合性判定業務規程によらないで構造計算適合性判定を行つたとき。
三 第七十七条の三十五の九第四項、第七十七条の三十五の十二第三項又は第七十七条の三十五の十六第一項の規定による命令に違反したとき。
四 第七十七条の三十五の四各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
五 構造計算適合性判定の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその業務に従事する構造計算適合性判定員若しくは法人にあつてはその役員が、構造計算適合性判定の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
六 不正な手段により指定を受けたとき。
3 国土交通大臣等は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により構造計算適合性判定の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示するとともに、国土交通大臣にあつては関係都道府県知事に通知しなければならない。

(構造計算適合性判定の委任の解除)

第七十七条の三十五の二十 委任都道府県知事は、指定構造計算適合性判定機関に構造計算適合性判定の全部又は一部を行わせないこととするときは、その六月前までに、その旨を指定構造計算適合性判定機関に通知しなければならない。
2 委任都道府県知事は、指定構造計算適合性判定機関に構造計算適合性判定の全部又は一部を行わせないこととしたときは、その旨を公示しなければならない。

(委任都道府県知事による構造計算適合性判定の実施)

第七十七条の三十五の二十一 委任都道府県知事は、指定構造計算適合性判定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第十八条の二第三項の規定にかかわらず、当該指定構造計算適合性判定機関が休止し、停止を命じられ、又は実施することが困難となつた構造計算適合性判定の業務のうち他の指定構造計算適合性判定機関によつて行われないものを自ら行うものとする。
一 第七十七条の三十五の十八第一項の規定により構造計算適合性判定の業務の全部又は一部を休止したとき。
二 第七十七条の三十五の十九第二項の規定により構造計算適合性判定の業務の全部又は一部の停止を命じられたとき。
三 天災その他の事由により構造計算適合性判定の業務の全部又は一部を実施することが困難となつた場合において委任都道府県知事が必要があると認めるとき。
2 委任都道府県知事は、前項の規定により構造計算適合性判定の業務を行い、又は同項の規定により行つている構造計算適合性判定の業務を行わないこととしようとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 委任都道府県知事が第一項の規定により構造計算適合性判定の業務を行うこととし、又は国土交通大臣等が第七十七条の三十五の六第一項の規定により業務区域の減少を認可し、第七十七条の三十五の十八第一項の規定により構造計算適合性判定の業務の廃止を許可し、若しくは第七十七条の三十五の十九第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における構造計算適合性判定の業務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

第四節 指定認定機関等



(指定)

第七十七条の三十六 第六十八条の二十四第一項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)は、認定等を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者を除く。)の申請により行う。
2 前項の申請は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める区分に従い、認定等の業務を行う区域(以下この節において「業務区域」という。)を定めてしなければならない。

(欠格条項)

第七十七条の三十七 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
一 未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 禁錮以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四 第七十七条の五十一第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消され、又は第七十七条の五十五第一項若しくは第二項の規定により承認を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
五 心身の故障により認定等の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
六 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

(指定の基準)

第七十七条の三十八 国土交通大臣は、指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 職員(第七十七条の四十二第一項の認定員を含む。第三号において同じ。)、設備、認定等の業務の実施の方法その他の事項についての認定等の業務の実施に関する計画が、認定等の業務の適確な実施のために適切なものであること。
二 前号の認定等の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
三 法人にあつては役員、第七十七条の二十第五号の国土交通省令で定める構成員又は職員の構成が、法人以外の者にあつてはその者及びその職員の構成が、認定等の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
四 認定等の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて認定等の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
五 前各号に定めるもののほか、認定等の業務を行うにつき十分な適格性を有するものであること。

(指定の公示等)

第七十七条の三十九 国土交通大臣は、指定をしたときは、指定を受けた者(以下この節、第九十七条の四及び第百条において「指定認定機関」という。)の名称及び住所、指定の区分、業務区域、認定等の業務を行う事務所の所在地並びに認定等の業務の開始の日を公示しなければならない。
2 指定認定機関は、その名称若しくは住所又は認定等の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
3 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(業務区域の変更)

第七十七条の四十 指定認定機関は、業務区域を増加し、又は減少しようとするときは、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
2 第七十七条の三十八第一号及び第二号の規定は、前項の許可について準用する。
3 国土交通大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の更新)

第七十七条の四十一 指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 第七十七条の三十六から第七十七条の三十八までの規定は、前項の指定の更新の場合について準用する。

(認定員)

第七十七条の四十二 指定認定機関は、認定等を行うときは、国土交通省令で定める方法に従い、認定員に認定等を実施させなければならない。
2 認定員は、建築技術に関して優れた識見を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定認定機関は、認定員を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4 国土交通大臣は、認定員が、第七十七条の四十五第一項の認可を受けた認定等業務規程に違反したとき、認定等の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその在任により指定認定機関が第七十七条の三十八第三号に掲げる基準に適合しなくなつたときは、指定認定機関に対し、その認定員を解任すべきことを命ずることができる。

(秘密保持義務等)

第七十七条の四十三 指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)及びその職員(認定員を含む。次項において同じ。)並びにこれらの者であつた者は、認定等の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 指定認定機関及びその職員で認定等の業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(認定等の義務)

第七十七条の四十四 指定認定機関は、認定等を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、認定等を行わなければならない。

(認定等業務規程)

第七十七条の四十五 指定認定機関は、認定等の業務に関する規程(以下この節において「認定等業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 認定等業務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣は、第一項の認可をした認定等業務規程が認定等の公正かつ適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その認定等業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(国土交通大臣への報告等)

第七十七条の四十六 指定認定機関は、認定等を行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に報告しなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の規定による報告を受けた場合において、指定認定機関が行つた型式適合認定を受けた型式が第一章、第二章(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)若しくは第三章の規定又はこれに基づく命令の規定に適合しないと認めるときは、当該型式適合認定を受けた者及び当該型式適合認定を行つた指定認定機関にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該型式適合認定は、その効力を失う。

(帳簿の備付け等)

第七十七条の四十七 指定認定機関は、国土交通省令で定めるところにより、認定等の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
2 前項に定めるもののほか、指定認定機関は、国土交通省令で定めるところにより、認定等の業務に関する書類で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。

(監督命令)

第七十七条の四十八 国土交通大臣は、認定等の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定認定機関に対し、認定等の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(報告、検査等)

第七十七条の四十九 国土交通大臣は、認定等の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定認定機関に対し認定等の業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定認定機関の事務所に立ち入り、認定等の業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 第十五条の二第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

(認定等の業務の休廃止等)

第七十七条の五十 指定認定機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、認定等の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 国土交通大臣が前項の規定により認定等の業務の全部の廃止を許可したときは、当該許可に係る指定は、その効力を失う。
3 国土交通大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の取消し等)

第七十七条の五十一 国土交通大臣は、指定認定機関が第七十七条の三十七各号(第四号を除く。)の一に該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 国土交通大臣は、指定認定機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて認定等の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第七十七条の三十九第二項、第七十七条の四十第一項、第七十七条の四十二第一項から第三項まで、第七十七条の四十四、第七十七条の四十六第一項、第七十七条の四十七又は前条第一項の規定に違反したとき。
二 第七十七条の四十五第一項の認可を受けた認定等業務規程によらないで認定等を行つたとき。
三 第七十七条の四十二第四項、第七十七条の四十五第三項又は第七十七条の四十八の規定による命令に違反したとき。
四 第七十七条の三十八各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
五 認定等の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその業務に従事する認定員若しくは法人にあつてはその役員が、認定等の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
六 不正な手段により指定を受けたとき。
3 国土交通大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定による認定等の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

(国土交通大臣による認定等の実施)

第七十七条の五十二 国土交通大臣は、指定認定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第六十八条の二十四第二項の規定にかかわらず、当該指定認定機関が休止し、停止を命じられ、又は実施することが困難となつた認定等の業務のうち他の指定認定機関によつて行われないものを自ら行うものとする。
一 第七十七条の五十第一項の規定により認定等の業務の全部又は一部を休止したとき。
二 前条第二項の規定により認定等の業務の全部又は一部の停止を命じられたとき。
三 天災その他の事由により認定等の業務の全部又は一部を実施することが困難となつた場合において国土交通大臣が必要があると認めるとき。
2 国土交通大臣は、前項の規定により認定等の業務を行い、又は同項の規定により行つている認定等の業務を行わないこととしようとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 国土交通大臣が、第一項の規定により認定等の業務を行うこととし、第七十七条の四十第一項の規定により業務区域の減少を許可し、第七十七条の五十第一項の規定により認定等の業務の廃止を許可し、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における認定等の業務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

(審査請求)

第七十七条の五十三 この法律の規定による指定認定機関の行う処分又はその不作為については、国土交通大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、国土交通大臣は、行政不服審査法第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定認定機関の上級行政庁とみなす。

(承認)

第七十七条の五十四 第六十八条の二十四第三項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による承認は、認定等を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者に限る。)の申請により行う。
2 第七十七条の三十六第二項の規定は前項の申請に、第七十七条の三十七、第七十七条の三十八、第七十七条の三十九第一項及び第七十七条の四十一の規定は第六十八条の二十四第三項の規定による承認に、第七十七条の二十二(第三項後段を除く。)、第七十七条の三十四、第七十七条の三十九第二項及び第三項、第七十七条の四十二、第七十七条の四十四、第七十七条の四十五、第七十七条の四十六第一項並びに第七十七条の四十七から第七十七条の四十九までの規定は第六十八条の二十四第三項の規定による承認を受けた者(以下この条、次条及び第九十七条の四において「承認認定機関」という。)に、第七十七条の四十六第二項の規定は承認認定機関が行つた認定等について準用する。この場合において、第七十七条の二十二第一項、第二項及び第四項並びに第七十七条の三十四第一項及び第三項中「国土交通大臣等」とあるのは「国土交通大臣」と、第七十七条の二十二第三項前段中「第七十七条の十八第三項及び第七十七条の二十第一号から第四号までの規定」とあるのは「第七十七条の三十八第一号及び第二号の規定」と、第七十七条の四十二第四項及び第七十七条の四十五第三項中「命ずる」とあるのは「請求する」と、第七十七条の四十八中「命令」とあるのは「請求」と読み替えるものとする。

(承認の取消し等)

第七十七条の五十五 国土交通大臣は、承認認定機関が前条第二項において準用する第七十七条の三十七各号(第四号を除く。)の一に該当するに至つたときは、その承認を取り消さなければならない。
2 国土交通大臣は、承認認定機関が次の各号の一に該当するときは、その承認を取り消すことができる。
一 前条第二項において準用する第七十七条の二十二第一項若しくは第二項、第七十七条の三十四第一項、第七十七条の三十九第二項、第七十七条の四十二第一項から第三項まで、第七十七条の四十四、第七十七条の四十六第一項又は第七十七条の四十七の規定に違反したとき。
二 前条第二項において準用する第七十七条の四十五第一項の認可を受けた認定等業務規程によらないで認定等を行つたとき。
三 前条第二項において準用する第七十七条の四十二第四項、第七十七条の四十五第三項又は第七十七条の四十八の規定による請求に応じなかつたとき。
四 前条第二項において準用する第七十七条の三十八各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
五 認定等の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその業務に従事する認定員若しくは法人にあつてはその役員が、認定等の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
六 不正な手段により承認を受けたとき。
七 国土交通大臣が、承認認定機関が前各号の一に該当すると認めて、期間を定めて認定等の業務の全部又は一部の停止の請求をした場合において、その請求に応じなかつたとき。
八 前条第二項において準用する第七十七条の四十九第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
九 前条第二項において準用する第七十七条の四十九第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
十 次項の規定による費用の負担をしないとき。
3 前条第二項において準用する第七十七条の四十九第一項の規定による検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける承認認定機関の負担とする。

第五節 指定性能評価機関等



(指定性能評価機関)

第七十七条の五十六 第六十八条の二十五第三項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による指定は、第六十八条の二十五第三項の評価(以下「性能評価」という。)を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者を除く。)の申請により行う。
2 第七十七条の三十六第二項の規定は前項の申請に、第七十七条の三十七、第七十七条の三十八、第七十七条の三十九第一項及び第七十七条の四十一の規定は第六十八条の二十五第三項の規定による指定に、第七十七条の三十九第二項及び第三項、第七十七条の四十、第七十七条の四十二から第七十七条の四十五まで並びに第七十七条の四十七から第七十七条の五十二までの規定は前項の規定による指定を受けた者(以下この条、第九十七条の四及び第百条において「指定性能評価機関」という。)に、第七十七条の五十三の規定は指定性能評価機関の行う性能評価又はその不作為について準用する。この場合において、第七十七条の三十八第一号、第七十七条の四十二、第七十七条の四十三第一項及び第七十七条の五十一第二項第五号中「認定員」とあるのは「評価員」と、同項第一号中「第七十七条の四十六第一項、第七十七条の四十七」とあるのは「第七十七条の四十七」と、第七十七条の五十三中「処分」とあるのは「処分(性能評価の結果を除く。)」と読み替えるものとする。

(承認性能評価機関)

第七十七条の五十七 第六十八条の二十五第六項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による承認は、性能評価を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者に限る。)の申請により行う。
2 第七十七条の三十六第二項の規定は前項の申請に、第七十七条の三十七、第七十七条の三十八、第七十七条の三十九第一項及び第七十七条の四十一の規定は第六十八条の二十五第六項の規定による承認に、第七十七条の二十二(第三項後段を除く。)、第七十七条の三十四、第七十七条の三十九第二項及び第三項、第七十七条の四十二、第七十七条の四十四、第七十七条の四十五、第七十七条の四十七から第七十七条の四十九まで並びに第七十七条の五十五の規定は第六十八条の二十五第六項の規定による承認を受けた者(第九十七条の四において「承認性能評価機関」という。)について準用する。この場合において、第七十七条の二十二第一項、第二項及び第四項並びに第七十七条の三十四第一項及び第三項中「国土交通大臣等」とあるのは「国土交通大臣」と、第七十七条の二十二第三項前段中「第七十七条の十八第三項及び第七十七条の二十第一号から第四号までの規定」とあるのは「第七十七条の三十八第一号及び第二号の規定」と、第七十七条の三十八第一号、第七十七条の四十二及び第七十七条の五十五第二項第五号中「認定員」とあるのは「評価員」と、第七十七条の四十二第四項及び第七十七条の四十五第三項中「命ずる」とあるのは「請求する」と、第七十七条の四十八中「命令」とあるのは「請求」と、第七十七条の五十五第二項第一号中「、第七十七条の四十六第一項又は第七十七条の四十七」とあるのは「又は第七十七条の四十七」と読み替えるものとする。

第四章の三 建築基準適合判定資格者等の登録



第一節 建築基準適合判定資格者の登録



(登録)

第七十七条の五十八 建築基準適合判定資格者検定に合格した者は、国土交通大臣の登録を受けることができる。
2 前項の登録は、国土交通大臣が建築基準適合判定資格者登録簿に、氏名、生年月日、住所その他の国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。

(欠格条項)

第七十七条の五十九 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の登録を受けることができない。
一 未成年者
二 禁錮以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定若しくは建築士法の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
三 第七十七条の六十二第一項第四号又は第二項第三号から第五号までの規定により前条第一項の登録を消除され、その消除の日から起算して五年を経過しない者
四 第七十七条の六十二第二項第三号から第五号までの規定により確認検査の業務を行うことを禁止され、その禁止の期間中に同条第一項第一号の規定により前条第一項の登録を消除され、まだその期間が経過しない者
五 建築士法第七条第四号に該当する者
六 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過しない者 第七十七条の五十九の二 国土交通大臣は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものについては、第七十七条の五十八第一項の登録をしないことができる。

(変更の登録)

第七十七条の六十 第七十七条の五十八第一項の登録を受けている者(次条及び第七十七条の六十二第二項において「建築基準適合判定資格者」という。)は、当該登録を受けている事項で国土交通省令で定めるものに変更があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、変更の登録を申請しなければならない。

(死亡等の届出)

第七十七条の六十一 建築基準適合判定資格者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める者は、当該建築基準適合判定資格者が当該各号に該当するに至つた日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。
一 死亡したとき 相続人
二 第七十七条の五十九第二号、第五号又は第六号に該当するに至つたとき 本人
三 心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない場合に該当するものとして国土交通省令で定める場合に該当するに至つたとき 本人又はその法定代理人若しくは同居の親族

(登録の消除等)

第七十七条の六十二 国土交通大臣は、次の各号のいずれかに掲げる場合は、第七十七条の五十八第一項の登録を消除しなければならない。
一 本人から登録の消除の申請があつたとき。
二 前条(第三号に係る部分を除く。次号において同じ。)の規定による届出があつたとき。
三 前条の規定による届出がなくて同条第一号又は第二号に該当する事実が判明したとき。
四 不正な手段により登録を受けたとき。
五 第五条第六項又は第五条の二第二項の規定により、建築基準適合判定資格者検定の合格の決定を取り消されたとき。
2 国土交通大臣は、建築基準適合判定資格者が次の各号のいずれかに該当するときは、一年以内の期間を定めて確認検査の業務を行うことを禁止し、又はその登録を消除することができる。
一 前条(第三号に係る部分に限る。次号において同じ。)の規定による届出があつたとき。
二 前条の規定による届出がなくて同条第三号に該当する事実が判明したとき。
三 第十八条の三第三項の規定に違反して、確認審査等を実施したとき。
四 第七十七条の二十七第一項の認可を受けた確認検査業務規程に違反したとき。
五 確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
3 国土交通大臣は、前二項の規定による処分をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

(都道府県知事の経由)

第七十七条の六十三 第七十七条の五十八第一項の登録の申請、登録証の交付、訂正、再交付及び返納その他の同項の登録に関する国土交通大臣への書類の提出は、住所地又は勤務地の都道府県知事を経由して行わなければならない。
2 登録証の交付及び再交付その他の第七十七条の五十八第一項の登録に関する国土交通大臣の書類の交付は、住所地又は勤務地の都道府県知事を経由して行うものとする。

(国土交通省令への委任)

第七十七条の六十四 第七十七条の五十八から前条までに規定するもののほか、第七十七条の五十八第一項の登録の申請、登録証の交付、訂正、再交付及び返納その他の同項の登録に関する事項は、国土交通省令で定める。

(手数料)

第七十七条の六十五 第七十七条の五十八第一項の登録又は登録証の訂正若しくは再交付の申請をしようとする者(市町村又は都道府県の職員である者を除く。)は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。

第二節 構造計算適合判定資格者の登録

第七十七条の六十六 構造計算適合判定資格者検定に合格した者又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者として国土交通省令で定める者は、国土交通大臣の登録を受けることができる。
2 第七十七条の五十八第二項、第七十七条の五十九、第七十七条の五十九の二、第七十七条の六十二第一項及び第三項(同条第一項に係る部分に限る。)並びに第七十七条の六十三から前条までの規定は前項の登録に、第七十七条の六十、第七十七条の六十一並びに第七十七条の六十二第二項及び第三項(同条第二項に係る部分に限る。)の規定は前項の登録を受けている者について準用する。この場合において、第七十七条の五十九第四号、第七十七条の五十九の二、第七十七条の六十一第三号及び第七十七条の六十二第二項第五号中「確認検査」とあるのは「構造計算適合性判定」と、同条第一項第五号中「第五条第六項又は第五条の二第二項」とあるのは「第五条の四第五項において準用する第五条第六項又は第五条の五第二項において準用する第五条の二第二項」と、同条第二項中「定めて確認検査」とあるのは「定めて構造計算適合性判定」と、同項第四号中「第七十七条の二十七第一項」とあるのは「第七十七条の三十五の十二第一項」と、「確認検査業務規程」とあるのは「構造計算適合性判定業務規程」と、前条中「者(市町村又は都道府県の職員である者を除く。)」とあるのは「者」と読み替えるものとする。

第五章 建築審査会



(建築審査会)

第七十八条 この法律に規定する同意及び第九十四条第一項前段の審査請求に対する裁決についての議決を行わせるとともに、特定行政庁の諮問に応じて、この法律の施行に関する重要事項を調査審議させるために、建築主事を置く市町村及び都道府県に、建築審査会を置く。
2 建築審査会は、前項に規定する事務を行う外、この法律の施行に関する事項について、関係行政機関に対し建議することができる。

(建築審査会の組織)

第七十九条 建築審査会は、委員五人以上をもつて組織する。
2 委員は、法律、経済、建築、都市計画、公衆衛生又は行政に関しすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、市町村長又は都道府県知事が任命する。

(委員の欠格条項)

第八十条 次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

(委員の解任)

第八十条の二 市町村長又は都道府県知事は、それぞれその任命に係る委員が前条各号のいずれかに該当するに至つた場合においては、その委員を解任しなければならない。
2 市町村長又は都道府県知事は、それぞれその任命に係る委員が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その委員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められる場合
二 職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められる場合

(会長)

第八十一条 建築審査会に会長を置く。会長は、委員が互選する。
2 会長は、会務を総理し、建築審査会を代表する。
3 会長に事故があるときは、委員のうちからあらかじめ互選された者が、その職務を代理する。

(委員の除斥)

第八十二条 委員は、自己又は三親等以内の親族の利害に関係のある事件については、この法律に規定する同意又は第九十四条第一項前段の審査請求に対する裁決に関する議事に加わることができない。

(条例への委任)

第八十三条 この章に規定するものを除くほか、建築審査会の組織、議事並びに委員の任期、報酬及び費用弁償その他建築審査会に関して必要な事項は、条例で定める。この場合において、委員の任期については、国土交通省令で定める基準を参酌するものとする。

第六章 雑則



(被災市街地における建築制限)

第八十四条 特定行政庁は、市街地に災害のあつた場合において都市計画又は土地区画整理法による土地区画整理事業のため必要があると認めるときは、区域を指定し、災害が発生した日から一月以内の期間を限り、その区域内における建築物の建築を制限し、又は禁止することができる。
2 特定行政庁は、更に一月を超えない範囲内において前項の期間を延長することができる。

(簡易な構造の建築物に対する制限の緩和)

第八十四条の二 壁を有しない自動車車庫、屋根を帆布としたスポーツの練習場その他の政令で指定する簡易な構造の建築物又は建築物の部分で、政令で定める基準に適合するものについては、第二十二条から第二十六条まで、第二十七条第一項及び第三項、第三十五条の二、第六十一条、第六十二条並びに第六十七条第一項の規定は、適用しない。

(仮設建築物に対する制限の緩和)

第八十五条 非常災害があつた場合において、非常災害区域等(非常災害が発生した区域又はこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するものをいう。第八十七条の三第一項において同じ。)内においては、災害により破損した建築物の応急の修繕又は次の各号のいずれかに該当する応急仮設建築物の建築でその災害が発生した日から一月以内にその工事に着手するものについては、建築基準法令の規定は、適用しない。ただし、防火地域内に建築する場合については、この限りでない。
一 国、地方公共団体又は日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
二 被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積が三十平方メートル以内のもの
2 災害があつた場合において建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物又は工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物については、第六条から第七条の六まで、第十二条第一項から第四項まで、第十五条、第十八条(第二十五項を除く。)、第十九条、第二十一条から第二十三条まで、第二十六条、第三十一条、第三十三条、第三十四条第二項、第三十五条、第三十六条(第十九条、第二十一条、第二十六条、第三十一条、第三十三条、第三十四条第二項及び第三十五条に係る部分に限る。)、第三十七条、第三十九条及び第四十条の規定並びに第三章の規定は、適用しない。ただし、防火地域又は準防火地域内にある延べ面積が五十平方メートルを超えるものについては、第六十二条の規定の適用があるものとする。
3 前二項の応急仮設建築物を建築した者は、その建築工事を完了した後三月を超えて当該建築物を存続させようとする場合においては、その超えることとなる日前に、特定行政庁の許可を受けなければならない。ただし、当該許可の申請をした場合において、その超えることとなる日前に当該申請に対する処分がされないときは、当該処分がされるまでの間は、なお当該建築物を存続させることができる。
4 特定行政庁は、前項の許可の申請があつた場合において、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、二年以内の期間を限つて、その許可をすることができる。
5 特定行政庁は、被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足することその他の理由により前項に規定する期間を超えて使用する特別の必要がある応急仮設建築物について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、同項の規定にかかわらず、更に一年を超えない範囲内において同項の規定による許可の期間を延長することができる。被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足することその他の理由により当該延長に係る期間を超えて使用する特別の必要がある応急仮設建築物についても、同様とする。
6 特定行政庁は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物(次項及び第百一条第一項第十号において「仮設興行場等」という。)について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合においては、一年以内の期間(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に代えて必要となる仮設店舗その他の仮設建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、第十二条第一項から第四項まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十一条、第三十四条第二項、第三十五条の二、第三十五条の三及び第三十七条の規定並びに第三章の規定は、適用しない。
7 特定行政庁は、国際的な規模の会議又は競技会の用に供することその他の理由により一年を超えて使用する特別の必要がある仮設興行場等について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、前項の規定にかかわらず、当該仮設興行場等の使用上必要と認める期間を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、同項後段の規定を準用する。
8 特定行政庁は、第五項の規定により許可の期間を延長する場合又は前項の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。ただし、官公署、病院、学校その他の公益上特に必要なものとして国土交通省令で定める用途に供する応急仮設建築物について第五項の規定により許可の期間を延長する場合は、この限りでない。

(景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和)

第八十五条の二 景観法第十九条第一項の規定により景観重要建造物として指定された建築物のうち、良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において保存すべきものについては、市町村は、同法第二十二条及び第二十五条の規定の施行のため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第二十一条から第二十五条まで、第二十八条、第四十三条、第四十四条、第四十七条、第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十八条、第六十一条、第六十二条、第六十七条第一項及び第五項から第七項まで並びに第六十八条第一項及び第二項の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。

(伝統的建造物群保存地区内の制限の緩和)

第八十五条の三 文化財保護法第百四十三条第一項又は第二項の伝統的建造物群保存地区内においては、市町村は、同条第一項後段(同条第二項後段において準用する場合を含む。)の条例において定められた現状変更の規制及び保存のための措置を確保するため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第二十一条から第二十五条まで、第二十八条、第四十三条、第四十四条、第五十二条、第五十三条、第五十五条、第五十六条、第六十一条、第六十二条及び第六十七条第一項の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。

(一の敷地とみなすこと等による制限の緩和)

第八十六条 建築物の敷地又は建築物の敷地以外の土地で二以上のものが一団地を形成している場合において、当該一団地(その内に第八項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。以下この項、第六項及び第七項において同じ。)内において建築、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下この条及び第八十六条の四において「建築等」という。)をする一又は二以上の構えを成す建築物(二以上の構えを成すものにあつては、総合的設計によつて建築等をするものに限る。以下この項及び第三項において「一又は二以上の建築物」という。)について、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁が当該一又は二以上の建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該一又は二以上の建築物に対する第二十三条、第四十三条、第五十二条第一項から第十四項まで、第五十三条第一項若しくは第二項、第五十四条第一項、第五十五条第二項、第五十六条第一項から第四項まで、第六項若しくは第七項、第五十六条の二第一項から第三項まで、第五十七条の二、第五十七条の三第一項から第四項まで、第五十九条第一項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項、第六十条の二の二第一項、第六十条の三第一項、第六十一条又は第六十八条の三第一項から第三項までの規定(次項から第四項までにおいて「特例対象規定」という。)の適用については、当該一団地を当該一又は二以上の建築物の一の敷地とみなす。
2 一定の一団の土地の区域(その内に第八項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。以下この項及び第六項において同じ。)内に現に存する建築物の位置及び構造を前提として、安全上、防火上及び衛生上必要な国土交通省令で定める基準に従い総合的見地からした設計によつて当該区域内において建築物の建築等をする場合において、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該区域内における各建築物に対する特例対象規定の適用については、当該一定の一団の土地の区域をこれらの建築物の一の敷地とみなす。
3 建築物の敷地又は建築物の敷地以外の土地で二以上のものが、政令で定める空地を有し、かつ、面積が政令で定める規模以上である一団地を形成している場合において、当該一団地(その内に第八項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。以下この項、第六項、第七項及び次条第八項において同じ。)内において建築等をする一又は二以上の建築物について、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁が、当該一又は二以上の建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造について、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したときは、当該一又は二以上の建築物に対する特例対象規定(第五十九条の二第一項を除く。)の適用について、当該一団地を当該一又は二以上の建築物の一の敷地とみなすとともに、当該一又は二以上の建築物の各部分の高さ又は容積率を、その許可の範囲内において、第五十五条第一項の規定又は当該一団地を一の敷地とみなして適用する第五十二条第一項から第九項まで、第五十六条若しくは第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。
4 その面積が政令で定める規模以上である一定の一団の土地の区域(その内に第八項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。以下この項、第六項及び次条第八項において同じ。)内に現に存する建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造を前提として、安全上、防火上及び衛生上必要な国土交通省令で定める基準に従い総合的見地からした設計によつて当該区域内において建築物の建築等をし、かつ、当該区域内に政令で定める空地を有する場合において、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁が、その建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造について、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したときは、当該区域内における各建築物に対する特例対象規定(第五十九条の二第一項を除く。)の適用について、当該一定の一団の土地の区域をこれらの建築物の一の敷地とみなすとともに、当該建築等をする建築物の各部分の高さ又は容積率を、その許可の範囲内において、第五十五条第一項の規定又は当該一定の一団の土地の区域を一の敷地とみなして適用する第五十二条第一項から第九項まで、第五十六条若しくは第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。
5 第四十四条第二項の規定は、前二項の規定による許可をする場合に準用する。
6 第一項から第四項までの規定による認定又は許可を申請する者は、国土交通省令で定めるところにより、対象区域(第一項若しくは第三項の一団地又は第二項若しくは第四項の一定の一団の土地の区域をいう。以下同じ。)内の建築物の位置及び構造に関する計画を策定して提出するとともに、その者以外に当該対象区域の内にある土地について所有権又は借地権を有する者があるときは、当該計画について、あらかじめ、これらの者の同意を得なければならない。
7 第一項又は第三項の場合において、次に掲げる条件に該当する地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域内の建築物については、一団地内に二以上の構えを成す建築物の総合的設計による建築等を工区を分けて行うことができる。
一 地区整備計画等(集落地区整備計画を除く。)が定められている区域のうち、次に掲げる事項が定められている区域であること。
イ 地区施設等の配置及び規模
ロ 壁面の位置の制限(地区施設等に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)
二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号ロに掲げる事項に関する制限が定められている区域であること。
8 特定行政庁は、第一項から第四項までの規定による認定又は許可をしたときは、遅滞なく、当該認定又は許可に係る第六項の計画に関して、対象区域その他国土交通省令で定める事項を公告するとともに、対象区域、建築物の位置その他国土交通省令で定める事項を表示した図書をその事務所に備えて、一般の縦覧に供さなければならない。
9 第一項から第四項までの規定による認定又は許可は、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
10 第八項の規定により公告された対象区域(以下「公告対象区域」という。)の全部を含む土地の区域内の建築物の位置及び構造について第一項から第四項までの規定による認定又は許可の申請があつた場合において、特定行政庁が当該申請に係る第一項若しくは第二項の規定による認定(以下この項において「新規認定」という。)又は第三項若しくは第四項の規定による許可(以下この項において「新規許可」という。)をしたときは、当該公告対象区域内の建築物の位置及び構造についての第一項若しくは第二項若しくは次条第一項の規定による従前の認定又は第三項若しくは第四項若しくは次条第二項若しくは第三項の規定による従前の許可は、新規認定又は新規許可に係る第八項の規定による公告があつた日から将来に向かつて、その効力を失う。

(公告認定対象区域内における建築物の位置及び構造の認定等)

第八十六条の二 公告認定対象区域(前条第一項又は第二項の規定による認定に係る公告対象区域をいう。以下同じ。)内において、同条第一項又は第二項の規定により一の敷地内にあるものとみなされる建築物(以下「一敷地内認定建築物」という。)以外の建築物を新築し、又は一敷地内認定建築物について増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替(位置又は構造の変更を伴うものに限る。以下この項から第三項までにおいて「増築等」という。)をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、当該新築又は増築等に係る建築物の位置及び構造が当該公告認定対象区域内の他の一敷地内認定建築物の位置及び構造との関係において安全上、防火上及び衛生上支障がない旨の特定行政庁の認定を受けなければならない。
2 面積が政令で定める規模以上である公告認定対象区域内において、一敷地内認定建築物以外の建築物を新築し、又は一敷地内認定建築物について増築等をしようとする場合(当該区域内に政令で定める空地を有することとなる場合に限る。)において、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁が、当該新築又は増築等に係る建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造について、他の一敷地内認定建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造との関係において、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したときは、当該新築又は増築等に係る建築物の各部分の高さ又は容積率を、その許可の範囲内において、第五十五条第一項の規定又は当該公告認定対象区域を一の敷地とみなして適用される第五十二条第一項から第九項まで、第五十六条若しくは第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。この場合において、前項の規定は、適用しない。
3 公告許可対象区域(前条第三項又は第四項の規定による許可に係る公告対象区域をいう。以下同じ。)内において、同条第三項又は第四項の規定により一の敷地内にあるものとみなされる建築物(以下「一敷地内許可建築物」という。)以外の建築物を新築し、又は一敷地内許可建築物について増築等をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁の許可を受けなければならない。この場合において、特定行政庁は、当該新築又は増築等に係る建築物が、その位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造について、他の一敷地内許可建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造との関係において、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、市街地の環境の整備改善を阻害することがないと認めるとともに、当該区域内に同条第三項又は第四項の政令で定める空地を維持することとなると認める場合に限り、許可するものとする。
4 第二項の規定による許可を申請する者は、その者以外に公告認定対象区域内にある土地について所有権又は借地権を有する者があるときは、建築物に関する計画について、あらかじめ、これらの者の同意を得なければならない。
5 第四十四条第二項の規定は、第二項又は第三項の規定による許可をする場合に準用する。
6 特定行政庁は、第一項から第三項までの規定による認定又は許可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、前条第八項の図書の表示する事項について所要の変更をしなければならない。
7 前条第九項の規定は、第一項から第三項までの規定による認定又は許可について準用する。
8 公告対象区域内の第一項の規定による認定又は第二項若しくは第三項の規定による許可を受けた建築物及び当該建築物以外の当該公告対象区域内の建築物については、それぞれ、前条第一項若しくは第二項の規定又は同条第三項若しくは第四項(第二項の規定による許可に係るものにあつては、同条第三項又は第四項中一団地又は一定の一団の土地の区域を一の敷地とみなす部分に限る。)の規定を準用する。
9 公告認定対象区域内に第一項の規定による認定を受けた建築物がある場合における同項又は第二項の規定の適用については、当該建築物を一敷地内認定建築物とみなす。
10 第二項の規定による許可に係る第六項の公告があつた公告認定対象区域は、その日以後は、公告許可対象区域とみなす。
11 前項に規定する公告許可対象区域内における第三項の規定の適用については、第二項の規定による許可を受けた建築物及び当該建築物以外の当該公告許可対象区域内の建築物を一敷地内許可建築物とみなす。
12 公告許可対象区域内に第三項の規定による許可を受けた建築物がある場合における同項の規定の適用については、当該建築物を一敷地内許可建築物とみなす。

(一の敷地内にあるとみなされる建築物に対する高度利用地区等内における制限の特例)

第八十六条の三 第八十六条第一項から第四項まで(これらの規定を前条第八項において準用する場合を含む。)の規定により一の敷地内にあるものとみなされる建築物は、第五十九条第一項、第六十条の二第一項又は第六十条の三第一項の規定を適用する場合においては、これを一の建築物とみなす。

(一の敷地内にあるとみなされる建築物に対する外壁の開口部に対する制限の特例)

第八十六条の四 次の各号のいずれかに該当する建築物について第二十七条第二項若しくは第三項又は第六十七条第一項の規定を適用する場合においては、第一号イに該当する建築物は耐火建築物と、同号ロに該当する建築物は準耐火建築物とみなす。
一 第八十六条第一項又は第三項の規定による認定又は許可を受けて建築等をする建築物で、次のいずれかに該当するもの
イ 第二条第九号の二イに該当するもの
ロ 第二条第九号の三イ又はロのいずれかに該当するもの
二 第八十六条第二項又は第四項の規定による認定又は許可を受けて建築等をする建築物で、前号イ又はロのいずれかに該当するもの(当該認定又は許可に係る公告対象区域内に現に存する建築物が、同号イ又はロのいずれかに該当するものである場合に限る。)
三 第八十六条の二第一項から第三項までの規定による認定又は許可を受けて建築等をする建築物で、第一号イ又はロのいずれかに該当するもの(当該認定又は許可に係る公告対象区域内の他の一敷地内認定建築物又は一敷地内許可建築物が、同号イ又はロのいずれかに該当するものである場合に限る。)

(一の敷地とみなすこと等の認定又は許可の取消し)

第八十六条の五 公告対象区域内の土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、当該公告対象区域内の建築物に係る第八十六条第一項若しくは第二項若しくは第八十六条の二第一項の規定による認定又は第八十六条第三項若しくは第四項若しくは第八十六条の二第二項若しくは第三項の規定による許可の取消しを特定行政庁に申請することができる。
2 前項の規定による認定の取消しの申請を受けた特定行政庁は、当該申請に係る公告認定対象区域内の建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該申請に係る認定を取り消すものとする。
3 第一項の規定による許可の取消しの申請を受けた特定行政庁は、当該申請に係る公告許可対象区域内の建築物の位置及び建蔽率、容積率、各部分の高さその他の構造について、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、市街地の環境の整備改善を阻害することがないと認めるときは、当該申請に係る許可を取り消すものとする。
4 特定行政庁は、前二項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
5 第二項又は第三項の規定による取消しは、前項の規定による公告によつて、その効力を生ずる。
6 前二項に定めるもののほか、第二項又は第三項の規定による認定又は許可の取消しについて必要な事項は、国土交通省令で定める。

(総合的設計による一団地の住宅施設についての制限の特例)

第八十六条の六 一団地の住宅施設に関する都市計画を定める場合においては、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域については、第五十二条第一項第一号に規定する容積率、第五十三条第一項第一号に規定する建蔽率、第五十四条第二項に規定する外壁の後退距離及び第五十五条第一項に規定する建築物の高さと異なる容積率、建蔽率、距離及び高さの基準を定めることができる。
2 前項の都市計画に基づき建築物を総合的設計によつて建築する場合において、当該建築物が同項の規定により当該都市計画に定められた基準に適合しており、かつ、特定行政庁がその各建築物の位置及び構造が当該第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の住居の環境の保護に支障がないと認めるときは、当該建築物については、第五十二条第一項第一号、第五十三条第一項第一号、第五十四条第一項及び第五十五条第一項の規定は、適用しない。

(既存の建築物に対する制限の緩和)

第八十六条の七 第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。以下この条、次条、第八十七条及び第八十七条の二において同じ。)の規定により第二十条、第二十六条、第二十七条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第三十条、第三十四条第二項、第四十七条、第四十八条第一項から第十四項まで、第五十一条、第五十二条第一項、第二項若しくは第七項、第五十三条第一項若しくは第二項、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項、第五十七条の四第一項、第五十七条の五第一項、第五十八条第一項、第五十九条第一項若しくは第二項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十条の二第一項若しくは第二項、第六十条の二の二第一項から第三項まで、第六十条の三第一項若しくは第二項、第六十一条、第六十七条第一項若しくは第五項から第七項まで又は第六十八条第一項若しくは第二項の規定の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下この条及び次条において「増築等」という。)をする場合(第三条第二項の規定により第二十条の規定の適用を受けない建築物について当該政令で定める範囲内において増築又は改築をする場合にあつては、当該増築又は改築後の建築物の構造方法が政令で定める基準に適合する場合に限る。)においては、第三条第三項(第三号及び第四号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定にかかわらず、これらの規定は、適用しない。
2 第三条第二項の規定により第二十条又は第三十五条(同条の技術的基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。以下この項及び第八十七条第四項において同じ。)の規定の適用を受けない建築物であつて、第二十条又は第三十五条に規定する基準の適用上一の建築物であつても別の建築物とみなすことができる部分として政令で定める部分(以下この項において「独立部分」という。)が二以上あるものについて増築等をする場合においては、第三条第三項の規定にかかわらず、当該増築等をする独立部分以外の独立部分に対しては、これらの規定は、適用しない。
3 第三条第二項の規定により第二十八条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第二十九条から第三十二条まで、第三十四条第一項、第三十五条の三又は第三十六条(防火壁、防火床、防火区画、消火設備及び避雷設備の設置及び構造に係る部分を除く。)の規定の適用を受けない建築物について増築等をする場合においては、第三条第三項の規定にかかわらず、当該増築等をする部分以外の部分に対しては、これらの規定は、適用しない。
4 第三条第二項の規定により建築基準法令の規定の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において移転をする場合においては、同条第三項の規定にかかわらず、建築基準法令の規定は、適用しない。

(既存の一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合の制限の緩和)

第八十六条の八 第三条第二項の規定によりこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けない一の建築物について二以上の工事に分けて増築等を含む工事を行う場合において、特定行政庁が当該二以上の工事の全体計画が次に掲げる基準に適合すると認めたときにおける同項及び同条第三項の規定の適用については、同条第二項中「建築、修繕若しくは模様替の工事中の」とあるのは「第八十六条の八第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事の工事中若しくはこれらの工事の間の」と、同条第三項中「適用しない」とあるのは「適用しない。ただし、第三号又は第四号に該当するものにあつては、第八十六条の八第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事のうち最後の工事に着手するまでは、この限りでない」と、同項第三号中「工事」とあるのは「最初の工事」と、「増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替」とあるのは「第八十六条の八第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事」とする。
一 一の建築物の増築等を含む工事を二以上の工事に分けて行うことが当該建築物の利用状況その他の事情によりやむを得ないものであること。
二 全体計画に係る全ての工事の完了後において、当該全体計画に係る建築物及び建築物の敷地が建築基準法令の規定に適合することとなること。
三 全体計画に係るいずれの工事の完了後においても、当該全体計画に係る建築物及び建築物の敷地について、交通上の支障、安全上、防火上及び避難上の危険性並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害性が増大しないものであること。
2 前項の認定の申請の手続その他当該認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
3 第一項の認定を受けた全体計画に係る工事の建築主(以下この条において「認定建築主」という。)は、当該認定を受けた全体計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、特定行政庁の認定を受けなければならない。前二項の規定は、この場合に準用する。
4 特定行政庁は、認定建築主に対し、第一項の認定を受けた全体計画(前項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。次項において同じ。)に係る工事の状況について報告を求めることができる。
5 特定行政庁は、認定建築主が第一項の認定を受けた全体計画に従つて工事を行つていないと認めるときは、当該認定建築主に対し、相当の猶予期限を付けて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
6 特定行政庁は、認定建築主が前項の命令に違反したときは、第一項又は第三項の認定を取り消すことができる。

(公共事業の施行等による敷地面積の減少についての第三条等の規定の準用)

第八十六条の九 第三条第二項及び第三項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、次に掲げる事業の施行の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地が、当該事業の施行によるこれらの建築物の敷地面積の減少により、この法律若しくはこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合しないこととなつた場合又はこれらの規定に適合しない部分を有するに至つた場合について準用する。この場合において、同項第三号中「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用」とあるのは、「第八十六条の九第一項各号に掲げる事業の施行による建築物の敷地面積の減少」と読み替えるものとする。
一 土地収用法第三条各号に掲げるものに関する事業若しくは都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業又はこれらの事業に係る土地収用法第十六条に規定する関連事業
二 その他前号の事業に準ずる事業で政令で定めるもの
2 第五十三条の二第三項(第五十七条の五第三項、第六十七条第四項及び第六十八条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、前項各号に掲げる事業の施行による面積の減少により、当該事業の施行の際現に建築物の敷地として使用されている土地で第五十三条の二第一項(第五十七条の五第三項において準用する場合を含む。)、第六十七条第三項若しくは第六十八条第三項の規定に適合しなくなるもの又は当該事業の施行の際現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならばこれらの規定に適合しないこととなる土地について準用する。この場合において、第五十三条の二第三項中「同項の規定は」とあるのは「第一項、第六十七条第三項又は第六十八条第三項の規定は」と、同項第一号中「第一項の都市計画における建築物の敷地面積の最低限度が変更された際、」とあるのは「第八十六条の九第一項各号に掲げる事業の施行により面積が減少した際、当該面積の減少がなくとも」と、「従前の制限」とあるのは「制限」と、同項第二号中「第一項」とあるのは「第一項(第五十七条の五第三項において準用する場合を含む。)、第六十七条第三項若しくは第六十八条第三項」と、「同項」とあるのは「これら」と読み替えるものとする。

(用途の変更に対するこの法律の準用)

第八十七条 建築物の用途を変更して第六条第一項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条(第三項、第五項及び第六項を除く。)、第六条の二(第三項を除く。)、第六条の四(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条第一項並びに第十八条第一項から第三項まで及び第十四項から第十六項までの規定を準用する。この場合において、第七条第一項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。
2 建築物(次項の建築物を除く。)の用途を変更する場合においては、第四十八条第一項から第十四項まで、第五十一条、第六十条の二第三項及び第六十八条の三第七項の規定並びに第三十九条第二項、第四十条、第四十三条第三項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項、第六十八条の二第一項及び第五項並びに第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の規定を準用する。
3 第三条第二項の規定により第二十七条、第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条から第三十五条の三まで、第三十六条中第二十八条第一項若しくは第三十五条に関する部分、第四十八条第一項から第十四項まで若しくは第五十一条の規定又は第三十九条第二項、第四十条、第四十三条第三項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで、第六十八条の二第一項若しくは第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の規定(次条第一項において「第二十七条等の規定」という。)の適用を受けない建築物の用途を変更する場合においては、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これらの規定を準用する。
一 増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替をする場合
二 当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものであつて、かつ、建築物の修繕若しくは模様替をしない場合又はその修繕若しくは模様替が大規模でない場合
三 第四十八条第一項から第十四項までの規定に関しては、用途の変更が政令で定める範囲内である場合
4 第八十六条の七第二項(第三十五条に係る部分に限る。)及び第八十六条の七第三項(第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条の三又は第三十六条(居室の採光面積に係る部分に限る。以下この項において同じ。)に係る部分に限る。)の規定は、第三条第二項の規定により第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条、第三十五条の三又は第三十六条の規定の適用を受けない建築物の用途を変更する場合について準用する。この場合において、第八十六条の七第二項及び第三項中「増築等」とあるのは「用途の変更」と、「第三条第三項」とあるのは「第八十七条第三項」と読み替えるものとする。

(既存の一の建築物について二以上の工事に分けて用途の変更に伴う工事を行う場合の制限の緩和)

第八十七条の二 第三条第二項の規定により第二十七条等の規定の適用を受けない一の建築物について二以上の工事に分けて用途の変更に伴う工事を行う場合(第八十六条の八第一項に規定する場合に該当する場合を除く。)において、特定行政庁が当該二以上の工事の全体計画が次に掲げる基準に適合すると認めたときにおける第三条第二項及び前条第三項の規定の適用については、第三条第二項中「建築、修繕若しくは模様替の工事中の」とあるのは「第八十七条の二第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事の工事中若しくはこれらの工事の間の」と、前条第三項中「準用する」とあるのは「準用する。ただし、次条第一項の認定を受けた全体計画に係る二以上の工事のうち最後の工事に着手するまでは、この限りでない」とする。
一 一の建築物の用途の変更に伴う工事を二以上の工事に分けて行うことが当該建築物の利用状況その他の事情によりやむを得ないものであること。
二 全体計画に係る全ての工事の完了後において、当該全体計画に係る建築物及び建築物の敷地が建築基準法令の規定に適合することとなること。
三 全体計画に係るいずれの工事の完了後においても、当該全体計画に係る建築物及び建築物の敷地について、交通上の支障、安全上、防火上及び避難上の危険性並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害性が増大しないものであること。
2 第八十六条の八第二項から第六項までの規定は、前項の認定について準用する。

(建築物の用途を変更して一時的に他の用途の建築物として使用する場合の制限の緩和)

第八十七条の三 非常災害があつた場合において、非常災害区域等内にある建築物の用途を変更して災害救助用建築物(住宅、病院その他これらに類する建築物で、国、地方公共団体又は日本赤十字社が災害救助のために使用するものをいう。以下この条及び第百一条第一項第十六号において同じ。)として使用するとき(その災害が発生した日から一月以内に当該用途の変更に着手するときに限る。)における当該災害救助用建築物については、建築基準法令の規定は、適用しない。ただし、非常災害区域等のうち防火地域内にある建築物については、この限りでない。
2 災害があつた場合において、建築物の用途を変更して公益的建築物(学校、集会場その他これらに類する公益上必要な用途に供する建築物をいう。以下この条及び第百一条第一項第十六号において同じ。)として使用するときにおける当該公益的建築物については、第十二条第一項から第四項まで、第二十一条、第二十二条、第二十六条、第三十条、第三十四条第二項、第三十五条、第三十六条(第二十一条、第二十六条、第三十四条第二項及び第三十五条に係る部分に限る。)、第三十九条、第四十条、第三章並びに第八十七条第一項及び第二項の規定は、適用しない。
3 建築物の用途を変更して第一項の災害救助用建築物又は前項の公益的建築物とした者は、その用途の変更を完了した後三月を超えて当該建築物を引き続き災害救助用建築物又は公益的建築物として使用しようとする場合においては、その超えることとなる日前に、特定行政庁の許可を受けなければならない。ただし、当該許可の申請をした場合において、その超えることとなる日前に当該申請に対する処分がされないときは、当該処分がされるまでの間は、当該建築物を引き続き災害救助用建築物又は公益的建築物として使用することができる。
4 特定行政庁は、前項の許可の申請があつた場合において、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、二年以内の期間を限つて、その許可をすることができる。
5 特定行政庁は、被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足することその他の理由により前項に規定する期間を超えて使用する特別の必要がある災害救助用建築物又は公益的建築物について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、同項の規定にかかわらず、更に一年を超えない範囲内において同項の規定による許可の期間を延長することができる。被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足することその他の理由により当該延長に係る期間を超えて使用する特別の必要がある災害救助用建築物又は公益的建築物についても、同様とする。
6 特定行政庁は、建築物の用途を変更して興行場等(興行場、博覧会建築物、店舗その他これらに類する建築物をいう。以下同じ。)とする場合における当該興行場等について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、一年以内の期間(建築物の用途を変更して代替建築物(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に代えて使用する興行場、店舗その他これらに類する建築物をいう。)とする場合における当該代替建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めて、当該建築物を興行場等として使用することを許可することができる。この場合においては、第十二条第一項から第四項まで、第二十一条、第二十二条、第二十四条、第二十六条、第二十七条、第三十四条第二項、第三十五条の二、第三十五条の三、第三章及び第八十七条第二項の規定は、適用しない。
7 特定行政庁は、建築物の用途を変更して特別興行場等(国際的な規模の会議又は競技会の用に供することその他の理由により一年を超えて使用する特別の必要がある興行場等をいう。以下この項において同じ。)とする場合における当該特別興行場等について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認めるときは、前項の規定にかかわらず、当該特別興行場等の使用上必要と認める期間を定めて、当該建築物を特別興行場等として使用することを許可することができる。この場合においては、同項後段の規定を準用する。
8 特定行政庁は、第五項の規定により許可の期間を延長する場合又は前項の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。ただし、病院、学校その他の公益上特に必要なものとして国土交通省令で定める用途に供する災害救助用建築物又は公益的建築物について第五項の規定により許可の期間を延長する場合は、この限りでない。

(建築設備への準用)

第八十七条の四 政令で指定する昇降機その他の建築設備を第六条第一項第一号から第三号までに掲げる建築物に設ける場合においては、同項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による確認又は第十八条第二項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知を要する場合を除き、第六条(第三項、第五項及び第六項を除く。)、第六条の二(第三項を除く。)、第六条の四(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条から第七条の四まで、第七条の五(第六条の四第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条の六、第十八条(第四項から第十三項まで及び第二十五項を除く。)及び第八十九条から第九十条の三までの規定を準用する。この場合において、第六条第四項中「同項第一号から第三号までに係るものにあつてはその受理した日から三十五日以内に、同項第四号に係るものにあつてはその受理した日から七日以内に」とあるのは、「その受理した日から七日以内に」と読み替えるものとする。

(工作物への準用)

第八十八条 煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの(以下この項において「昇降機等」という。)については、第三条、第六条(第三項、第五項及び第六項を除くものとし、第一項及び第四項は、昇降機等については第一項第一号から第三号までの建築物に係る部分、その他のものについては同項第四号の建築物に係る部分に限る。)、第六条の二(第三項を除く。)、第六条の四(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条から第七条の四まで、第七条の五(第六条の四第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第八条から第十一条まで、第十二条第五項(第三号を除く。)及び第六項から第九項まで、第十三条、第十五条の二、第十八条(第四項から第十三項まで及び第二十四項を除く。)、第二十条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第三十二条、第三十三条、第三十四条第一項、第三十六条(避雷設備及び昇降機に係る部分に限る。)、第三十七条、第三十八条、第四十条、第三章の二(第六十八条の二十第二項については、同項に規定する建築物以外の認証型式部材等に係る部分に限る。)、第八十六条の七第一項(第二十八条の二(第八十六条の七第一項の政令で定める基準に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、第八十六条の七第二項(第二十条に係る部分に限る。)、第八十六条の七第三項(第三十二条、第三十四条第一項及び第三十六条(昇降機に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、前条、次条並びに第九十条の規定を、昇降機等については、第七条の六、第十二条第一項から第四項まで、第十二条の二、第十二条の三及び第十八条第二十四項の規定を準用する。この場合において、第二十条第一項中「次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準」とあるのは、「政令で定める技術的基準」と読み替えるものとする。
2 製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物で政令で指定するものについては、第三条、第六条(第三項、第五項及び第六項を除くものとし、第一項及び第四項は、第一項第一号から第三号までの建築物に係る部分に限る。)、第六条の二(第三項を除く。)、第七条、第七条の二、第七条の六から第九条の三まで、第十一条、第十二条第五項(第三号を除く。)及び第六項から第九項まで、第十三条、第十五条の二、第十八条(第四項から第十三項まで及び第十九項から第二十三項までを除く。)、第四十八条から第五十一条まで、第六十条の二第三項、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項、第六十八条の二第一項及び第五項、第六十八条の三第六項から第九項まで、第八十六条の七第一項(第四十八条第一項から第十四項まで及び第五十一条に係る部分に限る。)、第八十七条第二項(第四十八条第一項から第十四項まで、第四十九条から第五十一条まで、第六十条の二第三項、第六十条の二の二第四項、第六十条の三第三項並びに第六十八条の二第一項及び第五項に係る部分に限る。)、第八十七条第三項(第四十八条第一項から第十四項まで、第四十九条から第五十一条まで及び第六十八条の二第一項に係る部分に限る。)、前条、次条、第九十一条、第九十二条の二並びに第九十三条の二の規定を準用する。この場合において、第六条第二項及び別表第二中「床面積の合計」とあるのは「築造面積」と、第六十八条の二第一項中「敷地、構造、建築設備又は用途」とあるのは「用途」と読み替えるものとする。
3 第三条、第八条から第十一条まで、第十二条(第五項第三号を除く。)、第十二条の二、第十二条の三、第十三条、第十五条の二並びに第十八条第一項及び第二十五項の規定は、第六十四条に規定する工作物について準用する。
4 第一項中第六条から第七条の五まで、第十八条(第一項及び第二十五項を除く。)及び次条に係る部分は、宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第十二条第一項、第十六条第一項、第三十条第一項若しくは第三十五条第一項、都市計画法第二十九条第一項若しくは第二項若しくは第三十五条の二第一項本文、特定都市河川浸水被害対策法(平成十五年法律第七十七号)第五十七条第一項若しくは第六十二条第一項又は津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第七十三条第一項若しくは第七十八条第一項の規定による許可を受けなければならない場合の擁壁については、適用しない。

(工事現場における確認の表示等)

第八十九条 第六条第一項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の施工者は、当該工事現場の見易い場所に、国土交通省令で定める様式によつて、建築主、設計者、工事施工者及び工事の現場管理者の氏名又は名称並びに当該工事に係る同項の確認があつた旨の表示をしなければならない。
2 第六条第一項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の施工者は、当該工事に係る設計図書を当該工事現場に備えておかなければならない。

(工事現場の危害の防止)

第九十条 建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の措置の技術的基準は、政令で定める。
3 第三条第二項及び第三項、第九条(第十三項及び第十四項を除く。)、第九条の二、第九条の三(設計者及び宅地建物取引業者に係る部分を除く。)並びに第十八条第一項及び第二十五項の規定は、第一項の工事の施工について準用する。

(工事中の特殊建築物等に対する措置)

第九十条の二 特定行政庁は、第九条又は第十条の規定による場合のほか、建築、修繕若しくは模様替又は除却の工事の施工中に使用されている第六条第一項第一号から第三号までの建築物が、安全上、防火上又は避難上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の建築主又は所有者、管理者若しくは占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の使用禁止、使用制限その他安全上、防火上又は避難上必要な措置を採ることを命ずることができる。
2 第九条第二項から第九項まで及び第十一項から第十五項までの規定は、前項の場合に準用する。

(工事中における安全上の措置等に関する計画の届出)

第九十条の三 別表第一(い)欄の(一)項、(二)項及び(四)項に掲げる用途に供する建築物並びに地下の工作物内に設ける建築物で政令で定めるものの新築の工事又はこれらの建築物に係る避難施設等に関する工事の施工中において当該建築物を使用し、又は使用させる場合においては、当該建築主は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)

第九十一条 建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条第一項及び第二項並びに別表第三の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第二十二条第一項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。

(面積、高さ及び階数の算定)

第九十二条 建築物の敷地面積、建築面積、延べ面積、床面積及び高さ、建築物の軒、天井及び床の高さ、建築物の階数並びに工作物の築造面積の算定方法は、政令で定める。

(許可の条件)

第九十二条の二 この法律の規定による許可には、建築物又は建築物の敷地を交通上、安全上、防火上又は衛生上支障がないものとするための条件その他必要な条件を付することができる。この場合において、その条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。

(許可又は確認に関する消防長等の同意等)

第九十三条 特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関は、この法律の規定による許可又は確認をする場合においては、当該許可又は確認に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長(消防本部を置かない市町村にあつては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長の同意を得なければ、当該許可又は確認をすることができない。ただし、確認に係る建築物が防火地域及び準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く。)である場合又は建築主事若しくは指定確認検査機関が第八十七条の四において準用する第六条第一項若しくは第六条の二第一項の規定による確認をする場合においては、この限りでない。
2 消防長又は消防署長は、前項の規定によつて同意を求められた場合においては、当該建築物の計画が法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定(建築主事又は指定確認検査機関が第六条の四第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕、大規模の模様替若しくは用途の変更又は同項第三号に掲げる建築物の建築について確認する場合において同意を求められたときは、同項の規定により読み替えて適用される第六条第一項の政令で定める建築基準法令の規定を除く。)で建築物の防火に関するものに違反しないものであるときは、同項第四号に係る場合にあつては、同意を求められた日から三日以内に、その他の場合にあつては、同意を求められた日から七日以内に同意を与えてその旨を当該特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に通知しなければならない。この場合において、消防長又は消防署長は、同意することができない事由があると認めるときは、これらの期限内に、その事由を当該特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に通知しなければならない。
3 第六十八条の二十第一項(第六十八条の二十二第二項において準用する場合を含む。)の規定は、消防長又は消防署長が第一項の規定によつて同意を求められた場合に行う審査について準用する。
4 建築主事又は指定確認検査機関は、第一項ただし書の場合において第六条第一項(第八十七条の四において準用する場合を含む。)の規定による確認申請書を受理したとき若しくは第六条の二第一項(第八十七条の四において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請を受けたとき又は第十八条第二項(第八十七条第一項又は第八十七条の四において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、これを当該申請又は通知に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長又は消防署長に通知しなければならない。
5 建築主事又は指定確認検査機関は、第三十一条第二項に規定する屎し尿浄化槽又は建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和四十五年法律第二十号)第二条第一項に規定する特定建築物に該当する建築物に関して、第六条第一項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請書を受理した場合、第六条の二第一項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請を受けた場合又は第十八条第二項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、これを当該申請又は通知に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する保健所長に通知しなければならない。
6 保健所長は、必要があると認める場合においては、この法律の規定による許可又は確認について、特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に対して意見を述べることができる。

(書類の閲覧)

第九十三条の二 特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第十二条第一項及び第三項の規定による報告に関する書類のうち、当該処分若しくは報告に係る建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして国土交通省令で定めるものについては、国土交通省令で定めるところにより、閲覧の請求があつた場合には、これを閲覧させなければならない。

(国土交通省令への委任)

第九十三条の三 この法律に定めるもののほか、この法律の規定に基づく許可その他の処分に関する手続その他この法律の実施のため必要な事項は、国土交通省令で定める。

(不服申立て)

第九十四条 建築基準法令の規定による特定行政庁、建築主事若しくは建築監視員、都道府県知事、指定確認検査機関又は指定構造計算適合性判定機関の処分又はその不作為についての審査請求は、行政不服審査法第四条第一号に規定する処分庁又は不作為庁が、特定行政庁、建築主事若しくは建築監視員又は都道府県知事である場合にあつては当該市町村又は都道府県の建築審査会に、指定確認検査機関である場合にあつては当該処分又は不作為に係る建築物又は工作物について第六条第一項(第八十七条第一項、第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に、指定構造計算適合性判定機関である場合にあつては第十八条の二第一項の規定により当該指定構造計算適合性判定機関にその構造計算適合性判定を行わせた都道府県知事が統括する都道府県の建築審査会に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、建築審査会に代えて、当該不作為庁が、特定行政庁、建築主事、建築監視員又は都道府県知事である場合にあつては当該市町村の長又は都道府県知事に、指定確認検査機関である場合にあつては当該指定確認検査機関に、指定構造計算適合性判定機関である場合にあつては当該指定構造計算適合性判定機関に対してすることもできる。
2 建築審査会は、前項前段の規定による審査請求がされた場合においては、当該審査請求がされた日(行政不服審査法第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあつては、当該不備が補正された日)から一月以内に、裁決をしなければならない。
3 建築審査会は、前項の裁決を行う場合においては、行政不服審査法第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、あらかじめ、審査請求人、特定行政庁、建築主事、建築監視員、都道府県知事、指定確認検査機関、指定構造計算適合性判定機関その他の関係人又はこれらの者の代理人の出頭を求めて、公開による口頭審査を行わなければならない。
4 第一項前段の規定による審査請求については、行政不服審査法第三十一条の規定は適用せず、前項の口頭審査については、同法第九条第三項の規定により読み替えられた同法第三十一条第二項から第五項までの規定を準用する。 第九十五条 建築審査会の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。 第九十六条 削除

(権限の委任)

第九十七条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

(市町村の建築主事等の特例)

第九十七条の二 第四条第一項の市以外の市又は町村においては、同条第二項の規定によるほか、当該市町村の長の指揮監督の下に、この法律中建築主事の権限に属するものとされている事務で政令で定めるものをつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。この場合においては、この法律中建築主事に関する規定は、当該市町村が置く建築主事に適用があるものとする。
2 第四条第三項及び第四項の規定は、前項の市町村が同項の規定により建築主事を置く場合に準用する。
3 第一項の規定により建築主事を置く市町村は、同項の規定により建築主事が行うこととなる事務に関する限り、この法律の規定の適用については、第四条第五項に規定する建築主事を置く市町村とみなす。この場合において、第七十八条第一項中「置く」とあるのは、「置くことができる」とする。
4 この法律中都道府県知事たる特定行政庁の権限に属する事務で政令で定めるものは、政令で定めるところにより、第一項の規定により建築主事を置く市町村の長が行なうものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事たる特定行政庁に関する規定は、当該市町村の長に関する規定として当該市町村の長に適用があるものとする。
5 第一項の規定により建築主事を置く市町村の長たる特定行政庁、同項の建築主事又は当該特定行政庁が命じた建築監視員の建築基準法令の規定による処分又はその不作為についての審査請求は、当該市町村に建築審査会が置かれていないときは、当該市町村を包括する都道府県の建築審査会に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、建築審査会に代えて、当該不作為に係る市町村の長に対してすることもできる。

(特別区の特例)

第九十七条の三 特別区においては、第四条第二項の規定によるほか、特別区の長の指揮監督の下に、この法律中建築主事の権限に属するものとされている事務で政令で定めるものをつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。この場合においては、この法律中建築主事に関する規定は、特別区が置く建築主事に適用があるものとする。
2 前項の規定は、特別区に置かれる建築主事の権限に属しない特別区の区域における事務をつかさどらせるために、都が都知事の指揮監督の下に建築主事を置くことを妨げるものではない。
3 この法律中都道府県知事たる特定行政庁の権限に属する事務で政令で定めるものは、政令で定めるところにより、特別区の長が行なうものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事たる特定行政庁に関する規定は、特別区の長に関する規定として特別区の長に適用があるものとする。
4 特別区が第四条第二項の規定により建築主事を置こうとする場合における同条第三項及び第四項の規定の適用については、同条第三項中「協議しなければ」とあるのは「協議し、その同意を得なければ」と、同条第四項中「により協議して」とあるのは「による同意を得た場合において」とする。

(手数料)

第九十七条の四 国土交通大臣が行う次に掲げる処分の申請をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
一 構造方法等の認定
二 特殊構造方法等認定
三 型式適合認定
四 第六十八条の十一第一項の認証又はその更新
五 第六十八条の二十二第一項の認証又はその更新
2 指定認定機関、承認認定機関、指定性能評価機関又は承認性能評価機関が行う前項第三号から第五号までに掲げる処分又は性能評価の申請をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を当該指定認定機関、承認認定機関、指定性能評価機関又は承認性能評価機関に納めなければならない。
3 前項の規定により指定認定機関、承認認定機関、指定性能評価機関又は承認性能評価機関に納められた手数料は、当該指定認定機関、承認認定機関、指定性能評価機関又は承認性能評価機関の収入とする。

(事務の区分)

第九十七条の五 第十五条第四項、第十六条及び第七十七条の六十三の規定により都道府県が処理することとされている事務並びに第十五条第一項から第三項までの規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
2 第七十条第四項(第七十四条第二項(第七十六条の三第六項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第七十六条の三第四項において準用する場合を含む。)、第七十一条(第七十四条第二項及び第七十六条の三第四項において準用する場合を含む。)、第七十二条(同条第二項の規定により建築協定書に意見を付する事務に係る部分を除き、第七十四条第二項及び第七十六条の三第四項において準用する場合を含む。)及び第七十三条第三項(第七十四条第二項、第七十五条の二第四項及び第七十六条の三第四項において準用する場合を含む。)の規定により市町村(建築主事を置かない市町村に限る。)が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第二号に規定する第二号法定受託事務とする。

(経過措置)

第九十七条の六 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第七章 罰則



第九十八条

 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第九条第一項又は第十項前段(これらの規定を第八十八条第一項から第三項まで又は第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による特定行政庁又は建築監視員の命令に違反した者
二 第二十条(第一項第一号から第三号までに係る部分に限る。)、第二十一条、第二十六条、第二十七条、第三十五条又は第三十五条の二の規定に違反した場合における当該建築物又は建築設備の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等(型式適合認定に係る型式の建築材料若しくは建築物の部分、構造方法等の認定に係る構造方法を用いる建築物の部分若しくは建築材料又は特殊構造方法等認定に係る特殊の構造方法を用いる建築物の部分若しくは特殊の建築材料をいう。以下同じ。)の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物又は建築設備の工事施工者)
三 第三十六条(防火壁、防火床及び防火区画の設置及び構造に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物の工事施工者)
四 第八十七条第三項において準用する第二十七条、第三十五条又は第三十五条の二の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
五 第八十七条第三項において準用する第三十六条(防火壁、防火床及び防火区画の設置及び構造に関して、第三十五条の規定を実施し、又は補足するために安全上及び防火上必要な技術的基準に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
2 前項第二号又は第三号に規定する違反があつた場合において、その違反が建築主又は建築設備の設置者の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主又は建築設備の設置者に対して同項の刑を科する。

第九十九条

 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第六条第一項(第八十七条第一項、第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)、第七条の六第一項(第八十七条の四又は第八十八条第二項において準用する場合を含む。)又は第六十八条の十九第二項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二 第六条第八項(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)又は第七条の三第六項(第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した場合における当該建築物、工作物又は建築設備の工事施工者
三 第七条第二項若しくは第三項(これらの規定を第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)又は第七条の三第二項若しくは第三項(これらの規定を第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の期限内に第七条第一項(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)又は第七条の三第一項(第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をした者
四 第九条第十項後段(第八十八条第一項から第三項まで又は第九十条第三項において準用する場合を含む。)、第十条第二項若しくは第三項(これらの規定を第八十八条第一項又は第三項において準用する場合を含む。)、第十一条第一項(第八十八条第一項から第三項までにおいて準用する場合を含む。)又は第九十条の二第一項の規定による特定行政庁又は建築監視員の命令に違反した者
五 第十二条第五項(第一号に係る部分に限る。)又は第十五条の二第一項(これらの規定を第八十八条第一項から第三項までにおいて準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第十二条第六項又は第十五条の二第一項(これらの規定を第八十八条第一項から第三項までにおいて準用する場合を含む。)の規定による物件の提出をせず、又は虚偽の物件の提出をした者
七 第十二条第七項又は第十五条の二第一項(これらの規定を第八十八条第一項から第三項までにおいて準用する場合を含む。)の規定による検査若しくは試験を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者
八 第二十条(第一項第四号に係る部分に限る。)、第二十二条第一項、第二十三条、第二十五条、第二十八条第三項、第二十八条の二(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第三十二条(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第三十三条(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第三十四条第一項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第三十四条第二項、第三十五条の三、第三十七条(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第六十一条、第六十二条、第六十四条、第六十七条第一項又は第八十八条第一項において準用する第二十条の規定に違反した場合における当該建築物、工作物又は建築設備の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物、工作物又は建築設備の工事施工者)
九 第三十六条(消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに煙突及び昇降機の構造に係る部分に限り、第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物、工作物又は建築設備の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物、工作物又は建築設備の工事施工者)
十 第七十七条の八第一項(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らした者
十一 第七十七条の八第二項(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、事前に建築基準適合判定資格者検定若しくは構造計算適合判定資格者検定の問題を漏らし、又は不正の採点をした者
十二 第七十七条の二十五第一項、第七十七条の三十五の十第一項又は第七十七条の四十三第一項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した者
十三 第七十七条の三十五第二項の規定による確認検査の業務の停止の命令に違反した者
十四 第七十七条の六十二第二項(第七十七条の六十六第二項において準用する場合を含む。)の規定による禁止に違反して、確認検査又は構造計算適合性判定の業務を行つた者
十五 第八十七条第三項において準用する第二十八条第三項又は第三十五条の三の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十六 第八十七条第三項において準用する第三十六条(消火設備の設置及び構造に関して、第三十五条の規定を実施し、又は補足するために安全上及び防火上必要な技術的基準に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
2 前項第八号又は第九号に規定する違反があつた場合において、その違反が建築主、工作物の築造主又は建築設備の設置者の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主、工作物の築造主又は建築設備の設置者に対して同項の刑を科する。

第百条

 第七十七条の十五第二項(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)、第七十七条の三十五の十九第二項又は第七十七条の五十一第二項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の規定による建築基準適合判定資格者検定事務、構造計算適合判定資格者検定事務又は構造計算適合性判定、認定等若しくは性能評価の業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定建築基準適合判定資格者検定機関若しくは指定構造計算適合判定資格者検定機関の役員若しくは職員(建築基準適合判定資格者検定委員及び構造計算適合判定資格者検定委員を含む。)又は指定構造計算適合性判定機関、指定認定機関若しくは指定性能評価機関(いずれもその者が法人である場合にあつては、その役員)若しくはその職員(構造計算適合性判定員、認定員及び評価員を含む。)(第百四条において「指定建築基準適合判定資格者検定機関等の役員等」という。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第百一条

 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一 第五条の六第一項から第三項まで又は第五項の規定に違反した場合における当該建築物の工事施工者
二 第十二条第一項若しくは第三項(これらの規定を第八十八条第一項又は第三項において準用する場合を含む。)又は第五項(第二号に係る部分に限り、第八十八条第一項から第三項までにおいて準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第十九条、第二十八条第一項若しくは第二項、第三十一条、第四十三条第一項、第四十四条第一項、第四十七条、第五十二条第一項、第二項若しくは第七項、第五十三条第一項若しくは第二項、第五十三条の二第一項(第五十七条の五第三項において準用する場合を含む。)、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項、第五十七条の四第一項、第五十七条の五第一項、第五十九条第一項若しくは第二項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十条の二第一項若しくは第二項、第六十条の二の二第一項から第三項まで、第六十条の三第一項若しくは第二項、第六十七条第三項若しくは第五項から第七項まで又は第六十八条第一項から第三項までの規定に違反した場合における当該建築物又は建築設備の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物又は建築設備の工事施工者)
四 第三十六条(居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所の設置及び構造並びに浄化槽の構造に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物又は建築設備の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物又は建築設備の工事施工者)
五 第四十八条第一項から第十四項まで又は第五十一条(これらの規定を第八十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した場合における当該建築物又は工作物の建築主又は築造主
六 第五十八条第一項の規定による制限に違反した場合における当該建築物の設計者(設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合においては、当該建築物の工事施工者)
七 第六十八条の十八第二項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、検査を行わず、検査記録を作成せず、虚偽の検査記録を作成し、又は検査記録を保存しなかつた者
八 第八十五条第三項の規定に違反した場合における当該建築物の建築主
九 第八十五条第四項又は第五項の規定により特定行政庁が定めた期間を超えて応急仮設建築物を存続させた場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十 第八十五条第六項又は第七項の規定により特定行政庁が定めた期間を超えて仮設興行場等を存続させた場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十一 第八十四条第一項の規定による制限又は禁止に違反した場合における当該建築物の建築主
十二 第八十七条第二項又は第三項において準用する第二十八条第一項、第四十八条第一項から第十四項まで又は第五十一条の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十三 第八十八条第二項において準用する第八十七条第二項又は第三項において準用する第四十八条第一項から第十四項まで又は第五十一条の規定に違反した場合における当該工作物の所有者、管理者又は占有者
十四 第八十七条第三項において準用する第三十六条(居室の採光面積及び階段の構造に関して、第二十八条第一項又は第三十五条の規定を実施し、又は補足するために安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十五 第八十七条の三第三項の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十六 第八十七条の三第四項又は第五項の規定により特定行政庁が定めた期間を超えて当該建築物を災害救助用建築物又は公益的建築物として使用した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十七 第八十七条の三第六項又は第七項の規定により特定行政庁が定めた期間を超えて当該建築物を興行場等として使用した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
十八 第九十条第一項(第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
2 前項第三号、第四号又は第六号に規定する違反があつた場合において、その違反が建築主又は建築設備の設置者の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主又は建築設備の設置者に対して同項の刑を科する。

第百二条

 第十二条第五項(第三号に係る部分に限る。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、その違反行為をした指定構造計算適合性判定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員)又はその職員(構造計算適合性判定員を含む。)は、百万円以下の罰金に処する。

第百三条

 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第六条の二第五項(第八十七条第一項、第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)、第七条の二第六項(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)、第七条の四第六項(第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)又は第七条の六第三項(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)の規定による報告書若しくは添付書類の提出をせず、又は虚偽の報告書若しくは添付書類の提出をした者
二 第十五条第一項の規定又は第八十七条第一項において読み替えて準用する第七条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第七十七条の二十九第二項又は第八十九条(第八十七条の四又は第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
四 第七十七条の三十一第一項又は第八十六条の八第四項(第八十七条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
五 第七十七条の三十一第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
六 第七十七条の三十一第一項又は第二項の規定による質問に対して答弁せず、又は虚偽の答弁をした者
七 第七十七条の二十九第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
八 第七十七条の三十四第一項の規定による届出をしないで確認検査の業務の全部を廃止し、又は虚偽の届出をした者

第百四条

 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定建築基準適合判定資格者検定機関等の役員等は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第七十七条の十三第一項(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)、第七十七条の三十五の十七第一項又は第七十七条の四十九第一項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
二 第七十七条の十一(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)、第七十七条の三十五の十四第一項又は第七十七条の四十七第一項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
三 第七十七条の十三第一項(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)、第七十七条の三十五の十七第一項又は第七十七条の四十九第一項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
四 第七十七条の十四第一項(第七十七条の十七の二第二項において準用する場合を含む。)、第七十七条の三十五の十八第一項又は第七十七条の五十第一項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の許可を受けないで建築基準適合判定資格者検定事務、構造計算適合判定資格者検定事務又は構造計算適合性判定、認定等若しくは性能評価の業務の全部を廃止したとき。 p五 第七十七条の三十五の十四第二項又は第七十七条の四十七第二項(第七十七条の五十六第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

第百五条

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をした場合においては、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第九十八条第一項第一号(第十九条第四項、第二十条、第二十一条、第二十二条第一項、第二十三条、第二十五条から第二十七条まで、第二十八条第三項、第二十八条の二、第三十二条から第三十五条の三まで、第三十六条(防火壁、防火床、防火区画、消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに煙突及び昇降機の構造に係る部分に限る。)、第三十七条、第六十一条、第六十二条、第六十四条又は第六十七条第一項、第三項若しくは第五項から第七項までの規定に違反する特殊建築物等(第六条第一項第一号に掲げる建築物その他多数の者が利用するものとして政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)又は当該特殊建築物等の敷地に関してされた第九条第一項又は第十項前段(これらの規定を第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による命令の違反に係る部分に限る。)、第九十八条(第一項第一号を除き、特殊建築物等に係る部分に限る。)並びに第九十九条第一項第八号、第九号、第十五号及び第十六号並びに第二項(特殊建築物等に係る部分に限る。) 一億円以下の罰金刑
二 第九十八条(前号に係る部分を除く。)、第九十九条第一項第一号から第七号まで、第八号及び第九号(特殊建築物等に係る部分を除く。)、第十二号(第七十七条の二十五第一項に係る部分に限る。)、第十三号、第十四号並びに第十五号及び第十六号(特殊建築物等に係る部分を除く。)並びに第二項(特殊建築物等に係る部分を除く。)、第百一条並びに第百三条 各本条の罰金刑

第百六条

 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
一 第十二条の二第三項(第十二条の三第四項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。)又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
二 第六十八条の十六若しくは第六十八条の十七第一項(これらの規定を第八十八条第一項において準用する場合を含む。)又は第七十七条の六十一(第三号を除き、第七十七条の六十六第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第七十七条の二十九の二の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは関係者の求めに応じて閲覧させず、又は書類に虚偽の記載をし、若しくは虚偽の記載のある書類を関係者に閲覧させた者
2 第七十七条の三十五の十五の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは関係者の求めに応じて閲覧させず、又は書類に虚偽の記載をし、若しくは虚偽の記載のある書類を関係者に閲覧させた指定構造計算適合性判定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員)又はその職員は、三十万円以下の過料に処する。

第百七条

 第三十九条第二項、第四十条若しくは第四十三条第三項(これらの規定を第八十七条第二項において準用する場合を含む。)、第四十三条の二(第八十七条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項(第八十七条第二項又は第八十八条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条の二(第八十七条第二項又は第八十八条第二項において準用する場合を含む。)、第五十条(第八十七条第二項又は第八十八条第二項において準用する場合を含む。)、第六十八条の二第一項(第八十七条第二項又は第八十八条第二項において準用する場合を含む。)、第六十八条の九第一項(第八十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第六十八条の九第二項の規定に基づく条例には、これに違反した者に対し、五十万円以下の罰金に処する旨の規定を設けることができる。